劇場公開日 2020年8月22日

「【”激しき戦禍の仲、それでも彼女達は自分の城を守る・・。”今作は戦闘シーンが一切ないのに、緊迫感が尋常でない恐ろしい作品である。】」シリアにて NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”激しき戦禍の仲、それでも彼女達は自分の城を守る・・。”今作は戦闘シーンが一切ないのに、緊迫感が尋常でない恐ろしい作品である。】

2020年12月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

<Caution!内容に触れています。鑑賞後にお読み下さい。>

ー 泥沼化するシリア内戦。史上最悪の愚かしき大統領アサドを始め、戦闘シーンは、一切出て来ない・・。だが、劇中四六時中鳴り響く砲弾、爆撃の音。-

■舞台は、シリアの首都ダマスカス近郊と思われるマンションの一室。
 ・戦地に赴いた夫との帰還を、マンション最後の一家となっても逃げずに待つオーム(ヒアム・アッバス)。
 ・上階の幼子を抱える夫婦も(爆撃のためと類推)自室に入れ、日々家族を律しつつ、夫の帰りを待つオーム。

 ・上階の若夫婦は、この状況を脱しようとし、夫は連絡を取りに外に出るが、スナイパーに撃たれてしまう・・。それを目撃したメイドのデルハニ。だが、オームはその事実を誰にも言うなと口封じする・・。

ー固く、閉ざされた部屋の入口。それでも、窓を破って侵入してくる愚かしき男二人。蹂躙される婦人。ー

 <舞台はこのマンション内のみで進行するのだが、緊迫感が半端ない作品。
 上映時間は、1H26Mだが、あれ以上だと、かなり精神的にシンドイ。
 女性の視点から描いた、現在のシリア内戦に対する、強烈な反戦映画である。
 見応えある作品。体調が良い時の鑑賞をお勧めする。>

<2020年12月18日 刈谷日劇にて鑑賞>

■2024.12.10 2000年に父からシリア大統領を引き継ぎ、多数の内戦を引き起こした独裁者アサドがロシアに亡命した。
 戦争犯罪の大罪で、犯した罪を償うべき男だと思うのだが、のうのうとロシアで暮らすのだろうなあ。

NOBU