「【時代に翻弄され、遣り過ぎてしまった”自警警察”の末路。】」迫り来る嵐 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【時代に翻弄され、遣り過ぎてしまった”自警警察”の末路。】
ー1997年 中国の鉄鋼工場のある小さな町が舞台の物語。雨が降り続く、陰鬱な風景の中、若き女性の連続殺人が起こるが・・。-
中国の時代の変化をモチーフに、一人の男、ユィ・グオウェイ(ドアン・イーホン)が”人を捜査し、優越感に浸る”事に執着しすぎて、何時の間にか狂気の淵に立ってしまう姿を、ドン・ユエ監督は描きたかったのだろうが、”色々と”気になってしまった作品。
・ユィの独りよがりの”捜査”の”犠牲”になった、ユィを師匠と呼ぶリウの工場の高所から落下する姿や、犯人扱いされた男の姿、恋人のイェンズ(ジャン・イーェン)の姿など、観ていて暗鬱な気分になる。
■印象的なシーン
・イェンズのセリフ”香港へ頻繁に行けるようになると思う?”
・2008年 釈放された・ユィが老いさらばえたジャン警部を訪れるシーン
・2008年 且つて働いていた国営鉄鋼工場が爆破される様子を遠目に眺める人々の姿
<監督がこの作品で表現したい事は何となく分かる気がするが、ストーリーテリングが上手くないため、焦点がぼやけてしまったと思われる作品。
但し、作品が醸し出す”中国の時代の変遷についていけない人々の気持ち”を代弁するが如きの暗鬱な雰囲気は、良かったかな。>
<2019年1月6日(日) 京都シネマにて鑑賞>
ー良く、分からない部分が多数あったので。ー
<2020年5月27日(水)別媒体にて再鑑賞>
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