スヴェタのレビュー・感想・評価
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シンプルな展開ながら深い内容
2017 TIFF competition
聾唖者は音が聞こえないだけで、あとは周りの人と同じ、借金に苦しめられるし解雇もされる。嫉妬もするし、追い詰められれば罪も犯すし、人だって殺してしまう。
聞こえないだけ、といっても、それは決して小さなことではなく、普通に生きるまでには過酷な道を辿ることも珍しくはない。
そんな主張を映画から読み解くことができた。
最初から最後まで手話で成立しているこの作品は、それだけでチャレンジ。
好感を持てないスヴェタにも、最後はグッとくるものがあった。
素晴らしい映画
第30回TIFF鑑賞記録
6作目
登場人物の多くが聾者という事で、BGMもない、物音のみという映画でした。
しかしそれが逆に、映像などの台詞以外がとても引き立っていて、凄く洗練されたソリッドな仕上がりになっていました。
登場人物達は激しく言い合っているのに、耳に入るのは、吐息とクラップといわゆる雑音というとても独特な空気を持つ映画でした。
そしてこの映画の魅力はやはりスヴェタの起こす行為でしょう!
彼女の行為は、善も悪も無くて、ただ自分の目標の為にガムシャラなだけだと思います。
それは、当然スヴェタの育ち方が大きく関わっているでしょう。それは夫の育ち方との対比でもあります。生きる為に強くあれと幼い少女に語るラストシーンで、一つスヴェタを理解出来た気がします。
なりふり構わないタイプの映画が個人的ににとても好きなので凄く刺さりました。
こういったテーマは、描き方は違えど、やはり人間の普遍的な部分を感じます。
しかし、ドキュメンタリー風の撮り方や、よくわからないロングカットなど、自分の好みとは裏目にでてしまっている部分がありましたので、星4とさせて頂きます。
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