悪魔のレビュー・感想・評価
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精神分裂の枠組みがなかった時代。悪魔とは。
ノワールとかグロいのとか苦手なのに、役者に惹かれてトークショー付きで鑑賞。レイトショーでしたが席は埋まっていました。やっぱり苦手な内容でしたが、好きな人は好きそうです。
救いのない暗い世界、死でしか逃れられない状況。自分をどうにもできない苦しさ。吉村界人、見ていて辛くなるほどの怪演でした。。
何より大野いとの色気が素晴らしく、あんな高校生いたら狂ってしまうよなあと。みんなの求めている姿にコロコロ変われる女の子。出会う男すべて狂わせるガールといえば水原希子ですが、悪魔の大野いとは、ダーク版出会う男すべて狂わせるガール。
吉村さんと前田さんがどんどん狂わされていく姿は、グロくもないのに目を覆いたくなりました。。
トークショーで話していたことが印象的で、100年前には精神分裂、鬱という枠組みがなく、ますます混沌に陥っていくものだったと。ただそこだけが違うだけで、今となんとでも置き換えられる。震災をきっかけに、死の恐怖に立ち向かい続ける主人公。すべての死を記録し続けることで、自分を保っているような、脅かしているような。
主人公自身に悪魔がいるのか、周りの人が悪魔なのか、それは人によって変わってくる。
また観たくないけど、観るともっと深く観れるんだろうなあ。
※前田さんのフケはパン粉だそうです
神経衰弱
上京して下宿する大学生が下宿先の女子校正に惚れるも、下宿先には彼女の自称婚約者という居候がいるという話で、悪魔と続悪魔の混ざった内容。
娘と居候に代わる代わる部屋を訪問され試される様な会話が繰り広げられる中、夢と幻想と妄想が入り乱れ狂って行く主人公の描写を短い尺の中で上手く表している。
ただ、時間の制約は判るけれど、主人公が元々持っていた脅迫観念や恐怖心の元となっているものについての描写はなくただの臆病者にみえたのと、中途半端な同級生との関係の描写は残念。
それと、リビドーやタナトスがどうとかいう授業はちょっとわざとらしいかな。
とはいえ、気分の悪さと救われなさはしっかり表現されており、テンポもよくて面白かった。
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