モリのいる場所のレビュー・感想・評価
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自然と笑顔がこぼれる映画でした。
久しぶりにクスッと笑える映画だったと思えます。
俳優さん達の演技、音楽、構成。
個人的好きな作品でした。
こんな生き方憧れる!
閉じた映画
観る前から好きな人が観れば良いのではないでしょうか。守一が好きとか、山崎努が好きとか。
この作品をぜひ誰かにすすめることはありません。
私は好きな監督なので観ました。
期待どおりだったので、特にこれといって文句はなく、楽しかった。充実した時間でした。
映画にも、こういう事あって良いと思いました。物好きにかぎるような。
たとえば、ジム・ジャームッシュにも同じ事を思います。
目指す生き方
己の感性を大事にし、それに正直に生きる。他人の生き方に嫉妬せず、お金に固執せず、時間に縛られない。
夫婦の距離感が、これまた絶妙。
側からは仙人のように見えるかもしれないが、本人は決して仙人を目指そうなどと思っていない生き方。
生きることが好きなんだ
熊谷守一という95歳の画家のある一日を描いた作品である。最初に画家のアトリエらしき部屋が静かに紹介されるが、部屋の主は現れない。ただフクロウが目をぱちくりしているだけである。画家は今日もいつも通り庭の探索に向かっている。どれだけ探索してもまだまだ新しい発見がある。
木を見て森を見ずの反対で、彼は昆虫や葉っぱのひとつひとつの変化から、そこに何かしらの真実を見つけ出す。全体を概念で片付けるのは簡単だが、画家の目に概念は意味を成さない。とことん細部にこだわっていくと、いつしか時間も空間も変化し、時はゆっくり流れ、巨大な蟻がスローモーションのように足を運ぶのが見える。石は何時間眺めていても飽きることはない。庭はどこまでも広い未知の世界だ。子供の頃のように世界は期待に満ち溢れている。彼は言う「生きることが好きなんだ」
ラストに近いシーンで妻の秀子が「学校」と呼ぶ場所こそが、冒頭に紹介されたアトリエらしき部屋であることがわかる。画家はそこがあまり好きではない。絵を描くことは復習みたいなもので、新しい発見がないからだ。フクロウだけが目をぱちくりさせている。
長い年月を生きて喜びも悲しみも乗り越え、こだわりもわだかまりも捨てて無心で生きる夫婦の姿を、山崎努と樹木希林という名人芸の二人が淡々と演じる。水墨画のような奥深さを感じた映画であった。
97分の日常に対してほんの3分ほどの名言がぐわっと心を掴む
30年間、家の庭から外に出なかった実在する画家・熊谷守一を描いた半フィクション。
個人的には2018のTOP3には食い込んでくるであろう良作!
この作品の”間”が面白いです。
アップになってから喋りだすまでの間、カメラが振られて動き出すまでの間……すべての間がワンテンポ遅いのがモリのスローな生活を上手く演出している。
最初はその間に違和感。しだいにそのテンポが自分にも自然になってくる。
ちょっとした一言が面白い。
”あー、親族で集まったときはこんな会話してるわ”ってな絶妙なやりとり。それは一番心地よいやりとりでもあるのでしょう。
すっかりその空気に取り込まれて久しぶりに映画館で声を出して吹き出しちゃいました。自然体で笑っちゃった。「よくいう」
大きいことは何も起こらない。変化も無い。ここはターニングポイントになるのでは?って展開があっさり終わったりする。その面白さ。
基本はゆるーい日常を描いてる。
グイグイ引っ張る物語性も押し付けるメッセージ性もない。
でも映画を通して3、4だけのハッとなる名言がある。
97分の日常に対してほんの3分ほどの名言がぐわっと心を掴む。そこがロックです。
変化、成長を描いた映画は数多くあれど変わらないコトをここまで描いた映画はなかなか無い。
変わらなくとも周りは変わるし、過去に色々とあったことも含みを持って内包されてはいます。
でも変わらないコトを肯定的に描いてくれるこの映画にはなんだか安心感を覚えました。
ラストのカットも素晴らしい。
突然に非現実なシーンが挟まれるのは人を選びそうだなぁ。
私は監督のユーモアとして受け入れられました。
あのおかげで最後のモリと秀子のやりとりに不思議な感触を与えてくれたし。
『モヒカン~』でも突然のブっとび展開あったし、監督ぶち壊すの好きだなあ;
モリ役の山崎努は2本の杖を使って庭を歩く。山崎努×杖はマルサの女の権藤を思い出させる。
2本になって進化した!と勝手にワクワクしたり(笑)
長セリフはほぼ無いけど権藤の雰囲気が残っててニヤニヤしたり。
牛尾さんの音楽はホント素晴らしい。劇伴って雰囲気を作ることが多いけど、今作の音楽はまるで自然の声を音楽で表現したかのようです。草が虫が音楽を通してしゃっべてくるよう。
VJが音楽にシンクロしていくのの逆。音楽が映像にシンクロしていってる。
パンフのあらすじページには映画の最初から最後までのストーリーが書かれている。映画中の3、4つの名言もすべてそこに書かれている。そう、ストーリー自体は1ページに収まるほどコンパクトなのです。
でもそれを100分間使って描くことで素晴らしい物語、言葉にしている。良作!
あ、虫のどアップがあるので苦手な人はちょい注意です。
のんびりほんわか
最初モリが誰の事かわからずほぇ〜と観てたけど、途中あの猫の絵のヒトだ!って分かったらその世界観に納得して楽しめた。
山崎努と樹木希林がぴったりで言うことなし。
南極料理人、滝を見にいくが大好きなだけに物足りなさ感もあるけどこれはこれで好き。
生きるのが好きだ。
生きるのは大変だと感じながら囲碁に付き合い、学校の時間を教えてくれる妻がいるから、
モリは“生きるのが好き”になったんじゃないかな。
いい夫婦じゃないか。
加瀬亮は茶色が似合うということが判明した。
これは発見です。
美しい映像が素晴らしい世界
役者を見れば素晴らしいに違いないと見に行った。予想を裏切らないモリ役の山崎努と妻、樹木希林。
小さな庭の虫や石を何時間も見つめて動かないモリの世界、それを素晴らしいカメラワークが表現していて見入ってしまいます。さりげなく寄り添って微妙なツッコミを入れる樹木希林の会話も楽しい。そして、姪っ子の役の池谷のぶえの演技は2人を凌ぐほどの面白さがあった。
残念なのはラストシーン。
これで何を伝えたかったのか少し考えてしまった。
モリの小宇宙が放つマイナスイオンに癒される
癒されたなぁ
とてもキレイなマイナスイオンを浴びながら浄化された気分になる映画だった
実在した画家の熊谷守一と奥様が、豊島区にある自宅で暮らす日々を描く
モリの日常はとてもシンプル
午前中はちょっとした森のような庭で虫や花や動物を観察して過ごし
午後は寝てしまい
夜になると「学校」と呼ばれるアトリエにこもって過ごす
それは晩年を家の敷地から出たことがないと言われたモリの生活を描いたもので、
そこには、魚も鳥も虫も猫もいるし、花も咲いている
そんな庭はモリにとって宇宙であり、世界の全てである
正直なことを言えば
恥ずかしながら、私は、この熊谷守一のことを知らず
どんな画風の方なのかも分からなかったのだけど
この映画を観て、この方の絵がとても観たくなった
きっと、とても優しい絵を描く人なんだろうなぁと思わせる優しさが伝わってくる作品だったからだ
携帯電話もパソコンもポケベルすらもなかった昭和のころ
そこには、モリとモリの宇宙があって、人々はもっとゆったりとした時間の中で生活していた
モリは人嫌いの仙人だけど、それでも人の往来が絶えなかったのは
電話しかコミュニケーション手段がなかったからだろう
隣の家にアパートが建ち、モリの宇宙に変化が出始めた頃
モリは宇宙に帰っていったんだろうと思う
庭に日が当たらない新しい世界は、きっとモリには暮らしづらいから
宇宙に引っ越したんだろうと思った
日頃から、かなり電磁波に毒されている私は
身の回りの宇宙に気を配ることを忘れていることに反省しつつ
マイナスイオンあふれるモリと奥様の生活にかなり心が浄化されて帰ってきた
のんびりとした時間の中、マイナスイオンに癒されたい人にオススメの作品
ノンビリ
とてもノンビリした時間。
役者陣は最高なので、個々のシーンの楽しさや展開に期待すると、損した気になるでしょう。
忙しい映画が多い中、アリの行列を眺める気持ちで観ると、ホッとした感じが楽しめます。砂浜で寝転んで、寄せては返す波を見ている感覚で観るのが正解ではなかろうか。
ただ、観終わったあとに「熊谷守一」を調べてみると、なかなか深い伝記物であったことに気づかされる。子供を亡くしていることや、脳卒中で倒れたことなど、画面には無い事実を知ると、のほほんとした雰囲気の背景にある深さを感じて、また違った見方ができるのではなかろうか。
少々、やり過ぎ・・☆
画家の名前も知らずに、役者陣に惹かれただけで
見にいきました。
庭の映像が美しく、虫も克明に映っていて お花好きや
虫好きには とても楽しい映画です。
お話自体は、まぁファンタジーですね。
でも、途中のドリフのギャクとか宇宙人とか・・
やり過ぎ感を感じました。
そんな小細工などしなくても、役者陣だけで十分な
楽しみ方ができるのに残念な作品です。
☆☆☆★★ 《仙人》の様な生活を送っている有名画家(山崎務)と、そ...
☆☆☆★★
《仙人》の様な生活を送っている有名画家(山崎務)と、その妻(樹木希林)を中心とした人間模様。
仲が良いのか?悪いのか? 樹木希林の嫌味たっぷりな演技は芸術品。
こうゆう役をやらせたら、最早右に出る人は居ない。
原作は未読なので、よくは分からないが。作品全体が、どことなく【サザエさん】に於ける4コマエピソードを並べ、繋ぎ合わせた様な印象を受ける。
登場人物の1人である吉村界人の「また明日も来ていいですか?」とゆう台詞が有るので。一応は或る2日間に跨る話なのかなあ〜、とは思うのですが…。
ただ、池のエピソードに於ける結末や。表札と郵便配達人。加瀬・吉村コンビ等。様々な人達が入れ替わり立ち代り入って来るエピソードを観ていると。僅か2日間に亘るエピソードには、ちょっと見えないところもあります。
とは言え、池に住んでいた或る生き物との会話は…等を見るにつれ。つまりこれは、1つのお伽話として鑑賞する必要性を感じます。
どことなく漫才やコントに於いて、笑いと笑いの間に生まれる一瞬の【間】
それを意識しているかの様な演出は、この監督の持ち味でも有り。嵌る人には嵌り、嵌らない人にはとことん嵌らない気もする作品だったかな?…とは思いました。
2018年5月20日 イオンシネマシアタス調布/スクリーン2
また観たいです
マルサの女から早31年、大画面で杖をつかせたら山崎努さんの右に出る者はおりませんね、演技全てに敬服致しました❗
樹木希林さんは安心の予定調和、やっぱりな、それが素晴らしい。
そして音楽がいい、牛尾憲輔さんってアグラフの人ですよね。単調で不協和音っぽいコード進行がほんのちょっとセロニアスモンク。サントラの「今日は池まで」とか「外出」がマイフェイバリット。
最後にカメラ、昆虫や爬虫類や鳥の映像をまるでナショナルジオグラフィックみたいに撮るっていったいどれ程の忍耐力なのか、謎。
とは言うものの観客のほとんどがじじばばだったのが心残り、もっと広い年代の人に是非。
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