「チャーリーのことを応援したくなる映画。」荒野にて ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)
チャーリーのことを応援したくなる映画。
前作の『さざなみ』の監督のことだけある。
人間の心の中を描くのが非常にうまいですね。
前作は熟年夫婦のすれ違いを描いた作品でしたが、今回は15歳の少年の人生を描いた作品。
このチャーリー君の演技が天才的!
なんともいえない切ない雰囲気が、母性本能をくすぐるというか…。
見ているだけで、彼を応援したくなるから不思議です。
愛人の夫のに父親を殺され、天涯孤独になってしまった少年は、突然消息を絶ってしまった叔母を訪ねて荒野を旅することに…。
母をたずねて三千里のような、転々とした旅の連続に、終わりはあるのかと不安になります。
唯一の救いは、旅のお供の愛馬ピート。
競走馬として働けなくなって、殺処分されそうになった愛馬を連れて、叔母に会いに広い荒野をひたすら歩きます。
それにしても、不幸な少年。
次から次に巻き起こる難題に、なんでこんなに不幸なんだと思ってしまいます。
素直な人ほど悪魔につけ込まれてしまうのでしょうか?
少年の純朴さにつけ込んで、神様が意地悪しているとしか思えない。
少年を愛おしむあまり、最後は絶対救われて欲しいと願わずに入られませんでした。
だからこそ、ラストに待っていた展開には感動しまくり!
チァーリーの愛らしい姿と、その優しい性格に涙が出そうになりました。
だだっ広い荒野で1人取り残される孤独を体験したからこそ、叔母の愛情により一層安らぎを感じられたことでしょう。
最愛の父最愛の友を一瞬にして亡くした少年は、この荒野での経験を通して、一歩大人になったではないでしょうか?
最後に…
主人公のチャーリーという役名が、実際の彼の本名と同じだったことにびっくり!
あの素晴らしい演技は、本名だったからこそ、成し得られたのかもしれません。