スリー・ビルボードのレビュー・感想・評価
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全然先が読めない
犯罪被害者の遺族が犯人逮捕の為に、警察を焚き付ける為に設置した広告看板を巡る話。
予告編だと「痛快バイオレンスアクション」だと想像していたが、全く違っていた。
全く先が読めない展開でずっと夢中で観てしまった。面白かったです。
サム・ロックウェルが差別思想のある警官だが、彼が最後に何を選ぶのか見守って欲しいです。
フランシスマクドーマンド、俳優さん上手し。
英語、理解できないけどうまいねー、って思った。様々な感情を微妙な表情で使い分けてるのがすごい。
ベースは南部の話なんだなー、と。差別や偏見は簡単には理解できないけど色々あってのラストの優しい感じも見終わって心地よい。
いい感じだったなー。
ビルボードだから音楽かなと思ったら大間違い
普通のサスペンスかなと思いきやドロドロした人間模様が最高 アメリカ南部は日本以上に村社会なのか?人種差別は当たり前に出てくるが皆んな最後は改心して良かった アメリカママはタフだな やられたらやり返す ある意味清々しい ただし最後はうーんて感じ 面白かった
感情を荒々しく揺さぶられる作品
言葉には収まりきらないほどの感情の暴力でまさにポスターの売り文句どおり魂が揺さぶられる作品でした。
序盤のカントリー音楽でちょっと退屈しちゃうのかなと思いきや、広告店での場面でミルドレッドの皮肉めいた話口によって惹きこまれていき、説明口調にならずに現状をわからせる見せ方でした。
今回の主軸となる警察に問いかける広告は、普段刑事ドラマを見ている自分としてはドラマ内の被害者の警察への反感にムッとしちゃうのですが(主人公の刑事たちに入れ込んでしまうため)、でも実際は被害者は頼るものは警察しかいなく自分の力では犯人の手がかりさえ掴めないもどかしさ、なのに頼るしかない警察は何もしてくれない憤りなどがあり、それを丁寧に荒々しく描かれて2Dなのに圧倒されてしまいました。
しかし主人公の気持ちを汲み取りつつも警察側の描写の丁寧さも忘れず、署長の一生懸命さは周りから尊敬されることが納得いき、責められつつも証拠もなく何も出来ずにいるところは見てて辛いものでした。そしてそんな両者の感情の渦に飲み込まれるようでした。
署長が自殺してしまった時は「え、なんで、、、署長がいたからまだストッパーとしてディクソンに注意で
きたのに、いなくなったら悪化するよ…」と思っていたのですが、彼の死によって広告維持、ディクソンの改心、署内の改善繋がり個人的にはとてもショックだったのですが、これが大きな転換となり終焉に向かって行くために必要だったのかなと思います。
終盤は犯人ではないけどレイプ犯を殺しに行く道中で終わりますが、若しかしたら半端な終りで好きじゃない人もいるかもしれない。でも私は良い終わり方だと思うし、特に最後にかかる穏やかなカントリー音楽、あれが場面に色を添えてて好きでした。たまにアクションやミステリー系にあるハッピーエンドとは言えない終わり方に向かってるのに、妙に明るい音楽や優しい音色がBGMになるラストシーンが好きで、これから殺しに行くというに似合わない穏やかな音楽が、まさに感情のぶつかり合いをしていた両者が今の場面では憑き物が取れたように落ち着いてる。殺人をして捕まるかもしれない、家族に迷惑がかかるかもしれない、そんな不安を感じさせない、そして二人の行方を考えさせる終わり方でした。
3枚の広告看板にすべての感情を託した女性の映画は、ただ「スリー・ビルボード」と邦題も変えず正解だと思います。それ自身が人々の思いも街の状況もすべて含んでいて物語っている。
とてもいい作品でした。
孤独な戦い!
アカデミー賞作品賞の候補ということで、観た。監督は広告の看板を見て、この話を思いついたというけれど、あらすじを読んだ時には、どう展開していくのか予想がつかなかった。ミルドレッドは強い。息子からも理解を得られない中、それでも屈せず、毅然と生きていく。まぁ、それくらいの覚悟がなければ、あんな看板は出せないよな。彼女は犯人を捕まえてほしいだけなのに、思いもよらない事件が起きていく。有名な劇作家だという監督はこの話にどう決着をつけてくれるのか、最後までドキドキしながら観た。怒りと愛を描いているというけれど、私は怒りが優っていたと思う。愛がゼロだとは言わないけどね。エンディングは、えっここで終わりなの?というところで終わってしまった。後は、観客の想像に任せるということか。私は2人を信じている。あれだけいろいろ乗り越えた2人だもの。きっとより良い結論を出してくれると思う。
2017-11
観て思ったこと。
わたしはこの映画を語るにはまだ人生経験が足りないかな。
そして1回観ただけでは吸収しきれない。
ストーリーが進んでも、どういう方向性、展開なのかわからないまま終わる不思議な映画。
お母さんやりすぎちゃう?とは思いつつ。
てっきり警察が動いてくれてない事件なのかと思ったら、そうではなくて、捜査はしているし、手がかりがないってこともあるよね。
そうするともう怒りややるせなさをどこに向けても解消できないし。
ひそかにチャリエンの頃から気になってたサム・ロックウェルが、主役を食ういい演技でした。
警察署で「愛、愛……」と呟きながら書類に手に取り、脱出するところ、あれは名場面。
ウッディとサムがアカデミー賞助演男優賞でノミネートされてるけど、どっちにもオスカーを。
あと、今ダメなやつ演じさせたらピカイチなケイレブ君、今回そんなダメじゃないし、この作品でいい空気感出してる!
ラスト、あれからどうなったのか気になる。
土地柄か、この映画のターゲティングからか、周りが年配の方や意識高い系の方が多く、アホギャルはわたししかいなくて、一緒に見た人に意見を聞きたい気持ちになりました。
が、外はジオストームになりそうな気配なので今日は帰ります。
サムロックウェル凄い!
全編通してアメリカならではの暴力肯定を、否めない感はあるものの、上出来な作品。サム ロックウェル最高の演技!それぞれの役者が、引き締まった演技を披露している。フランシス マクドーマンドが、共演者達に与えた影響から引き出された演技なのかなぁと、思えた。ウッディ ハレルソン演ずる署長の手紙を読んで、ディクソンが変化する様、ミルドレッドに犯人を見つけたと話す場面は、泣けた。涙あり、笑いあり、緊張感が度々音楽に救われる場面もありで、上質な作品に仕上がっていた。
誰からも慕われていた警察署長の人柄が偲ばれる。
事件が起きる直前にあった家族のやりとりが、あの看板を出したお母さんの気持ちの中に何処か複雑な感情が見え隠れしており、あのエンディングでの微妙な会話になっていると想像させられるのだが、それが却って面白い。
みんな不器用なものだから
観てる方は、広告が犯人探しにどう影響するのか、みたいな展開を予想していただけに、見事に裏切られた脚本だった。
娘を殺されて、被害者であるミルドレッドが3枚の広告をデカデカと置くのだが、怒りのあまり過激な行動に出ることで快く思わない人も少なくない。そんな状況が彼女を正当性みたいなものを揺らがす。また、彼女の敵である署長にも、警察であると同時に強烈なほど差別主義で暴力に訴えるディクソンにも時折見せる人間的な弱さがある。町にいる誰がどう思ってるのかさえわからない中で、だんだんと明らかになる彼らの人間らしさが作品の質を際立たせていた。
ストーリーが良かった上に、俳優陣が手放しでの賞賛に値したと思う。フランシス・マクドーマンドはもちろんウディ・ハレルソンとサム・ロックウェルの演技が素晴らしかった。
現代のアメリカの負の部分を見せながら、作品として完成していた完璧に近い一本。
型に嵌まらない感じ。
こうなって行くだろうなぁ、とか。
こうなったらいいなぁ、とか。
映画を観てれば観てるほど、
鑑賞中に、この物語を、
終始、型に嵌めたがるかもしれません。
腑の落ちどころを探すのです。
私がそう。
しかし、私の期待するそれが、
訪れることなく、
映画は見事に終わる。
多分、2度3度と見返す度に、
評価は上がるかもしれません。
初見時は、私のあれれ?を含め、
3.5。
抑えの効いた、良い映画。
またいつか、改めて観よう。
今日の敵は明日の友。
話はラストにどんどん近づいて行くのだけど、物語がどう展開して行くのか全く分からなかった。
ただ、怒りの感情に身を任せて直感的に行動する人達を笑うコメディのようでもあり、引いて見ると、今の世の中を風刺してるようであった。
怒りに任せてビルボードに広告を打ち、嫌いな警官も実は影では結果は伴ってないけど行動はしていたり、メキシコ人が助けてくれたり、黒人が味方でいたりというのは、
アメリカが今こういう状態なのかもしれないが、
身近で言うとSNSの誰かがヘマしたら、その一面だけ見て、それ!叩いてやれ!と行動する人が被って見えた。
僕的には、サム・ロックウェルが主人公のようにも思え、酔っ払って、すぐカッとなって自分の正義だけで暴力を振るう男が、尊敬する上司の死に直面し変わろうとする様に感情移入出来た。
ラストもやはり怒りと悲しみに任せた、何とも言えない、だけどこれはこれてま有りなのかなと考えさせられた。
物足りなかった!!
看板の設置で少しずつ味方を増やすさまをゆっくりと描いているので、物語の結末じたいは分からず物足りませんでした。殆どの登場人物の口が悪く、会話内容等も署長の遺書以外は印象に残りませんでした。元夫の若い恋人設定はいちいち不快で、必要だったのでしょうか。警察署に火炎瓶を憎しみを込めてドカンドカン投げ込むシーンを、映画館で観る事ができたのは良かったですが、悪を糾弾したいのに主人公は何でもアリのお咎め無しで、いくら人々を揺り動かしてもポスターにある「魂が震える」どころか共感できませんでした。二人の署長が容疑者を隠蔽したのがわかりづらく、バーの男が隠蔽されるに相応の人物だとは思えませんでした。少しサイレントヒルっぽい雰囲気は好きです。
人間の内面、外面、表と裏
試写会にて。ゴールデングローブ賞作品賞を受賞しており、アカデミー賞では6部門7ノミネートを果たした、作品賞最有力の作品賞。ということですが、やはり作品賞は人種差別だったり同性愛に関するものだったりといった作品が多いよな…などと考えながら見に行きました。
まず、映画そのものの破壊力がすごい!といってもその破壊力が謎感なんです。これほどまでに先が読めない展開の映画ははじめてかもしれない。あらすじを見て、あぁーこういう話なんだろうな。と思っていたら開始10分で覆る。そこからも驚きを超えてただただ目の前でとてつもない方向に転がっていく。
だがそれよりもすごいのが登場人物の印象。置かれた状況だけで人柄を判断してはいけないな、というのが過激すぎるほどに描かれている。
つまりなにが言いたいかというと、見る前と見た後では人物の印象が全く異なり、脳内がごっちゃになってはじめての感覚だなあということ。
転じて、善悪の境界線は我々が思っている以上にずっと曖昧で、まずそれ以前にいいやつ悪いやつという区別はできないのではないか。この辺はたしかに深かった。
また、人種差別を皮肉るようないわゆるブラックユーモアが差し込まれていくのでアカデミー賞をとりそうだなという印象。
3枚の看板と3人の登場人物。それぞれの裏側になにがあるのか、体験したことのないハラハラがある。
最後に一言、ウディハレルソンありがとう!サムロックウェルありがとう!この二人の存在感というか余韻というか、半端ないです。
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