スリー・ビルボードのレビュー・感想・評価
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表裏なんてものはない。人間の複雑さと愛情に満ちた映画。人間として生...
表裏なんてものはない。人間の複雑さと愛情に満ちた映画。人間として生きて行くことの辛さとそれでも生きていく人間の滑稽さを描く映画。
「鹿」の突然の出現が意味するものって何?
愛する娘を凌辱された母親のミルドレッドの異常な怒りと復讐。
フランシス演じるミルドレッドは、愛娘をレイプして殺した人間をどうしたかったのか。
犯人をどうしたかったのかが描かれておらずに、エンドロール。猟銃で殺せば、納得するの?愛娘はかえってくるの?
自分のショップに来たのは犯人ではないのか?なぜ股間を蹴らなかったのか。
彼女は、めったに誰も通らない3枚の看板に警官の日常の「業務怠慢」を掲げ、片田舎に住む市民達を騒がせたいだけ。看板をそこに3枚も要りません。オムツで結構。
もう少し、「娘の死」の捜査が警察に絡んで来れば、よかった。署長さん「がん」で自殺して、遺書にも似た手紙でお涙頂戴のような展開はどうだろうか。市民から慕われていた「署長の自死」により、作品の流れが事件への関心が大きく変わった気もする。
看板のそばにお花を供えたり、突然鹿が現れるのも判らん。どこが釈然としない。が、音楽は、印象的で耳に残った。
ミルドレッドという女性は、やることなすことはスッキリしたけど。
ステレオタイプと
たった3枚の広告が偽善やって生活していた私たちの生活を変えていく。
そんなストーリーを事前に聞いていても、予想できない緊張感のある展開。
暴力的で救いがないように見えるけれど
ステレオタイプにあてはめられた人物たちが、そうではない愛や優しさを見せて進んでいく物語は、実は希望に満ちたものなのかも。
そんな優しいシーンがいくつもあって忘れられない。
例えばオレンジジュース。
例えばワイン。
例えば調査書。
アカデミー賞とるだろうな。いやとってほしい!
怒りの矛先
ただの復讐劇ではない。
むすめを殺された母の怒りは犯人にも守りきれなかった自分にもむいている。
町の警察署長が残した手紙は物語の核になって、皆の怒りや悲しみを沈めているように思える。
最後に穏やかな顔で復讐に向かう母。でもそこには次に進む希望の余韻があった。
この母の強さと信念が凄まじかった。
魂は…震えなかった…な〜〜。 母もおバカな警官も行動が激し過ぎて見...
魂は…震えなかった…な〜〜。
母もおバカな警官も行動が激し過ぎて見ていて共感というよりハラハラした。
署長と広告社のレッドがいい子♡
なかなか良かったです。
鑑賞してから少し時間が開いてからの感想なので、あまりおぼつかないのですが、比較的楽しめた作品だったと思います。
キャストさん達の役作りや芝居はどれも素晴らしかったですし、痛々しさの中にアンバランスなシュールさをうまく溶け込ませて、よりそのシーンにインパクトを持たせる手法も上手くはまっていたように感じます。
焼死体の写真や歯医者さんのシーン等、見た目にも痛々しいシーンは個人的に
苦手なので、観た人によっては軽いトラウマになってしまわないか懸念もあります。 (外画にはよくあるレベル)
ラストは裏切られましたが、まぁ映画の落とし所としては正解かもしれません。安直に事件解決、「報われましたね」でも良かったとは思いますが、よりリアルを追求した構成だったのでしょうか。観る方によっては不完全燃焼だと感じられるかもしれません。かくいう私もその一人です。
怒りと悲しみ
怒りと悲しみは親戚みたいな感情ですね。
彼女が怒れば、悲しみが見える。自分にも怒っている。ただし、どんなに怒っても何も変わらない。
スリービルボードは怒りで赤い。
人間の感情には良い悪いはないけれど、行動にはある。正当な怒りに駆られた行動でも、間違った行動がある。
怒りに満ちた間違った行動の生み出すものは怒りや悲しみ。
思いやりに満ちた間違った行動もあるかもしれない。
多面性という言葉の意味を強く考えさせられる
多面性という言葉の意味を強く考えさせられるし、アイルランド系イギリス人によって描かれるアメリカという、今作そのものがすでに多角的な視点によって成されていて深みを作り出している。
看板の枚数と主要キャストの相関は語られているところだが、個人的には火の使われ方も気になっていて、大火などは映画ではよく扱われる素材なのは言うまでも無いだろう。作中では二度そうしたシーンがあるが、二度目の方は違和感があった。観ていながら二回続けた作りをユニークだと感じていたところ、鑑賞後にそういえば火のシーンはもう一回あったなと思い至る。つまり三度の火が発生していることになる。それは作中では映し出されない火であるが、その火がこの物語の発端になっていることに気がついて、なるほどよく出来た本だなと感心させられる。
一度目の火によってミルドレッドは変わり、その彼女によって作られた看板はウィロビーの死に呼応して燃やされる。その報復としてミルドレッドは警察署を燃やし、ウィロビーによって綴られた三通目の手紙を読んでいたディクソンがその火によって大やけどを負うけれど、レッドの優しさにも触れた彼は成長する。レッドが読んでいた『善人はなかなかいない』においても3という数が通底するということだ。
ウィロビーがミルドレッドに宛てた手紙には「看板のことと自分の死は関係無い」とありながらも当然他人はそう思わないだろうから「殺されるなよ」と忠告しているところなどはタチが悪いとしか言いようが無いが面白い。そして本当にどうしようもないキャラクターばかりだが、ジェームズとミルドレッドが食事をするシーンでは救われる気がした。ジェームズとペネロープの言葉がなければミルドレッドは元夫の脳天をかち割っていただろう。ピーター・ディンクレイジいいよね。とはいえ今作ではミルドレッドが突き進んでいく様が最高で笑えるのだが。
ちなみにディクソンは自分が看板を燃やしたと誤解されてるとは1ミリも思っていない。母親から聞かされたときの反応からもわかる。だからミルドレッドが最後に警察署を燃やしたことを告白しても自分との因果は考えてないだろう。それであの反応。だからもしそこが彼の中でつながった場合、嫌な予感がしないでもない。
果たして何処に着地するのだろうか??
Excellent....──っっ!!!!
期待を一回りも二回りも越えられたっっ!!
然程劇的な展開を設ける訳でも無く、かと言って一瞬たりとも“目を離す”なんて発想なんか頭を過らない。
起 こ っ て し ま っ た 一 つ の 悲 劇 。
ただただ各々がその事件に対する受け止め方と反応に踊らされ、自らの視野が自らの信念と怠慢に拠り狭められて行く。
やがて気が付けばジリジリと加速し最早歯止めの利かなくなる狂気…。
物語の展開に拍車を掛けるかの如く、登場人物に弱者は一人も居ない。そして「是でもか!」と云わんばかりに (笑/苦笑) 絶妙なタイミングに出合い当然の如く噛み付き合う。
大なり小なり罪を犯した事のある人なら (そんな人が極々少数なら良いのだが…!) 共感したり想像出来たり思わず笑みを浮かべてしまう場面の連続っっ!! (笑)
配役も極上っっ!!
主演 Frances McDormand やはり嗚呼恐るべしっっ♪♪
共感できず、スッキリしない映画でした。
娘を殺された母親が、犯人を逮捕できない警察に抗議のため巨大広告看板を設置して、警察や住民たちとの争いが始まるが、 母親にも警察にも所々共感できず、ラストも何だかスッキリしない、後あじもよくない映画でした。
いろんな意味でいい映画でした
悪意が溢れた町で、怒れる女性の取った手段が上手い
怒りと恨みと悪意の風潮を、溶かしていく感じが良かった
犯人探してめでたしめでたしじゃない
ミルドレッドがクリントイーストウッドに見えた
くそ
時間の無駄
時間の無駄
時間のムダムダムダムダムダっ!!
男の心の変わり具合が
超超超超超超超不自然。
人間そんなに変わらない。
監督さん、人生わかってない。
ここは話の軸だから
丁寧に、つくらないと!
それ以外はチャンとしてる。
おしい。
人生初の映画館退室
1時間半くらいで、時間の無駄なので、出ました。
演出も脚本も音楽も配役も、思春期の男子レベル。私の映画鑑賞趣味において、ただの邪魔物でしかない。
ちょっと映画好きの人が陥りがちな、B級感をへらへらありがたがるような半端な下劣さにはもう飽きた。
圧巻の人物描写
流石の本家アカデミー賞ノミネート作品だった。
娘を殺された母親が3つの巨大な看板を出すことで静かな田舎町で巻き起こる人々の様々なドラマ。その複雑な人間関係の人物描写がほんとに素晴らしいですね。
主人公の母親と息子、警察署の人々、別れた旦那、その他の人々が静かな物語のうねりに密やかに飲み込まれていく様、その見事さは圧巻だった。
フランシスマクドーマンドの感情を昂ぶらせない芝居でビンビンと伝わってくるその芝居の素晴らしさ。
ファーゴ以来久しぶりに観た気がするのだけど、名女優さんなのに映画あんまり出てないのかな?それとも日本に彼女の作品がこないだけ?
掲げられたビルボードとは
マーティン・マクドナー監督作品は今回初。
アカデミー賞ノミネーション速報で、この作品が複数の部門でノミネートしているのを見て「これは早めに観ておかなくては!!」と思い、公開も2月前半なので早速観てきた。
観終わった後、充実した二時間を過ごせたと感じたし、今年のアカデミー賞にノミネートされるのも納得の秀逸な作品だと思った。
予告編を観た時点では、自分の娘がレイプされ殺されると言う残忍な手口の犯罪なので、もっと湿っぽい感じの作品を想像してたんだけれど、主人公のミルドレッドが哀しみよりも犯人への怒り、犯人を捕まえられない警察への怒り(その源は娘を徒歩で行かせてしまった自分の贖罪なんだろうけど)が強く、ミルドレッドが悲しむシーンはあるものの、彼女のタフさが逆に辛さを感じさせて、泣いてる割合はこっちの方が多かった気がする。
ミルドレッドが家にやって来た神父に対して、過去にギャングを縮小させた法律を例に出して、"教会もギャングと対して変わらないのだから、知らぬ存ぜぬでも責任を取らねばならない"と言ったのは『スポットライト』で取り扱われた事件にも関連するのかな?
そのシーンを見た時に未だあの作品を観賞してないことを後悔した。
その時ミルドレッドは教会を例に出したけど、去年のハリウッドの騒動を見ているとハリウッドの事のようにも見える気がする。
中盤のディクソンがエビング広告社に乗り込んでいくワンカットシーンは、技術的に凄い、素晴らしいのは当然として、あの事が起こってしまった後の"ディクソンのやり場のない怒り"を共に体験する、緊張感溢れるシーンだったと思う。
ディクソンは中盤のあるシーンまで耳にイヤホンを着けているけど、それは"人の話に耳を貸さない"って暗喩になっていて、あのシーンをきっかけにイヤホンを外し、変わり始めていく(人の声に耳を貸す)ってのも良い演出だったし、その後のレッドウェルビーとのシーンも"坊主憎けりゃ袈裟まで憎い"ならぬ"坊主憎くも親切を返す"シーンになっていて、昨今SNSの炎上案件を見ていると前者しかいない様な考えにとらわれる中、ウェルビーの行動には思わずウルッと来る、素晴らしいシーンだった。
その全ての演出が上手くいってるのはメインの三人を始め、脇を固める役者陣もノンフィクションかと思うほどの実在性を感じさせてくれる素晴らしい演技もあってこそだし、この作品を観終えると、出て来るキャラクターが人間臭くて好きになってくる最近の作品では珍しい印象の作品だった。
また筋書きだけ聞くとそこまで響かなさそうなストーリーにリアリティや説得力を持たせた脚本や、それをバランス良く配置した監督の手腕も見事だったと思う。
パンフレットの町山さんの評を見て"炎が怒り"であることや、ディクソンが同性愛者だった事に気づいたんだけど、それ以外に通りのビルボードに貼られたメッセージは、今現在観るとSNSの書き込みがバズり、(展開的にも)炎上していく様子にも見えてくる。
感想の中には"看板の表の面と裏の面がある"ってものを見かけるけど、個人的には裏まで見ようとはせず、表面を流し見して叩く、炎上させるって言う現在のSNS社会の我々を批判しているようにも見えてくる。
最後のシーンが途中で終わっているのは、ここまで観てきた観客にはあの二人の往く道を全て映さなくても信用して送り出せるだろう、って意図があると思うんだけど、個人的には今までの話が昨今のアメリカやハリウッドの状態のメタファーで、あのシーンが"現時点の状況"、"ここからどうするかは私たち次第"って言うメタファーにも見えた。
重く、深く、じわじわと心に染み渡る名作
CG全盛で現実とはかけ離れた境遇の主人公が冒険し空想の快感を与えるオナニー映画が作られ続ける一方で、どこにでもあるリアルを用いたほろ苦く哲学的でニヒルで静かな名作が毎年1つぐらいは生まれる。
昨年はこの映画かな。
一昨年は「マンチェスター・バイ・ザ・シー」。その前は「フレンチアルプスで起きたこと」
こういう映画こそ、本当に怖く、救いのない境遇を私たちに示し、その中での本当の救いとは何なのか?を教えてくれるものだ。
本作。地味そうだったので、退屈しないかどうか心配したが、めちゃめちゃハマった。
能力や見た目に関係なく、世の中を上手く生きる事ができない人はいる。そんな生きる事が苦痛でしかない人に向けた静かな癒しの映画。
登場人物達のどん底っぷりが、日常的にどこにでもありそうなリアルな(差別を受けているわけでもなく、マイノリティでもなく、障害者でもなく、人に言えない特殊能力があるわけでもなく、凄い貧困なわけでもなく、凄い過ちを過去に起こしたわけでもなく、ごく普通の人間の行き場のない)感じで、見入ってしまった。
この映画の中で、最終的に本当に心を通わせてるのは、あの3人だけなんだよね。
特に、ガンを患っていたあの署長とその奥さんの間の、全然心が通じてない感じが凄く嫌だった。怖いっすねマジで。
でもまぁ人生ってそんなもんなのかもしれない。
主人公はそんな鬱屈した境遇を遂に抜け出すことを決意する。ラストは清々しい。
こういう映画の良さがわからない人は、将来本当に救いようのない困難に直面したと思った時に、この映画を観て欲しい。きっとこの映画は、あなたに癒しと勇気を与えてくれるはずだ。
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