シェイプ・オブ・ウォーターのレビュー・感想・評価
全668件中、401~420件目を表示
人魚姫ならぬ半魚王 275-9
あんまり多く言葉で語るのは不粋だと思う。美しく、複雑で、繊細なものを観た。
猫好きは気をつけなさいということで。
R15になったので心配でしたが、本筋に全く関わらないモザイクだけなのでなんの問題もありませんでした。
緑色がたくさん出てきましたが、緑色は満たされないことの象徴で、水は時や愛など形のないものの象徴かと感じた。時は流れるもので愛は形を変えるもの。形など関係ないのです。どのように受け入れるかどうか。
(映像 5 脚本 5 演出 5 音楽 4 配役 4)×4=92
品の良いB級映画
ギレルモ監督の怪獣への愛 !
見終わってどんなレビューがあるかなと思ってみたら「アカデミー賞とのギャップ」問題が多々…というかほぼでびっくりしました。
個人的には作曲家の方が好きで、興味があって観たけれど、音楽と映画の雰囲気がぴったり噛み合ってものすごく素敵でした。
ギレルモ監督の「どうして美女と野獣は人間になっちゃうの!!」という疑問と、小さい頃からの怪獣大好きっ子だったそのエピソードがぎゅっとこの映画に詰めたのかなぁと思ったり。
ダグ・ジョーンズの演技がとにかく凄かったです。CG技術もすごく発達している中での「彼」の役を人が演じたというのはある意味監督が小さい頃から大好きなウルトラマンなどの、特撮映画への愛なのかなと思いました。
野獣は人間にならなくていいじゃない!っていう概念から、プリンセス側を自分の世界に引き連れて行く野獣がたしかに今までにない展開ですごく好きです!
自分的には音楽も色彩も雰囲気も一体となっていて、水の中で光のスジを見ているような、ただよっているような心地よい印象の映画でした。
受け容れる愛
屈折した攻撃性、中途半端な変態性、出来の良い準カルト映画
ラストが良かった。ラストのお陰でそれまでの気持ち悪さが少しは消えてくれた。
音楽が良い。というか音楽がよくなかったら酷いことになってる。
映画としてはよく出来てる。できの良い作品であることは確か。映画の教科書として使える。
けど、出来が良いから、感動したりリピートしたいわけではない。リピートしたくないのは、気持ち悪いからだ。
この気持ち悪さは、モチーフのせいや図柄のせいばかりではなく、中途半端さや、攻撃性の存在(寛容性の不在)から来るものだ。
表面的にはリベラルで優しさがあるように見えるが、画面からセリフから屈折した攻撃性がにじみ出ている。素直さがないともいえる。ストリックランドの描き方なんかはまさにそうで、まるで子供向けアニメの悪者みたいな単純な役付け。子供向けにするならそれを徹底すればいいのに、自慰やセックスやガールズトークを散りばめるから、中途半端な大人向けになってる。
セックス描写にしたって中途半端で、ストリックランドの汚いセックスシーンを描くなら、魚人とイライザのセックスシーン(初夜)も堂々とみせるべきだった。「昨晩やったよ!ゲットしたよ!」「まじ!すごいじゃん」的な事後報告のガールズトークがあるだけ。ここをちゃんと描けば水中セックスなんだろうから、それはかなり新しいはずで、エポックメイキングな映画になったはずですよ。そこまでやればお見事であって、「21世紀の変態進化版ルキーノ・ヴィスコンティ」としてリスペクトできます。
そういうところから微妙に逃げているよね。良くいえば「意図のある表現」だけど、悪くいえば「姑息」。変態芸術家になりきれない中途半端さ。
同じ気持ち悪い系でもザフライのような優しさも感じられない。
観るつもりはなかったのに、話題についていくためだけに観た自分が愚かだった。「この作品はきっと屈折していて気持ち悪い」という直感は当たってた。
映画として出来がよくなかったらカルト映画の認定をしてるところだ。3点もつけてしまったのはカルト映画としては抜群に出来が良いから。カルト映画のクリエイター向けに「カルト映画で売れて賞もとれる方法」として教科書にするとよいかも。
アカデミー賞も変わった?
1962年、冷戦下のアメリカ。政府の極秘研究所で清掃員として働く女性イライザは、研究所内に密かに運び込まれた不思議な生き物を目撃する。イライザはアマゾンで神のように崇拝されていたという“彼”にすっかり心を奪われ、こっそり会いに行くように。幼少期のトラウマで声が出せないイライザだったが、“彼”とのコミュニケーションに言葉は不要で、2人は少しずつ心を通わせていく。そんな矢先、イライザは“彼”が実験の犠牲になることを知る。彼には不思議な能力があり、神と崇められていた。紆余曲折を経て2人は水の中に消えていく。マイケル・シャノンが圧巻の演技を見せているのが印象的な作品。
ファンタジー恋愛映画
作品賞?
周囲の評価に惑わされない様、アカデミー賞の当日にまっさらな状態で観ましたが、よくある「美女と野獣」物で特に何も感じられませんでした。
表情の乏しい半魚人と声の出せない女性の純愛は、互いが惹かれる理由が全く理解出来ません。それでも何か革新的な映像や、展開があるのだろうと淡い期待も裏切られ、満たされない気持ちで家に帰ると、映画は見事「アカデミー最優秀作品賞」受賞!
私も作品賞は芸術作品だけでなく、優れた娯楽作にも与えるべきと常々思っているし、この様なグロいホラー映画が選ばれたとすれば、それはそれで歴史的な事だと思います。しかし、この作品に万人に訴えるパワーや、オリジナリティがあったかは大いに疑問です。
過去に、娯楽サスペンス・ホラーの名作を何本も世に送りながら、アカデミーに全く無縁だったヒッチコック等の多くの映画作家を思うと無念です。
この映画を機に、去年のドタバタ劇、トランプ、セクハラ批判と世相に流され、最近おかしな「アカデミー賞」まで考えさせられてしまいました。
アメリカの話だと理解するのに時間がかかった
白状すると、あまりにもフランス映画っぽい雰囲気なもんで途中まで「便宜上英語にしてるだけで舞台はフランス?いやでもソ連と宇宙開発競争してるしな…」って混乱してた(笑)
その少しもったりとした雰囲気は結構好きで、でもその舞台がNASA的な通常もっと洗練されて描かれるだろう機関で、そういう違和感が個人的に面白い。
ストーリー自体はそんなに捻ってなくて、難しすぎない。
個人的には、差別だのマイノリティだのといったテーマはそんなに主たるものに感じられなかった。
むしろ、そういう社会的な問題とはつなげたくないというか、もう少し純粋な結びつきに焦点を当てて観たかな。
ただなー、肝心の魚人は、ジャイルズとのやり取り見てても知能的に低いようにしか思えなくて、そこに対等な恋が生まれるには無理があるとしか思えず…。
そこの生物的な考察がもう少し欲しかったかもしれない。
2人で観に行ったので、ストリックランドがポジティブ思考の本読んでて笑ったよねとか、最後ジャイルズ別れの挨拶にかこつけてまた増毛しようとしてたねとか、小ネタを語り合えて楽しかったです。
もっと人権問題かと思ったのですが...
アカデミー作品賞とのことで、もっと人権問題にスポットを当てていると思いました。確かに、主人公は話せない障害者の独身女性、友人はアフリカンアメリカンの女性、旦那はろくに働かず貧しい家庭と思われます。もう一人の友人は、年老いたゲイ、上司の白人も仕事のプレッシャーに追われ疲れ歪んだ男でした。そして半魚人という究極のマイノリティ。1962年という差別主義の時代。アフリカンアメリカンのカップルをレストランから追い出すシーンもありました。たくさんの問題が渦巻いていましたが....
そこに焦点は当たらず、終始半魚人と中年女性の恋物語でした。そんなの不気味でしかなかったです。新たな形の美女と野獣だと必死に理解しようとしました。ハンサムな王子に変わらなくても、半魚人は半魚人のまま、美は心にあると... 自分を説得したいだけで、やはり不気味な恋愛でした。
If do nothing, neither we are. とってもデル・トロ
ギレルモ・デル・トロと言えば「パシフィック・リム」や「ヘル・ボーイ」で知られるオタク監督。そんなオタクな監督がついにアカデミー賞取ったかぁと何だか感慨深い物もあって期待してた今作なのですが・・・何というかアカデミー会員との距離を感じました。
アカデミー会員って映画関係者なので、単に映画が趣味の一般人とは違う感覚を持っていると思ってるんですが、今作はそれが如実に表れた印象を受けました。
ま、半魚人と喋る事のできない女性とのラブストーリーを撮ろうなんてギレルモ・デル・トロ監督しか考えないでしょうし、独創性は相変わらずスゴいと思いますけどね。こういった作品がアカデミー賞を取るって事自体が時代の変化を感じ喜ばしいのですが・・・内容は正直普通でした。
個人的には主役より周りのキャラクターが良かったです。マイケル・シャノンはいかにも悪役でハマってました。仕事仲間のオクタヴィア・スペンサー、面倒見が良いオバチャン役が最高に似合いますよねー。御年70歳のリチャード・ジェンキンス、気の良い隣人としていい味出してましたね。ネコ食べられちゃって可哀想!
デル・トロ監督の作品では「パンズ・ラビリンス」の方が印象に残りましたが、今作は今作でデル・トロ・ワールドへの入り口として良いのではないでしょうか?
なぜか心に響かなかった
心優しくなれる作品
大人の童話
全668件中、401~420件目を表示










