シェイプ・オブ・ウォーターのレビュー・感想・評価
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助けること
世界中でdisやヘイトが溢れている昨今、単純に誰かを「助けること」がこんなにも尊いことだったんだ、美しいことだったんだということを思い出しました。その誰かとは、もしかすると私の家の隣に住んでいる人かもしれないし、他国に住んでいる人かもしれません。
暴力と権力の象徴として描かれている軍人がいくら差別を煽りマイノリティを排除しようとしても、私達には誰しも「助けたい」という感情があるはずです。そんな感情を少し忘れてしまっている現代ですが、劇中のイライザ達を観ていると、少しずつ少しずつ思いだせるはず。私は、この助け合いがあるからこそ、今生かされているということを。
それはアマゾン川に住んでいても、東京に住んでいても、障害があっても、ゲイであっても、アフリカ系の女性であっても同じです。マイノリティと呼ばれる彼らを表舞台に出すことにより、デル・トロの祈りが聞こえてくるようでした。
異種間恋愛のリアリティー
『パンズ・ラビリンス』のデル・トロ監督がまたファンタジー色の映画を作ったと言うことで観に行った作品。
見る前から下手に予備知識的なもの入れてきてしまったからか、予備知識を確認する作業に入ってしまい、どことなく感情移入ができない。(下手に色々聞かない方が正解だった💧)
初めから主人公が自慰行為をしていたり、悪役の妻とのセックスシーンを見せつけられたりと、そこそこ性的シーンが多く、単なるファンタジーではないなと序盤で感じた。(そりゃ~年齢制限ついているからそこそこあるわな。)
異種生物に対してかわいいやかわいそうといった感情が出てきて、助けたがるのはわかるけど、異性として魅力的に感じるのが、いまいちわからなかった。
私自身が半魚人を動物としてしか見れないからか?
家に匿った後に同僚に打ち明ける半魚人との行為に関しても、すんなり受け入れられない。
最後、主人公が撃たれた後に半魚人によって海のなかに一緒に連れ込まれ、主人公の女性が首の傷からエラ呼吸をし始めるのを見て、同じ種族だったからこそひかれたのかと少し納得できた。
内容は少し理解しがたいものだったけど、音楽もレコードやモノクロテレビの音源を使ってシャンソンの音楽をながして雰囲気を盛り上げたり、主人公が見つめるバスの窓ガラスの二つの水滴が重なりあってひとつになって歪んだ画像から次のシーンが写る演出などは素敵だった。
途中、主人公の妄想で歌って踊り始めたときには『ダンサー・イン・ザ・ダーク』かと突っ込みたくなったけどw
唯一無二のイマジネーション
ファンタジーなれど、上司のパワハラ、権力争い、障害、孤独、異なるものへの差別など、身近にありそうな問題のメタファーが満載。その中にあって、ヒロインの勇気と異なるものへの愛は美しいです。映像も美しい。唯一無二のイマジネーションで創りあげたデルトロ監督ワールドが楽しめます!
水と愛の形
身体的障害、人種、同性愛、恋愛、怪獣、定番となった冷戦下の米露競争などなど色々と織り交ぜておきながらそれなりには収まっている(活かしきれていないのかも...)ものの、その愛は本当に美しいのでしょうか? 「キングコング」的な逆襲の抵抗はなく「インクレディブル・ハルク」的な最終的に対立者に理解される展開もない。逃げ続ける抵抗。これは「E.T.」を彷彿させる。その「E.T.」的要素に「シザーハンズ」的要素も混ぜてそこに一つの共通点をもたせる。今作においてのそれは声を発せない。言語を扱えないという点。イライザは「彼は本当の私を見てくれる」みたいなセリフを口にしていたが、一体何を見たというのか。確かに怪獣も言語を扱えない。でもそれだけじゃない。何より見た目。ここで差が生まれる。共通点が二人を結びつけたのであれば、スパイ容疑で捕まった言葉を発することのできない男と偶然ヒロインが出逢う。これで先述の共通点は満たされた。監督が「水はどんな形にもなる。いかなる形にも対応できる」「shape of water is shape of love」とおっしゃっていました。美男美女の恋愛が美しいとばかりは思いませんが、いびつな形をした愛はそんなにも美しいものなのでしょうか?純愛ならばまだしも水の形は変化するものです。
なんだかなぁ。お洒落な雰囲気なのに、、
姿や障害を超えた純愛‼
2人の深い愛を描いた作品。
必要ないシーンがいくつかあったかと思います。
ロシアの絡み等の説明や経緯が無くて、分かりにくい部分もあったかなと思いますが、ラストはなかなか感動しました。
サブカル的美術が魅力のオサレなファンタジー
町並みや部屋の内装、さまざまな小物や服装のすべてが最高にオサレなオールドアメリカン風味ファンタジー。
特に主人公と隣人の部屋は家具や食器のデザイン、窓際に良い感じに積み重ねられた古本など全てが計算されつくされた不自然極まりないファンタジーなカッコよさに溢れていて、この様式美はヴァニラウェアのゲーム作品とか、もしくはあくまで傾向で言えばpixivにごろごろ転がってる陳腐な妄想ファンタジー世界のそれに近い。(もちろんディティールのこだわり具合や埃臭さまで再現したデルトロのそれとはセンスが別次元ではあるのだが)
オタクの心をきっちり掴んだファンタジーデザインならば、デルトロの右に出るものはいないのだろう。
上記のデザインに加え、オープニングから引き込んでくれる素晴らしい音楽。この2点に、本作の価値の8割くらいが集約されているように感じる。
サブキャラクターは皆愛らしく、主人公が一番感情移入が難しかった。孤独で卑屈な隣人の画家のいじらしさや、自分の信念に生きて死んでいったソビエトのスパイももちろん、任務に忠実で冷酷なサディストと思われる軍人にも、可愛らしい子供との交流や妻との生々しい情事や新車を買ってニヤけるシーンがあるお陰で、都合の良い“悪役”役のサイコ野郎ではない、人間らしい厚みがあったのが印象的だった。そんなクセの強いメンツの中にあって、快活で素直にイイ奴だった黒人の同僚が本作の良心である。
導入部分には強烈な違和感を覚えた。ひどく雑。ただの掃除婦の主人公が、半魚人に餌付けをするまでのステップがあまりにもぶっ飛びすぎていて、その後の交流をするシーンにまでモヤモヤが尾を引く。「言葉が通じない者同士のシンパシーを感じるから」という動機はわかるのだが、ゆで卵の餌付けに至るまでのきっかけとして何かしらのイベントが欲しかったし、音楽プレイヤーを持ち込んで交流を深める前後のダイジェスト的なシーンもあった方が良かったように思える。
現代でこそ、あんな半魚人が見つかったら目にするヒトは皆大騒ぎするのだろうが、まだ宇宙人やUMAといったファンタジーがギリギリ息づいていた冷戦期のアメリカだからこそなのか、あんな異形が(驚くべきものとされつつも)すんなり受けいられていることに、観ていて違和感を覚えなかったのが面白かった。
デルトロはパンズラビリンスでやらかしているので、ラストシーンもギリギリまで「あぁ、またやりやがった…」と思ってたものの、きちんとハッピーエンドにしてくれていて良かった。自分は悲劇も大好きだが、しかし本作にそれは似合わない。
軍人も喉を潰されただけで生きているらしいのが、また心地の良い終わり方だった。あそこで半魚人が軍人を残酷に殺害していたら、きっと穏やかな気持ちで映画を見終えることはできなかったかもしれない。
半魚人奪還のくだりはベタながらドキドキしながら見れた。
猫の首なし死体もきっちり妥協なく描く。これぞデルトロ。
全体的にエロい。そしてエロさが変にアーティスティックではなく生々しい。なんか汚い。
そもそもファンタジーは、その大枠で大嘘をついているジャンルだからこそ、何かの要素で強いリアリティを持たせなければならない。本作におけるそのリアリティのあるフレーバーこそが、エロ要素だったように思える。
陰毛ぼぁー。おちんちんは勃起すると生えてくるのか。
ずっと大切にしていきたい作品
お金払って見たい映画じゃなかった‥‥
予告とオープニングだけ見るとけっこうワクワクした。けれど話の中盤あたりになると2人が水中で抱き合ってる予告シーンを思い返してすんなりオチが読めてしまった。
最初に色々脅かされたり吠えられたりしたのにイライザが「彼」と仲良くなろうとする心境から既に理解できなかった。
そして何より「彼」が、どうしても気持ち悪くしか見えなかった(中の役者さんはけっこうイケメンなのに‥)あと猫!!個人的にぜっったい許せないしただの凶暴な半魚人じゃないか‥(;ω;)
結果的に登場人物が次々と痛めつけられていくのも悲しかった。
よかったのは音楽とイライザの部屋。映画館の2階にあんな大きな窓付の部屋で暮らせるのはちょっと羨ましいと思った。
イライザがエロくてよかった
半魚人が野生の動物にしか見えない
期待を膨らませすぎました
シザーハンズが大好きなので、この映画も同じような感じかな、と油断して見てしまいました。
素敵なラブストーリーかなーと思って見てしまったので、それはわたしは勝手な期待を膨らませすぎたというか、わたしの予想とは外れていました。。
全体的な印象でいうと、少しショッキングなシーンが多すぎかなと思います。
主人公の恋や、様々な感情に感情移入する隙間がないくらい、怖いシーンやショッキングなシーンが多くて残念に思いました。(個人的に、耐性がないということもありますが。笑)
しかし、映像と音楽が本当に美しくてとてもよかったです。
透き通るようで、それでいてリアルな描写や、表現もすごく良かったです。(とくに、『水』の表現が美しく、とても素敵でした。)
透明感のある『水』と、人々の心、という対極にあるものが混じって、独特な雰囲気の映画だったと思いました。
見て良かったなと思いますが、多分もう見ません。笑
いろいろイライラした。。。
ギレルモ監督映画は「パシフィックリム」も「パンズラビリンス」も好きです。でもこの映画はひどかった。拍子抜けするほど面白くなかった。見終わって怒りすらわいてきた。
なぜか。
漁人の問題。
・半漁人の造形がきらい。
・ただのスーツアクターがウロウロしてるようにしか見えない。
・藻の生えたバスタブで藻まみれ。絵的にどうなの?
・人格や性格がみえないので人ではなくただの「魚」。
・クリーチャーらしい能力に乏しい。
・脱出もその後も世話してもらわなくては生きていけない介護老人状態。
・なのに繁殖行動だけは一人前のエロ漁人。キモいです。
イライザの問題
・孤独女子のこじらせ系。めずらしいペットにハマって大暴走。
・恋愛不器用さんのハッピーオーラ。周りのみんなを振り回しても平気でいられる鈍感力。
・愛と善意はタチが悪い。無邪気に人を傷つける。
・“彼”に魅力なさすぎて惚れる要素が1ミリもない。なのに身も心も捧げるってバカなの?
・イライザは典型的な「だメンズウォーカー」。
・私がお世話しないと死んじゃうから・・感。
・さみしいゆえに心のスキをつかれると、漁人でなくとも詐欺師やクズ男にコロッと騙されそう。。。もっと賢明に生きてほしい。
二人の関係
・孤独と障害からイライザが“彼”にハマるのは分かるけど。。
・“彼”の人格がなさすぎて、“彼”にとってのイライザは愛なのか、世話してくれる「都合のいい女」なのか不明。なのにちゃっかりやることだけはやるなんて最低。ヒモかクズ。
・世話してくれて、逃がしてくれたイライザの好意に乗っかっただけ?積極的に好きになった感じがしない。
・互いの利害が一致したからそうなった感。全然恋愛してない。
・そもそも感情や人格のないものと、どうやっても結ばれる感じがしない。
性愛描写
・女子の恋愛って気持ちや心の部分が大きいから、すぐに性愛ってなんか違う。激しく違う。
・ウロコとか背ビレとかそういうのイヤ。触れたくない。刺さってケガしそう。ましてや裸でなんてとんでもない。
・水の中って冷たい。体ひえそう。
・湿っててカビ臭さそうでジメジメした室内環境はいやだ。
・もういろいろ生理的にダメ!
・とにかく女子を分かってない。
このような世界感がなぜ高評価なのか分かりません。
私にとっては、さみしい女性が勝手に恋して尽くして身を滅ぼす映画としかみえませんでした。
それを美談としてるところも嫌です。
相手が男であれ、謎の生物であれ、お互いのやり取りの中で関係が深まるものなのに、女性が餌付けして尽くして妄想して善意を暴走させ破滅する。
“彼”の感情が謎のまま。
ワンオペ、相手がいても、ワンオペ。
そんな感じ。
良かったのは、美術とか、色彩や背景とか、ストリックランドの人物描写とか。
組織人としてマッチョに生きねばと努力してる姿。強い男という抑圧はそれはそれで大変そう。。悪役だけど全力で奮闘してる姿はすがすがしい。
絵描きのジャイルズも、あの時代、ノーマンロックウェル的なイラスト黄金期が終って写真に仕事を奪われるという切ない状況。時代遅れでも老いても描いてる画家の生き様にほっこり。
そもそも未開の部族や野生動物は警戒心が強く、交流するのは難しい。
姿を見ただけでわかり合うなんてない。けど、そこはファンタジーのご都合主義。
私はいろんな箇所にイライラしてこの世界には入れませんでした。
ラストも、もはやどうでもいい。
社会から切り離されて、恋人さえいれば幸せだとでも言うの?
女性だけに生命と生活のリスクをとらせて相手はほぼ何の活躍もしない。
こんな恋愛フェアじゃない。
変なところに生活感を入れ込むから、リアルとファンタジーのさじ加減に違和感ばかり感じてしまう。
やっぱりアカデミー賞・・謎です。
半魚人に名前をつけてほしかったし
アカデミー作品賞を見てきました❗
飾らない美しさと絶妙なファンタジー感
この映画の感想はこの一言に尽きます。
“美しすぎる”
まさに心が洗われるとはこのことですね。
キャラクターも完璧。
マイケル・シャノンは終始イヤ〜な雰囲気醸し出してましたし、リチャード・ジェンキンスは愛嬌たっぷりで、サリー・ホーキンスはとても愛らしかったです。
久々に、良い映画観たなーって感じました。
構成としても非常にシンプルで分かりやすく、その分作品から漂う雰囲気を存分に味わえたように感じます。
ギレルモがギレルモらしさを封印し(隠し味的にはありましたけど)“ザ・映画”をやってくれました。
ほんのり酸味の効いた苦味がほとんどないホッコリしたコーヒーでのひと時。
あー、ボク単純にこの映画好きですね。
最後に、
「え、エイブやん!笑」
雰囲気にハマる
異種感恋愛もの。
時代は冷戦。
主人公イライザは発話障害者、Amazon出身の半魚人、ゲイセクシャルのおじさんの友だち、黒人の女性、とマイノリティというか、差別を受ける側の人達の絆を感じる所がとても素敵。
作品の印象は、
思ったほど、激しくないし、怖くない。
ハッピーエンド(だと思う。)
童話の現代アレンジ大人向けという印象。
半魚人、つまり怪物だから、表現はスピーディーで乱暴な表現もあるのかなと勝手に思ってしまった事を反省したい。
鑑賞後、そういう先入観を抱いていたことに驚いた。
別に悪いことしてないのに、いざ見ると驚いてしまうのって、こうであって欲しいと、期待を押し付けてるのかと思うと怖いし、その居心地の悪さを感じた。
女性発話障害者のオナニー、全然道徳に反してないし、悪いことではないのに、若干落胆というか、気持ちの落ち込みを感じてしまう、
自分と違うことに違和感を抱く、この胸のモヤモヤをうまく表現してるなと思った。
でも、友達だから、受け止める。
イライザと半魚人を受け入れる二人の友人が素敵だなと思った。
人間の敵は人間。
価値観の違いが戦いを招く。
自分と違うと排斥する人間、自分と違う物を観察する人間、が戦う中、イライザは半魚人と自分は同じだと思った。自分と同じだから惹かれていく。
映像は綺麗。
映画館で見れてよかった。
DVDだと画面が暗すぎて、自分がディスプレイに写って萎えそう。
音楽を通して惹かれていくシーンもなかなか良い。
やはり神と祀られるだけの力を備えてるところも良い。
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