「Guillermo del Toro」シェイプ・オブ・ウォーター Editing Tell Usさんの映画レビュー(感想・評価)
Guillermo del Toro
第90回アカデミー賞シリーズ。今作は、作品賞、監督賞、作曲賞、美術賞に輝いた、#ギレルモデルトロ (#GuillerodelToro) 監督の作品をご紹介!
日本でも、かなりの人がアカデミー賞作品を手にすることが多くなったようで、この作品を見ていないという人もかなり少ないと思います。
このオスカーに選ばれた本作の中で今回取り上げるのは、もちろん監督ギレルモデルトロ!
おなじみ、#パシフィックリム や#ヘルボーイ などで、新たなジャンルを作り上げてきた彼ですが、彼の特徴は何と言ってもその脚本能力にあると思います。
今回の作品とともに、先ほど挙げた作品以外にも、#ホビット シリーズなんかも手がける、このジャンルに関しては超一流の脚本家でもあります。
脚本家としてのギレルモデルトロですが、まずなんといっても、このストーリーを映画で実現しようと思うこと自体がすごい。小説や漫画だったら実現することも可能だとおもいますが、それを実写映画で撮ろうと考えるととても難しいことだと思います。
なぜかというと、今作を見てみても、得体の知らないモンスターと人間の女性の恋愛ですよ?まず受け入れ難いですよね(笑)。実際、映画の中に出てくるモンスターとかを見てみても、受け入れ難いのは変わりません。
では、なぜアカデミー賞を受賞できるまでの映画にすることができたのでしょう。
そこに監督ギレルモデルトロがいるんですね!
彼の監督しての技術は、”ミスディレクション”。
黒子のバスケの、黒子の技ですね。ここでいうミスディレクションとは、映画の中で視聴者に見せたくないものを見せないということ。
ちょっとわかりにくいのでもう少し詳しく。
映画を作るとなると、#ヒッチコック 作品の時にも言いましたが、視聴者に的確な情報を与えることで、ストーリーが進んでいき、キャラクターが構築されていくというものです。
つまり、視聴者に見せたいものをしっかりと画面の中でとらえ、視聴者に認識させることが重要だということです。
もちろん、それはとても重要なことで、それに失敗してしまった作品もかなり多くあります。というか、評価が低い作品のほとんどがそれが原因でしょう。
一方で、ギレルモデルトロ監督がやっているのは、画面の中で見せたくない部分を視聴者に見せないように工夫することで、必然的に視聴者に情報を与えているのです。
「見せたいものを見せる」と「見せたくないものを見せない」の違いとはなんでしょうか?
そこが、ギレルモデルトロ監督作品が面白いところで、「見せたくないものを見せない」ことで、「見せたいものを見せる」よりも多くの情報を与えることができます。「見せたくないものを見せない」のだから、上映中に目に入ってくるものはすべて、視聴者に伝えたい情報なのです。
だから、こんなにヘンテコな設定であっても、デルトロが伝えたいことがしっかりと伝わってくる。さらに、このヘンテコな設定の良さも、ファンタジーさやフィクションの良さとして伝わる。
視聴者が目にする情報はとても量が多いので、意識的に脳内に蓄積されるのではなく、視聴者の視界の中に広がり、包み込むような感覚になります。それこそが、デルトロ監督の真骨頂で、映画体験の一つの方法です。
これは、ディズニー&ピクサー映画などでも同じですが、アニメと実写とではまたちがってきますよね。今作では、巨額な予算とともに、美術、VFXを駆使して、さらに壮大な世界観を作ったため、画面に見えるものはとても美しかったです。
例えば、本作でいうと、半魚人のSF的な面はほとんど触れられませんし、宇宙センターの内部もほとんど触られないままストーリーが進んでいきます。
だからといって、宇宙センターなのにロケットないじゃんとか、どうやって半魚人とセックスしたん?とかってのは、気になったとしても、ほっとける。
そのストーリーに邪魔なものに引っ張られないようにすることができているから、時代や国家などのテーマも伝えられるし、ファンタジー要素も受け入れられるということです。
今後のギレルモデルトロ監督・脚本作品が楽しみ!
てか、#マイケルスターバーグ (#MichaelStuhlbarg) やばくね?アカデミー賞作品賞ノミネート作品の3作品に出演してんで。えげつない。