「日本酒の奥深さを堪能！」恋のしずく　ガーコさんの映画レビュー（感想・評価）

真面目で誠実な、まさに日本酒のように澄み渡る透明度の高い映画でした（笑）

日本酒を愛する人には是非観てほしい映画。
スクリーンから、日本酒の甘い香りが漂ってきそうでした。

正直もう少しコメディタッチな映画かと思っていましたが、とにかく一途で誠実な作品でした。
まるで、初恋の人に出会ったかのような、日本酒との運命の出会いを感じられる映画でした。

ワインソムリエの道を進むはずの大学生の詩織が、貧乏くじを引かされて日本酒の酒蔵に実習に行くという話。
日本酒で泥酔した女の子が、酒蔵で酒造りという、無理難題な道を突き進むという始まります…。
酒蔵の亭主が心臓病を患っている中、その息子は反抗的な態度…。
大変な環境の中に放り込まれた彼女が可愛そうでしたが、亭主の死によってバラバラだった仲間や家族が一致団結していきます。

日本酒の奥深い味わいが、映像だけで感じられるのだろうかと、不安な気持ちがありましたが、役者の方々の表情や言葉一つ一つからお酒の美味しさがきちんと表現されていて感動しました。
また、お酒が注がれる音の響きも、美味しさを感じられる要素の一つ。
思わず、生唾がこみ上げてきそうな素敵な音色に、沢山の名酒が飲みたくなりました（笑）

今回川栄さんの初主演というところにも注目しました。
彼女のの白い肌と日本酒の透明な色が、ピッタリとマッチしていてとても良かったです！
お酒を美味しそうに飲む姿は意外性を感じましたが、彼女の可愛い雰囲気はそのままだったので、とても楽しく鑑賞できました。
川栄さんの、今後の作品振り幅の広さに期待です！

また、先日お亡くなりになった大杉漣さんも登場していたことにびっくりしました。
酒蔵の社長としての貫禄は抜群で、大杉漣さんが飲んでいるだけで日本酒の味や深みが感じられそうでした。
彼なしでは、この映画は完成しなかったのではないかと思います。
ありがとうございました。

最後に…、映画の中には広島の町並みと酒蔵の雰囲気がとても良い、これぞ日本の風景といったシーンが満載。
酒蔵だけでなく、広島の名所も観光もしているかのようでした。
お酒だけでなく、広島の良さを体感できた作品に感謝です(o^^o)

試写会を主催してくださったFilmarks さん、ありがとうございました(^^)