劇場公開日 2018年1月13日

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「ドイツの山田洋次作品といった感じ」はじめてのおもてなし kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ドイツの山田洋次作品といった感じ

2019年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

知的

幸せ

 難民問題、人種差別問題に加えてイスラム国、テロリスト、ナチなど様々な問題を取り上げているハートフルコメディで、どれもこれも自身と照らし合わせてしまい、いろいろと考えさせられた。

 ハートマン一家は父リヒャルトが医師、母アンゲリカが校長も務めた元教師、息子フィリップが上海で活躍する企業弁護士、娘ゾフィーがずっと学生を続けている。そして12歳の孫バスティーは12歳でありながらヒップホップのミュージックビデオを作成していたりする、ちょっと問題児。そこへナイジェリア出身の悲しい過去を持つ青年ディアロがやってくる。

 人と人の繋がりも面白く、リヒャルトの下で働く研修医の存在が家族関係を見事に橋渡ししている。宗教の違い、文化の違い、そして夫婦に対する考え方もヨーロッパとアフリカでは違う。日本の家父長制なんてのはむしろアフリカに近かったりするのが驚きだった。

 裕福で頭の良い家系だけに、問題が起こってもすぐに解決できる才能があるので、ちょっと警察沙汰になったくらいじゃビクともしない。物語はディアロの亡命が認められるかどうかをテーマにしているのだけど、警察がずっとマークしているとかの伏線はちょっと邪魔だったかもしれません。いまだナチみたいなのがいっぱいいることにも驚きは隠せない・・・

kossy