「小さき花」二十六夜待ち atararuiさんの映画レビュー(感想・評価)
小さき花
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今夜は
月の光が降り注ぐから
二人で傘をさしてゆこう
河原でキイロの花を摘み 指を絡ませ
完璧でない世界へと落ちてく
僕等は孤独すぎるから
互いの淋しさの中に潜り込んでは
確かめ合う
波の音 欠けた月 沈黙の花
埋められない心の隙間に
つたう涙が溢れたら
君にあげよう
小さき この花を
記憶を失い自分の存在を確認するかのように月の満ち欠けを数え野花を生ける杉谷さんと震災に遭い波の音が胸の奥で鳴り続けている由実さん
それと 二人の間にいつもある小さな花の存在
ふたりは随所で手と手を重ね合わせ
互いの傷を癒すかのように求め合う
そのオキシトシン効果+愛情が加わると
人は静かに自分を容認しあるがままそのままを受け入れ 生きる覚悟ができるようになるのかもしれないと思わされた
では 二人を引き寄せた引力は何かと考えた時に 初めて観た時は哀しみや孤独なんだと思った けれど再び観た時には野の花がそれだったのだと思うようになった ふたりはいつも一輪挿しの小さな花を違う角度から優しく見つめていた それはきっとこれからも
私の中にもそこはかとない郷愁感がある 生まれて得たのと同時に漠然と何かを失っている気がするのは 何故なのかよく分からないけれど 何かを得ては失くす の繰り返し
それは丁度
寄せては返す波や月の満ち欠けと同じ
幸せなこともあれば不運なこともある
生きるとは そういうことなんだと思う
★映像の中で傘をさす場面は無く比喩
です
☆ちなみに映画はキイロの花 福寿草が映し出されて終わります 河原ではあまりお目にかかれないと思うけど 幸せを招く 永久の幸福それと同時に悲しき思い出という花言葉を持ちます
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