劇場公開日 2018年7月27日

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ウインド・リバーのレビュー・感想・評価

全222件中、181~200件目を表示

4.5全てを奪われ絶望の中で生きるという苦しみ

2018年8月4日
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鑑賞方法:映画館

これは様々な問題提起をする素晴らしい映画だった

アメリカのワイオミング州にあるインディアン居留地 ウインド・リバーでネイティブアメリカンの少女の遺体が発見される

インディアン居留地の捜査権はFBIにあるため、ラスベガスに出張していたFBI捜査官のジェーン(エリザベス・オルセン)は、急遽、ウインド・リバーへと向かう

アメリカの中で、ワイオミング州というは、最も人口の少ない土地のうちの一つだという

なぜなら、切り立った山に囲まれた土地は、石炭が取れるわけでも、石油が取れるわけでもないため、町として発展せず、人が集まらなかったからである

逆に言えば、そこはアメリカの中で最も土地が余っている場所であり、アメリカ政府は、そこへネイティブアメリカンを強制的に住まわせ、インディアン居留地「ウインド・リバー」と命名した

それ以来、ネイティブアメリカンの人々は、絶望しかないその土地で、息をひそめて暮らすことを強いられてきた

この映画では、そのウインド・リバーで起きた殺人事件を描いているのだが
その背景からして、ただのサスペンス映画ではないことがわかる

かつて、アメリカの土地に侵略してきた白人たちは、彼らをその何もない土地に追い込んで住まわせたけれど
もしも、白人たちがその土地に強制的に住まわされることになったら、その白人たちはどうなってしまうのかを描いている

その、とても複雑な歴史を持つ土地を一匹の狼を使って表現しているのが、オープニングである
そこでは、ハンターのジェレミー・レナーが狼を殺すのだ

狼という生き物は、ネイティブアメリカンにとって、とても神聖な生き物なのだが、
かつて、ワイオミング州で暮らす牧場主たちによって「家畜を殺される」という理由で全滅されてしまったという

しかし、近年になってネイティブアメリカンたちのたっての願いで、再び狼たちをワイオミング州に住まわせることになったのだが、未だに、牧場主たちは反対しているのだという
(Wikipedia 調べ)

その中で、ジェレミー・レナーは、狼やプーマが増えすぎて家畜を食い荒らさないように、バランスを取る仕事をしているのだ

ネイティブアメリカンの女性と結婚し、息子はハーフというジェレミー・レナーは、その土地で長く生きていくために、白人たちと、ネイティブアメリカンたちの間に立って、バランスを取る役割をしているのだ

しかし、その土地の複雑さを知らず、仕事のために強制的に連れて来られた白人たちは、その「絶望しかない土地」に馴染めず、フラストレーションが溜まっていき、一触即発の状態にまでなってしまう

インディアン居留地の中で起きた事件は、よそ者のFBIにしか捜査権がなく、
その融通の利かなさが事態をさらに悪化させていく

これは、絶望という土地に強制的に追いやられ、その後、全く見放されてしまったネイティブアメリカンたちを白人の目を通して描かれ、彼らの実情を知るための映画であり
そのガイド役として、MARVELコンビが主役に選ばれたのだろう

多様性が叫ばれる時代の中で、未だに忘れられ、目を背けられている人たちがそこにはいるのだ
エンドロール前に字幕で語られた現実には、とても胸が痛くなった

低予算で製作され、小規模公開されたこの映画は、アメリカで異例のヒットとなり、拡大公開されたという

その事実だけでも、この映画を作った意義があったと思う

元々、アメリカの土地は彼らのものだったはずだ
そのことを、1人でも多くの人が思い出せると良いと思う

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とえ

2.5次々と女性が行方不明?

2018年8月4日
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鑑賞方法:映画館

ストーリーは全くこの問題の解決になっていないし、サスペンスとしても簡単に犯人を見つけてしまうし、監督が表現したい意図は理解できますが、映画としては不完全燃焼でした。

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aki007

3.5分からなくて当たり前

2018年8月3日
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鑑賞方法:映画館

演出は冗長だが、真摯な作りと役者の演技に引き込まれ最後まで見させる強い作品。
この映画の哀しみは日本人には理解はできない。アメリカ人のジェーンですらそれまでは理解できないのだから。ただアメリカにはこの様な逃れられない哀しい地域と人々は確実に存在する事を教えてくれる。
もう少し主人公の事を描いて欲しかったがこれくらいでよかったのかも。

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マクラビン

4.0映画的な波がグッとくる

2018年8月3日
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前半退屈だけど土地の持つ闇部をちらつかせて後半一気に波が押し寄せてキレイに流してしまう。残ったのは虚しさと未解決な土地の闇部…
アメリカって野蛮だしどうしようもない問題だらけ何だなあ

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けつお

4.0アメリカの闇を抉った傑作!

2018年8月3日
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鑑賞方法:映画館

鑑賞直後の感想はちょっとスリリングな現代版西部劇を観たな、といった感じだったのですが、作品のポスターの「世の中から忘れ去られたアメリカの闇」なるものが今一つピンと来なかったのが気になって仕方ありませんでした。それで公式HPや色々なレビューを遅まきで拝見したところ、この作品の見え方が私の中ですっかり変わってしまいました。いやはや、ネイティブアメリカン保留地についてこんな根深い問題があったとは... これからご覧になる方は少なくとも予め公式HPに目を通すことをお薦めしたいと思います。絶対作品の理解が深まります。それから伝説のHiropooさんのブログに感謝、目から鱗でした。

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ホワイトベア

5.0観るべき映画

2018年8月2日
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大好きな映画の一つです。

アメリカ・ワイオミング州のネイティブ・アメリカン保留区ウインド・リバーで実際に起きた凄惨な事件を映画化したもの。
なんというか… あまりに悲惨で、酷くて、まだ根深いアメリカの先住民問題と、冬の夜は-30℃という厳寒の雪に閉ざされたその町の閉塞感に息が苦しくなる内容だけど、観てよかったと思う。

主役のジェレミー・レナーの表情がすごくいい。
ハンターとしてとても男らしい姿とストイックで頼もしい存在感を醸し出しつつ、その心にはある深い悲しみを抱えている様がよく伝わって、そして彼はとても心優しい人なのだとわかります。
(そういえば「メッセージ」の彼も名助っ人役でいい味出してた)

犯人たち・・・逮捕じゃなくていい、どうか殺して・・・
誰もがそう思うでしょう。

ここほんとにアメリカだよね?司法はどうなってるの?どうしてこんなにも警察の目も行き届いてないの?FBIも渋々来るような所なの??
繁栄大国アメリカ、その中に現代社会から文字通り置き去りにされている地域に、アメリカの深い闇の1つを見せつけられる。

正義とは?人権とは?

CIA新米エージェント役のエリザベス・オルセンとジェレミーはアベンジャーズでも一緒でしたが、今回はかなりハードでシリアスな内容での共演。彼女も上手かった。
最初は頼りなかったのに、すごい成長ぶりというか、実はとても強い人だった。

ラスト近く。重傷の彼女を見舞った時のジェレミー・レナーのセリフが感慨深い。
「私は運が良かった」という彼女に応えた言葉が忘れられない。ズン!と響いた。

ぜひ、映画の中で聞いてください。

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Mariko

3.5強さの物語だと思います

2018年8月1日
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静かに、

時に厳しく降り積もる雪の前に、

ただ、なす術もなく、それを受け入れ、

一日一日を生きていく事と同じく、

不意に訪れた悲しみの前でも、

雪にそうするように相対する姿。

この静かな強さは、

とても厳しくも美しい雪の景色に、

重なる。

そして、

厳寒の地に追いやられた、

迫害の歴史を持つ先住民。

それでも静かに強く生き抜いた、

その強さは、受け継がれ、

彼女に、

極寒の夜の雪山を、

途方もない距離を走り抜かせた。

「強い戦士」

コリーは、そう称える。

彼女の強さと、

迫害の歴史を、

思い合わせ、

また胸が熱くなる。

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十ロ九

3.5良い…

2018年8月1日
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鑑賞方法:映画館

『ウインド・リバー』鑑賞。ネイティブ・アメリカンの差別問題を織り交ぜつつ、殺人事件のサスペンスドラマとして物語に引き込ませるのが上手い。重厚で無駄な装飾のない作品だった。これが実話に基づくところが更に闇深い。ティラー・シェリダン推せるわ…。

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顔るんるん

5.0上映してる映画館が少ない

2018年8月1日
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50キロ車走らせて自然の厳しさとそこにある差別と暴力の問題を観た意味は大きかった。
ストリーミングで配信されたらもう一度見直したい一作。

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サジタリウス

4.0他人事ではない哀しみ

2018年8月1日
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鑑賞方法:映画館

なんだか出来るっぽい男をやらせたら現在No.1なジェレミーレナー(個人主観)、脚本家は「ボーダーライン」の人。で、内容は良く知らないけれども、サスペンス?位な感じで観賞。
蓋を開けてみると、アメリカが内包するネイティブ問題の事実をベースに構築された物語でした。極寒のウインドリバーで展開される変死事件とそれに纏わる哀しみ。そこにすっとこどっこいなFBI捜査官も絡んできて…。終わってみれば、北海道、沖縄、台湾、朝鮮半島、等々を鑑みて日本人もしっかり腑に落とす必要のある良質な作品でした。
それにしても、この脚本家さんはFBI捜査官を小バカにするのが好きなのですかねぇ(苦笑)

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lynx09b

5.0パーフェクト

2018年8月1日
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極寒の地に生きる男の物語。最高のクライムサスペンス!心に沁みる悲しさがある。

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ころ

4.0ジェレミー・レナーかっこいいですね

2018年7月31日
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予告/チラシにピンときて、これは観なければいけない映画と確信して鑑賞。
基本的には静かに淡々と捜査が進んでいくのだが、ひとたびストーリーのギアが上がると、ものすごい緊張感をはらむ展開が待ち受ける。
堅実かつ正確な仕事ぶりは、まさにプロフェッショナル。
数日後に偶然『レヴェナント』を観たのも相まって、より強く印象に残る。どちらも同じ立場だし。

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なお

4.0投げかけられる作品

2018年7月31日
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復讐の物語ではあるが、そこには人種差別された世界があり、事件が起こっても同じ様に捜査が行われず結局未解決のままにされてしまう現実がある様に思う。
観終わった後に考えさせられるというか、この現実を投げかけられる作品である。

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ドラテツ

4.0アメリカの闇

2018年7月31日
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怖い

アメリカで現在も続く社会問題に投げかける映画。
主要人物2人の過去に抱える問題、置かれた状況をうまく描きながら突然くる緊張感に加え銃撃戦というアクションもあるので終始飽きないで見られる。

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Rug

4.5緊張感

2018年7月30日
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鑑賞方法:映画館

さすがテイラー・シェリダン、『ボーダーライン』ばりの緊張感の緊張感を最後まで保った推理劇。
判ってみれば、社会の闇を曝く、とかでもないのにカタルシスがあるのは何故だろう…
映画としてとても満足度が高い。

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ぱんちょ

3.5評判を聞き付けての鑑賞。 もっとサスペンスフルな映画かと期待し過ぎ...

2018年7月30日
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評判を聞き付けての鑑賞。
もっとサスペンスフルな映画かと期待し過ぎました。
ジェレミーレナーはいつもより良かったです。

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やまぼうし

4.0強い意志

2018年7月30日
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悲しい

怖い

興奮

ワイオミング州ウインド・リバーの雪山でネイティブアメリカンの少女の遺体がみつかり発見者である地元ハンターとBIAがFBI捜査官と協力し捜査する話。

外傷やレイプの痕跡があり殺人事件とはいえるが死因は他殺ではないことから、警察権のある捜査官の応援は要請出来ず女性捜査官一人と協力者だけで捜査をしなければならないというアメリカのイビツとも思える体制が垣間見える始まり。

ネイティブアメリカンに対する偏見や差別を描きつつ、ハンターの過去と理不尽な事件をみせて行く流れで、哀しさとやるせなさに緊迫感のあるシーンも織り込まれていてとても良かった。

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Bacchus

5.0重いです

2018年7月30日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

前情報ほぼなしの状態で鑑賞したのですがこんなに重たいテーマだったとは。観賞後もモヤモヤとしてしまいました。まだこんなことが起こってるのかと愕然としました。平和とは程遠いです。

劇中の音楽や効果音の使い方がより一層不穏さを増すのでとても印象に残りました。コリーとジェーンのバディ感がとても良かったです。

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にこにこぷん

4.0色々と考えさせられる作品です。

2018年7月29日
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悲しい

難しい

ジェレミー・レナーは狙いを外さない男が似合いますね。
エリザベス・オルセンとのコンビも最高でした。
ネイティブ・アメリカンの問題は根が深いのだと知りました。
そして、家族についても考えさせられる映画でした。

下調べしないで映画を観に行くことが多いのですが、途中でジョン・バーンサルが出て来て、出ていると把握していなかったので嬉しくて変にテンションが上がってしまいました(笑)

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きゃらぷり

4.0事実に基づいた物語

2018年7月29日
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悲しい

アメリカの陰の部分を取り上げた映画で、ネイティブアメリカンのお話。
いくら話題の映画を書いた脚本家でも、今回の題材はヒットが見込まれそうもない。
となれば、脚本家自身がメガホンを取らざる終えなかったんだろう、、、そうまでして撮りたかった映画なのだから、見る価値があると思いました。

丁寧に作られた映画でした。ネイティブアメリカの辛い歴史が垣間見れ、考えさせられる、余韻の残る映画でした。

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ヒリヒロ