「観るべき映画」ウインド・リバー Marikoさんの映画レビュー(感想・評価)
観るべき映画
大好きな映画の一つです。
アメリカ・ワイオミング州のネイティブ・アメリカン保留区ウインド・リバーで実際に起きた凄惨な事件を映画化したもの。
なんというか… あまりに悲惨で、酷くて、まだ根深いアメリカの先住民問題と、冬の夜は-30℃という厳寒の雪に閉ざされたその町の閉塞感に息が苦しくなる内容だけど、観てよかったと思う。
主役のジェレミー・レナーの表情がすごくいい。
ハンターとしてとても男らしい姿とストイックで頼もしい存在感を醸し出しつつ、その心にはある深い悲しみを抱えている様がよく伝わって、そして彼はとても心優しい人なのだとわかります。
(そういえば「メッセージ」の彼も名助っ人役でいい味出してた)
犯人たち・・・逮捕じゃなくていい、どうか殺して・・・
誰もがそう思うでしょう。
ここほんとにアメリカだよね?司法はどうなってるの?どうしてこんなにも警察の目も行き届いてないの?FBIも渋々来るような所なの??
繁栄大国アメリカ、その中に現代社会から文字通り置き去りにされている地域に、アメリカの深い闇の1つを見せつけられる。
正義とは?人権とは?
CIA新米エージェント役のエリザベス・オルセンとジェレミーはアベンジャーズでも一緒でしたが、今回はかなりハードでシリアスな内容での共演。彼女も上手かった。
最初は頼りなかったのに、すごい成長ぶりというか、実はとても強い人だった。
ラスト近く。重傷の彼女を見舞った時のジェレミー・レナーのセリフが感慨深い。
「私は運が良かった」という彼女に応えた言葉が忘れられない。ズン!と響いた。
ぜひ、映画の中で聞いてください。
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