「正しさの行方を問いかけたい。」デイアンドナイト ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)
正しさの行方を問いかけたい。
善と悪はどこからやってくるのか。
その答えをひたすら問いかけてくる映画。
明るいシーンもあったはずなのに、思い返すのはひたすら辛いシーンばかり…。
ズーンと心が重たくなって、鉛を飲みこんなだような感覚が残りました。
正しい事をしたはずの父親が自殺し、その父の仇を取るために上京してきた息子。
しかし、田舎の力というのは想像以上に巨大なもので、マスコミでさえ逃げ出してしまうほどのエゲツないものでした。
それでも、父の復讐のために、行動を起こす息子ですが、足掻けば足掻くほどコテンパンにやられてしまうばかり…。
正義とか、誠実さとか、そういった清い部分を尽く蹴散らして、大人の闇の部分ばかりを見せてくる…。
まさに、この世は金と組織との癒着の塊。
正しさよりも、利便性ばかり求められる世の中のようです。
大切なものを守るために行う、正しい行為。
たとえ法に触れたとしても、それは正しい正しいと言えるのか?
最後の問いかけが印象的深く心に残ると同時に、とても胸が苦しくなるような終わり方となりました。
この映画の魅力は、なんといっても映像の見せ方。
善と悪との対比が、始まりから終わりまで描かれています。
しかし、話が進めば進むほど、正しい部分と偽りの部分が混同されていくという…。
そして、最終的に偽りの世界が、正しさを飲み込んで終わるという感じを受けました。
本日は完成披露試写会でした!
皆終始和やかな雰囲気で、仲が良さそう(笑)
主演の阿部進之介さんと安藤政信さんがとても仲が良さそうで、映画の内容と真逆でした!
中でも、清原果耶さんの演技がとても素晴らしかった!
鋭い目線の先に、キラリと光る輝きのようなエネルギーを感じる、難しい役どころを見事に演じていました。
安藤政信さんが、恋人にしたいといっていた気持ちも分からなくはないかも(笑)
また、プロデューサーの山田孝之さんの優しさに胸キュンしました(笑)
雪の降り積もる滝での撮影で、滝の横にお風呂を設置してくれたという。
寒い秋田での撮影に、暖かい防寒グッズを沢山用意してくれた、その気遣いに惚れました(笑)
映画の殺伐さとは相反して、マッタリとした舞台挨拶。
そのギャップがまた良かったです(^^)