希望のかなたのレビュー・感想・評価
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🇫🇮フィンランド←今ここ ⇧(貨物船) 🇩🇪ドイツ⇨🇵🇱ポーランド...
🇫🇮フィンランド←今ここ
⇧(貨物船)
🇩🇪ドイツ⇨🇵🇱ポーランド
ス ⇧
ロ🇸🇮⇦ 🇭🇺ハンガリー
ヴ ⇩⇧(妹とはぐれる)
ェ 🇷🇸セルビア
ニ ⇧
ア 🇲🇰マケドニア
⇧
ギリシャ🇬🇷⇦🇹🇷トルコ(船でギリシャへ)
⇧
🇸🇾シリア(アレッポ)
【カーリド】
カーリドはフィンランドに、
『知り合いのいないシリア人』
です。
彼はいくつもの国を放浪して、
フィンランドへとやって来ました。
『観光目的でもなければ』
『自分探しの目的でもない』
『生きるために放浪してきた』
そんな彼にとって、
『自身を厄介者扱いする国』は
『みな同じ国のように見えた』でしょう。
彼にとって"国境"は
『ただの境界線』でしかなく、
『ただ跨ぐために敷かれた線』でした。
しかし
『国は全て同じ』ように見えても、
『人はそれぞれ違う』のです。
【ヴィクストロム】
ギャンブルでボロ勝ちした、
中高年ヴィクストロム。
彼はそのお金を元手にして、
しがない料理店を買い取る。
その料理店に迷い込んだシリア人を、
ヴィクストロムは匿うことに。
【カリードとカーリドの難民隠し】
離れ離れになった妹を見つけるため、
カーリドは名前を変えて
ヴィクストロムの料理店で働きながら、
友人の力を借りて妹の捜索にあたります。
ある日、
カーリドは妹の情報を得るため、
人目を避けながら友人と密会します。
そして友人はカーリドに、
『情報を求めている最中だ』
と告げてカーリドを励まします。
その言葉を聞いて納得したカーリドは、
その場を後にしました。
その瞬間僕は、
『友人はカーリドを裏切るのでは?』
と一瞬疑いましたが、
極めて無粋な考え方でした。
なぜなら友人は
カーリドが立ち去った後すぐに、
通行人がカーリドを目撃していないか
周囲を見回したからです。
この演出にはカウリスマキ監督の、
『この映画に裏読みは不要だよ』
というメッセージが込められている
ように感じました。
【ギャンブル】
ギャンブルをするなら、
人の可能性に賭けてみたいものです。
僕は今日まで、
そうやって生かされてきました。
『絶望のむこうは』
『希望のかなたでした』
映像で語る
映像そのもので語っていくスタイルは、観ていて安心。
ニヤニヤしながら見はじめました。
こういう地に足のついた映像を撮る監督は、やっぱりいいなとおもいます。
まだまだ作品を撮り続けて欲しい。
善意の人情もので、寿司シーンなどは(なぜか)気恥ずかしさを感じてしまいましたが、それもご愛嬌ということで。
変わらぬ小津リスペクトもあり、十分楽しみました。
移民というテーマは気になってはいるものの、奥の方でくすぶっていて、自分の中ではうまく機能してくれていません。
そのうち変化があるといいなと思うのですが。
希望のかなた
内戦で両親を亡くしたシリア難民の青年カリードは、海外に逃げた唯一人の妹を探して北欧ヘルシンキに行き着くが、いきなり襲ってくる移民排斥主義者の暴力に会う中、困っている人に手を差し伸べずにおれないフィンランド人や移民の人達がたくさんいた。
カリードが、収監所の中でミュージシャンの弦楽器を借り、弦を爪弾くシーンがこの映画を象徴し、胸を打たれた。
アキ・カウリスマキ監督作品
2017年・第67回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞
画が綺麗
まず画が綺麗なの。スクリーンショット綺麗に編集して写真集にしたいわと思ったもん。初め画の綺麗さに、冷静さを失ったんだけど、しばらくしたら慣れた。
それでみんなが無表情で淡々と演技してるのに気付くのね。演出なんだろうけど。淡々とした中に面白い話が入ってきて、くすくす笑いながら観てるの。
主人公はシリアの難民だから、難民の話がテーマになってるんだけど、淡々と描かれるのね。ここで抑えた演出が効いてくるんだけど。
「いや、まあ、そうだよねえ」と思うんだよね。身近に難民の人がいたら、できることをしようと思うけど、政治に物申すまではいかないよなあって。
助け合う優しさ
この作品を通じて感じたのは難民問題への対応。我が国民は果たして同じような優しさを持つことが出来るだろうか。国境を越えて助け合う優しさが問われる。淡々と進む内容で派手さはありませんがジワジワと良さが滲み出てくる作品。
2018-35
少しの社会意識と、少しの笑いと感動
爆笑とか感涙はないけれど、独特の絵と雰囲気そして音楽などで非常に楽しむことができた。
難民問題をはじめ、日本ブーム、国粋主義、偽造、熟年離婚などなど、さまざまな現代社会の問題が詰め込まれて、一層興味を刺激され最後まで楽しむことができた。
基幹となる難民問題さえもがさらりとした印象で、だからこそ多くの人を惹きつける魅力を感じた。
難民の現実というよりも、きれい事が並び立てられていると思ったけれど、それは非現実的というよりも作家の願望のようにも感じた。厳しい現状に対する作者の願い…その願いは遠く厳しい現状が今の世の中確実にある…楽しい映画の中にもそんな強い意志を勝手に感じ取った。
見えない国境を超える
難民三部作の二作目
社会問題をストレートに語っていてわかりやすい。
とてもシリアスな題材ですが
カウリスマキ監督作品特有のキャラクターのやりとりはクスッとした笑いをたくさん生み出し、劇場ではたくさんの笑いが起こっていた。
映画のシリアスさとユーモア。
2つのまったく違う世界観に不自然さを感じたもののその感覚が監督が意図したことだと終盤にむけて明らかになる
難民と自国民
二つの言語、文化、
'あちら'と'こちら'
本来は見えない国境が立ち塞がる
2つの繋がりそうのない世界が、物語が進むうちに少しづつ違和感をもちながら近づいていきマージしてゆく様はほんとうに素晴らしい。
そして、毎度ながらカウリスマキ映画のぶっきらぼうなキャラクターたちの愛のある暖かい眼差しに心が揺れた。
原題(Toivon tuolla puolen)の意味が知りたいところです。
社会問題を直視した力作
フィンランドに辿り着いたシリア人難民(カリード)と市中レストランのオーナー・従業員たちとの交流を描く。実情を無視して形式的に処理されている難民受入の現状と、不法滞在者となった彼らを何事も無かったように自然と受け入れて見せる一般市民の懐の深さを実に淡々と描いてみせてくれました。ヨーロッパ中に広がるこの問題は政治目線で解決するには限界があること、それよりも、一般市民にこそ、この問題を解決する知恵と力があることを、さり気なく、しかし確信を持って観客に訴えているように感じました。監督の信念を感じた作品です。
ロック音楽といつもの仏頂面の面々
期待したほどではなかった。多くのいい評価をした人ほどにに私の観賞力及ばず。
貧しい者同士の助け合いは、現実にあるが、話がうますぎるところも。
後日談を観てみたい。
この主人公の後日談を是非、観てみたい、そう思える作品でした。出来れば、しっかりと生き延びて、明るい将来が約束されたような後日談を観てみたいのです。難民問題に関しては実際の話、余りに悲惨な話ばかり伝わってくるので、せめて、映画の中でくらいは、救いがあってもいいではありませんか。年を経るごとに世界はどんどん、おかしくなり、より酷薄になっていくような気がします。
全ての国家にそれぞれの賢い指導者が現れることを願うのみです。
他人事でない
やむなく故郷を離れたシリア難民の主人公カーリド。
状況は特殊でも、彼ら自身は特殊なわけではありません。
難民としてヨーロッパに渡った人たちは、安くはない金額を仲介者に払えるような人。本国では修理工だったり看護士だったりと、それぞれの仕事に従事していた人たちです。
それが一転、仕事はない、難民申請も受け入れてもらえない苛酷な現実に見舞われる。
決して他人事ではないと感じました。
難民に限らず、自身が困難な状況に直面したとき、あるいは目の前にそういう人がいたらどうするか、何ができるか、考えてしまいました。
アキ・カウリスマキの映画を見るのは、私は「ル・アーヴルの靴みがき」が初めてで、「希望のかなた」は2作目です。
色彩や画面が独特ですね。
日本ネタが出てくるのにもちょっと驚きました。
難民というタイムリーな題材を扱う2作目であるが相変わらず無表情な登...
難民というタイムリーな題材を扱う2作目であるが相変わらず無表情な登場人物達であるが、交わされる会話や行動、仕草からいつの間にか表情豊かに見えてしまうアキカウリスマキマジックは健在
特にレストラン従業員の3人衆の最初の印象からまた最後に至るまでの印象がガラッと変わっていて個人的MVPだった
ただ難民を取り巻くこの世の汚い、暗黒または非情とも言える部分はかなりストレートな描写の仕方をしている
フィンランドに来ての仕打ちにも無表情で耐え、凌ぎつつも優しい住民達となんとか希望を繋いでいく主人公に拍手、
ラストの妹の行く末を案じつつも未来への展望に馳せてるような穏やかな笑顔も良かった(途中から主人公の顔に山田○之の面影がチラついてしまったのは内緒)
あと唐突な寿司パート大好き
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