劇場公開日 2018年11月16日

  • 予告編を見る

「死は残されたものにとって意味を持つ」鈴木家の嘘 しろくまさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5死は残されたものにとって意味を持つ

2018年12月9日
iPhoneアプリから投稿

133分と長いのだが飽きない。
引きこもりの末自殺した長男(加瀬亮)、その父親に岸部一徳、母親が原日出子。父親の妹に岸本加世子、母親の弟に大森南朋。
ベテラン、個性ある役者を配する中でも存在感を放つのが妹役の木竜麻生。デビュー作にして主演の「菊とギロチン」も良かったが、本作も鮮烈な演技を見せる。後半のクライマックスとなる長回しのシーンが見事だ。

死は、その本人ではなく、残された者にとって意味を持つ。
引きこもりからの自死という重い現実。
だが、家族の受け止め方は意外にもバラバラだ。
いや、家族とは言え別の存在なのだから、当たり前と言えば当たり前なのだが、本作では、こうした点をハッキリと描く。

こうもり、誕生日ケーキ、オタフクソースなど、小道具の使い方も巧み。見応えがあります。

しろくま