劇場公開日 2018年11月16日

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「極めてセンスのなさを痛感した映画。」鈴木家の嘘 ハクタカさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5極めてセンスのなさを痛感した映画。

2018年12月1日
iPhoneアプリから投稿

引きこもりを抱えた家族のとても重たいテーマ。
肉親を自死によって失うことの苦悩は、すごくよく表されていたと思います。
助けてあげられなかったと、みんながみんな自分を責める。
そこにどっぷり浸かり、寄り添ってあげたいと思う映画でした。
そして、できれば涙を流してみたかった。

なのに。
時々出てくるコミカルな場面。
あれにいちいち興醒めし、腹が立ってしまいました。
生涯に限られた数の映画しか見ることができない私たち。
それに対しては、ベストな映画を届けるべきだと思うのです。
監督の周りの人たちは、あの「笑い」の場面について、誰か言及する人はいなかったのでしょうか。
不要だと。
すごく勿体無くて、悔しさを感じる映画だと思いました。

映画の中に明るさを入れることで、家族の影の部分をよりくっきり見せたかったのかもしれませんが、「笑い」に走る必要はなかったと思います。
鈴木家の人たちは、充分健気に力強く生きている人たちなのだから。

ハクタカ