「何を感じ取れば良いのでしょう。」鈴木家の嘘 突貫小僧さんの映画レビュー(感想・評価)
何を感じ取れば良いのでしょう。
野尻監督の初監督作品だろうか、それにしてはお粗末というべき。霊媒師の登場で、作品に対して完全に呆れてしまった。
正直、息子は本当にアルゼンチンに行ってしまい、そこで音信不通になったと設定で良いのではなかろうか。
浩一がどうして「引きこもり」になったのか。彼をそこまで追い詰めたのは何か?もう少し具体的に明確に描いて欲しかった。
監督本人は、今活躍している著名な監督の下で務めていた割に、この作品で何を一番に伝えたかったのか。「現代の若者のひきこもり」について「その原因」について「鈴木家の家族の在り方」「浩一のお好み焼き好きのこと」「浩一がおたふくソースを好きになった経緯」「自殺者を家族に持つ人間のケア」「家族の中で、悲惨な死をもつ家族は、どうあるべきか。」どれなのか、右や左にブレ過ぎている。観ている私としては、「?」の連続であり、エンドロール前に、耐えられず退席してしまった。
失笑する場面は、散見できるがしらける。浩一の部屋からいきなり「蝙蝠」でてくるが、家族3人に土手で座って「蝙蝠」眺める場面(ここで蝙蝠が飛んでいる場面はない。)。浩一が「蝙蝠」にでもなったと言いたいのか。彼の保険金の受け取り人にイヴちゃんが入っている。このイヴちゃんの存在が厄介で、ラストの家族の台詞でも現れる。イヴちゃんの存在がもどかしく。何回場面で現れたのでしょうか?ソープの「男爵」?から父幸男に電話が掛かってくるし。
富美は、兄の自死の責任は私にあると自責の念にかられる所があるが、前半母親にさんざん「兄の死」」をひた隠そうとした行動はどういうことか。
彼女の「新体操」のリボンの練習場面が出てくる。あれは何?
母親が息子の自殺場面を、作品の半分で思い出しショック!まぁ立ち直りの早いこと。(お腹すいたから)「おにぎり」でも作ろうかだって。あれはない。
米山とか北別府の件は、正直必要がないと思う。大森南朋の上滑りの演技もどうだろうか?