謎の天才画家 ヒエロニムス・ボスのレビュー・感想・評価
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鳥獣戯画からリスペクトを受けている。理由が無いか!!
細密に見せてくれる。それは大変に良いと思う。
しかし、引用される別の絵画の題名や作者を明記していない。色々な人たちの『快楽の園』を眺める姿や、説明する姿なんかどうでも良いし、絵の前で歌うのは良いが、固定概念がついてしまう。
歴史的な解釈をしてもらいたかった。
『PRADO』で一度見たが、人だかりはすごかった。『ラス・メニーナス』や『マハ』の前には人が一人もいなかった。のに。
最後にもう一度絵の『全体写し』しなけりゃ。
でも、最後の最後にソプラノ歌手のルネ・フレミングのアリア(多分?)と本人登場♥
また見に行こう。
因みに、ヒエロニムス・ボスは日本では最近人気が出ているようだが、フランドル地方の人で、ブリューゲルの先生の様な方。
僕もブリューゲルの絵『バベルの塔』を見てからのにわかファンではある。
地元の市場に着想
何かの情報で、ヒエロニムス・ボスというのは、一人の画家ではなく一種の工房のような集団で、それは左甚五郎のような制作過程を行なっていたということを耳にしたが、今作品はあくまでも一人の画家としての解説となっている。
奇しくも生で絵画を拝めたベルギー展でのボスの作品は誠奇妙奇天烈であり、しかしその愛すべきキャラクターはもしかしたらヨーロッパよりも日本の方が馴染みがあるのではないかと思える程際立っている作品だ(ボスの作品ではないが、ユニコーンと獅子のタペストリーも参考資料として撮されており、まさしくガンダムユニコーンでお馴染みである)。本作はそんな奇々怪々な作品の中でも代表作である『快楽の園』という大三連祭壇画にフューチャーして、各界の数々の第一人者がその鑑賞の感想、イマジネーション、解説、そして妄想と、多面体的にカメラの前で語るオムニバス的手法で綴られている。
或る人は『反面教師』、或る人は『謎と共にいること』、或る人は『鏡』、等とその出演者のインスピレーションが留まらないパワーをもている絵画であることは、誰でも承知であろう。その他にも沢山の言葉の語彙、ワードの組み合わせ方と、流石一流のクリエイター達が発する言葉は思慮深く、縦横無尽に言葉を操りながら解読していく。充分なほどの贅沢な絵画の読解を愉しむことができる。
それだけではなく、例えば背景画のみにCGを駆使してみせることで又違ったアプローチの解説も試みられていて益々多面体な印象を与えてくれる。今作品をコラージュしたサルバトール・ダリ等、以降の有名画家達にも多大な影響を及ぼすボスの今作品をここまできちんと紹介したドキュメントはかなり貴重で素晴らしい出来であった。本来ならば8Kデジタルで観るのが正しいのか、それとも映画作品としての上映が正統なのか悩むところだが、いずれにせよ今作品をシリーズ化するような流れになって欲しいと願うばかりだ。そうすることによって絵画芸術をもっと取り入れたいというモチベーションに駆られるのだから。
興味深い90分
「ベルギー奇想の系譜」展で事前にボスの作品に触れる機会があったこともあり、非常に興味深く鑑賞しました。個人的に、NHKのドキュメンタリー2時間スペシャルを観たような感覚でした。怒られるかな…(^^;
展覧会では知り得なかった、ボスの置かれていた環境や、当時の楽器やところどころに隠されたシンボルなど、新たな発見があり、より彼の作品を深く鑑賞できるようになりました。
画家としては、けっこう裕福で恵まれた立場だったのではと推察します。遠い国の国王から絵の発注が来るなんて、売れっ子だったんですね!
また、途中でお祭りのようなシーンや、ボスの絵をモチーフにした置物が掲げられるシーンがありましたが、今もネーデルラントやスペインでは、ボスの作品は変わらず愛されているのかなと思いました。彼の作品が多く所蔵されているプラド美術館、いつか行ってみたいです。
そして、こんな奇抜な絵を描きながらも、実は宗教的に保守の立場を取り続けていたところにも驚きでした。卵や魚、うさぎがところどころに描かれていますが、それらも宗教的な意味をもっていたのだと、納得しました。展覧会では気づけませんでした。
彼の作品は過去もこれからも、多くの人を魅了し、また多くの芸術家に影響を与えていきます。その証拠に、映画には様々な業界のクリエイター達が口を揃えて彼の作品を絶賛し、また我々自信も、一度観たら忘れられず、見れば見るほどもっと見たくなる感覚に陥ってしまいます。
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