「あなたは実写とアニメーション映画のどちらが好きですか?」君の膵臓をたべたい 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)
あなたは実写とアニメーション映画のどちらが好きですか?
まず、本作は原作の出来が良いので、この原作をベースにすれば基本は及第点にはいくと思います。
企画はアニメーション版の方が早かったのですが、実写版の方が先に出来、先に公開され、アニメーション版の方が後に公開されました。
それも関係しているのか、実写版は興行収入35.2億円も行きましたが、ベースとなる主なストーリーが同じため、後に公開されたアニメーション版の方は、少し残念な結果に終わってしまいました。
でも、実は、私はアニメーション版の方が気に入っています。
アニメーション版は、原作をベースに奇をてらわない展開で、作画も安定している良い出来です。
私はsumikaも本作で初めて知りましたが、オープニングの「ファンファーレ」、エンディングの、サビがちょっと字余りな感じで不思議な魅力の「春夏秋冬」も名曲で、気になるアーティストです。
エンディングが終わっての「続き」のシーンもアニメーション映画ならではの豊かな表現が光っています。
実写版は豪華キャスト共演で良いのですが、それを活かすために脚本を膨らましてしまい、そこに「偶然性」の多すぎる展開になっていたのが気になり、私は実写版の時は手放しでは評価できなかったのです。
その意味では、後からこのアニメーション版を見ることができて私は本当に良かったですが、もしもこのアニメーション版が実写版よりも先に公開されていたら世の中の評価はどれだけ変わったのか、そこだけは気になりますね。
両方とも見たことが無いという人は、まずはアニメーション版からいかがでしょうか。
私は圧倒的にアニメーション版の方が感情移入できました。
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