博士と狂人のレビュー・感想・評価
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言葉は生きている
映画評を読んで興味を持ち、鑑賞。
この時代に辞書を作るということは、全て手作業であり、相当な苦労があったはず。長い年月がかかり、その間にまた新しい言葉が生まれたり、ひとつの言葉に新しい意味が生まれて以前とは異なった使われ方をしたり。
そうすると初期の頃に作った部分が古くなってしまうな、、、と思ったものの、よく考えたらこの時代は今のように情報流通が激しくないから、言葉の変化もゆっくりだったんだな。
夫を殺された未亡人が犯人と心を通わせる部分についてはなんだか無理矢理な感じだけれど、マイナーの精神症状の変化を描写するためのストーリー展開として必要だったということで、容認。
言葉と心
実話だけに、偶然の2人が出会うところが運命を感じます。人間の醜い「地位」と「権力」は戦争・研究・創作…なんの分野にでも存在して、自分に嘘をつくことが後に自分を苦しめちゃうのかな。
言葉があるから心が存在するのか、心があるから気持ちを言葉にするのか… 難しいテーマです。興味深い作品でした。
もっとじっくり知りたい!
ショーン・ペンの何もしなくても、身体から発してる悲しみを背負った人間のオーラに泣けてきた。
これが、実話ということが非常に興味深い。
少し、足早にまとめてしまったように感じて、ストーリを追うのに必死になってしまったので、
内容が全て入ってきたわけではないが、
ただ、メル・ギブソンとショーン・ペンの素晴らしい演技の競演を観れたことに感無量。
it lives on
地道すぎる作業は、真面目すぎるひとたちだからできたのでしょうね。何かを成すには、先が見えないような長い苦しみであっても自ら希望をもって進め。そこに生きていけ。励ましていけ。人が人を苦しめ、狂わせてはならない。
原作読んでからの鑑賞。さすがのショーンペン。と、言語学会の皆さんが...
原作読んでからの鑑賞。さすがのショーンペン。と、言語学会の皆さんが素敵。
ただ内容は、だいぶ映画っぽくロマンチックに変えられてしまってた。
事実を物語として表現するとき、どうしても「これがあったからこうなった」のように、出来事の関連性を作ろうとしてしまう。実際はもっとシンプルな、ただ起きたことでしかない事が多いと思うけどなあ。
映画として面白くなきゃいけないんだから仕方ないけど…。
それにしては、マイナーが苦しみ続けたからこそ、辞典が完成したという関連性は描かれてないのよね。
でもとにかく凄いショーンペンを見られたので満足。
見るべし!
学歴はないけれども自分に正直に生きていればどこかでチャンスはあり、エリートであるけれど精神病を発病する機会も誰にでもある。ただ彼らは才能が与えられていた。そんな二人が出会い、言葉や人とのかかわりを通じて自然に愛情が養われていく。描かれている時代背景も好きだし、演技も素晴らしかった。誰が観ても楽しめると思ったので、もっとたくさんの劇場でたくさんの人が観ることができないのが残念。
ショーン・ペン…
実話ベースといいながら、英語大辞典の編纂秘話といいながら、「博士と狂人」といいながら、実態は圧倒的にマイナー博士の狂気と贖罪の物語であり、圧倒的にショーン・ペンの映画だったのでした…
だってあの演技じゃなきゃナタリー・ドーマー扮する被害者の妻の変心には説得力が持たせられなかったと思うよ…
スゴい…
殺人犯ではあるが殺人鬼ではない
オックスフォード英語大辞典編纂で多大なる貢献をしたのは殺人を犯した精神疾患者だったという、実話ベースの物語。
辞典編纂の苦労も描かれるが、協力したボランティアのドクターの物語の印象が強い。夫を殺した犯人の援助を得ながら、最後には愛するようになるってところが受け入れられるかどうかなのかな。個人的にはそんなことあるのかな?と戸惑ってしまった。自分が殺してしまった男の妻に好意を持たれていることに気づき、自分も愛してしまっている状況で自らの性器を傷つけるなんて、それだけでかなりマッドな話。
未亡人とのエピソードがどこまで本当なのかはわからない。最後の説明にも出てこないところを見ると創作部分なのかもしれない。だとすると、恋愛の話いるのか?と思ってしまう。いや、実話としてそんなことがあるなら申し訳ないけど。辞典編纂の話としてもっと掘り下げても面白そうなのに。
あと、映画の宣伝や解説で「殺人鬼が関わっていた」みたいな表現をしているものがあったが、明らかに内容と違う。殺人は犯したが、疾患により妄想だったし、人間違いで殺人鬼と呼べるものではない。こういうミスリードは残念だ。
許す偉大さと、許されることへの罪の意識。権威主義と伝統を重んじる事の意味とは。
実はかなりの名作感。
実話を元にしてるとのことですが、
脚色ありつつだとは思いますが、派手ではないながら、かなりドラマチックというか。
映画作品としてかなり作り込まれている。
メインは辞書の出版…の物語ですが…それをとり巻く人間についてとても深く描かれている。
権威を持たない人物が奮闘するという話で権威主義だったり伝統を重んじるということに、新しい風を吹き込むことの大変さや偉大さが描かれていて、現代にも通じるテーマかと。
狂人として?描かれている(おそらく見方によってはどっちがどっちでも良いと思う)元軍医。
彼は自分の犯した罪を非常に重く抱え込み、
それが許されることによってさらなる苦しみを感じる様が、
とても人間臭く描かれていて、罪は許されれば終わりではないのだなと深く考えさせられた。
許す側も、苦悩の上での許しと新しい愛をもつことの苦しみがある。
そして博士のパートナーの、人としての愛の深さにも感銘を受ける。
人間が神や宗教にすがってしまったり、許しを請うたりしてきた歴史を垣間見たような作品。
実話に基づく70年の重みは
ラストでササッと語られつつもブルルと震えるものがありましたですが、ちょっとこれ食後鑑賞で寝落ちをしてしまい‥😅‥
済まない🙇🏻♂️で済まない😡事をされた未亡人が気持ちを変遷した理由は聴きましたが‥ 🍗 🐕
ん" 〜 と、何かストンと自分の腹には収まらない感じで🤨
ところで、博士がメル・ギブゾン氏に似てるなぁ〜 似てるなぁ〜 と思って観てましたが、今調べたらメル・ギブソンさんでした。
狂人もクセが強く初見じゃなさそうだな〜 なさそうだな〜 (稲川淳二風)と思っていたら、ショーン・ペンさんでした。
👍🏼一緒に観た妻は💯点に近いと申しておりました👍🏼
愛があれば、その先は?
良質の実話もの。博士と狂人の二人も偉いが、国の威信をかけた大事業を成し遂げるために、一介の学者に託す方も偉いと思う。あの当時、実力よりも権威主義、伝統主義であっただろうから。
犯した罪の色眼鏡でマイナーをみなかったマレー博士は、それまで偏見の中で生きて来たであろうからいわば当然でもある。だけど、その態度には、マイナーを一人の人間として接するリスペクトがある。夫を失った夫人も、憎らしさを持ちながらもしっかりと敵であるマイナーの心の中身と対峙してくれた。看守(「おみおくりの作法」の彼だ)もまた、職務の役割の節度を保ちつつ、ときに逸脱し、彼らの関係を笑顔なしに温かく見守ってくれた。この、それぞれの関係性が、誠に押しつけがましくなく、謙虚で、でも意志が強く、信頼感の絆でつながっていく様は見応えがあった。
マイナーが、夫人にたいする感情を自らが嫌悪してしまったがためにしでかした、自らへ架した罰を見たときの思い出したのは、鉄門海上人という坊さんのことだ。鉄門海は、江戸時代の庄内地方にいた真言宗の僧侶で、かつての恋人が自分を追いかけて寺まで押しかけて来た時に、その恋人の思いを断ち切ってあげようと同様の行為をした。マイナーも鉄門海も、自戒を込めたその行為には、その痛み同等の愛があったのだろうなあ。
ショーン・ペンの迫力
凄い演技でした。戦争は人を狂わせるのですね。一時的に驚異のボランティア力を見せるも‥。精神治療も研究段階の時代(今も?)は、こんな感じだったのかしら?この精神治療の先生も、ある意味、狂人なのかも。ショーン・ペンが凄すぎて、辞書の作成メンバー他、全員が霞んで見えた。
大辞典
メル・ギブソンとショーン・ペンの二大スターが言語博士と殺人犯に扮して英国肝いりの英語辞典の編纂にタッグを組んでいくという異色のヒューマンドラマ。これが実話というのだから、まさに事実は小説より奇なりであった。
にしても博士と元軍医の対称的な人生。しかも殺された未亡人が加害者である元軍医に心を寄せる過程は、残念ながら毎度毎度の持病による薬の副作用で寝落ちしていたためわからなかった。これは痛い。
にしても、博士と元軍医、お互いに心通じ合うものがあり、結末的には両者救われて良かった。
しかし、最近、短時間での寝落ちが多い。薬もコントロールしてるんだがなぁ。観る前は服用しないとかして。
メガシャキでも飲んて鑑賞せなあかんなぁ・・・
戦争の犠牲者
ショーン・ペンに惹かれて観にいきました。
いや、またもや戦争により破壊された人間がいた。
最初に思ったのはそんな感じ。
それにより、どれほどの人たちが後々まで悲しみの中に突き落とされるのか。
やり切れないですよね。
それにしてもあの精神病院の院長たるや、あれはなに?
人の不幸を喜ぶって輩?
あんたこそ精神イカれてんでしょ。
ショーン・ペンはよかったなぁ。
彼の監督作品もとても好きなんだけど
(特にプレッジは大好き)
役者ですよね〜
パンフレットは売り切れでしたね。
残念。
承継される知識と信念
英語辞典を作るという知識と根気がなければなり得なかった偉大な先人たちを尊敬します。またこの偉業を繋いだ人たちにも称賛に値する。彼らの信念の断片が観れて良かったです。やっぱり半ば障害なるのは妬みや見栄だったりと人間だよなと。赦し、に対しては時代なのか私の価値観なのか腑に落ちないところも。英語辞典だからか、悩みの根元が分からないこともあった。
後半は尻すぼみで盛り上がりはないけど、真実に基づいた物語なら分かる。
近代という「言葉」時代を支えるもの。
素晴らしい映画だ。世紀末の人間社会を支えるもの、それは言葉の持つ意味と役割。もはや宗教でも音楽でも美術でもなく、言葉の辞典編纂こそ新時代の土台となるもの。写字室に関わる、博士と狂人のドラマ。現実的日常や政治的社会を超える、言葉の持つ意味社会の構築こそ、二人が共有した役割だった。
賢者と狂人は表裏一体
オクスフォード大辞典の編纂を任された叩き上げの言語学者、戦地で心を病み殺人を犯してしまった元軍医。
恵まれない幼少期を乗り越えて大仕事を任されたけんじや、精神障害があるために死刑は免れたが精神科病院に拘束された狂人。
交わりそうもない2人が、心を交わし「友人」と呼び合う寛容さが素晴らしい。そこには権威とか財歴は意味を成していない、お互いが刺激し合うことができる関係だ。
人として見習いたいです。
精神障害者の支援者には是非観て感じてもらいたい秀作です。
#精神保健福祉士
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