博士と狂人のレビュー・感想・評価
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言葉は生きている
映画評を読んで興味を持ち、鑑賞。
この時代に辞書を作るということは、全て手作業であり、相当な苦労があったはず。長い年月がかかり、その間にまた新しい言葉が生まれたり、ひとつの言葉に新しい意味が生まれて以前とは異なった使われ方をしたり。
そうすると初期の頃に作った部分が古くなってしまうな、、、と思ったものの、よく考えたらこの時代は今のように情報流通が激しくないから、言葉の変化もゆっくりだったんだな。
夫を殺された未亡人が犯人と心を通わせる部分についてはなんだか無理矢理な感じだけれど、マイナーの精神症状の変化を描写するためのストーリー展開として必要だったということで、容認。
言葉と心
もっとじっくり知りたい!
it lives on
原作読んでからの鑑賞。さすがのショーンペン。と、言語学会の皆さんが...
見るべし!
ショーン・ペン…
殺人犯ではあるが殺人鬼ではない
オックスフォード英語大辞典編纂で多大なる貢献をしたのは殺人を犯した精神疾患者だったという、実話ベースの物語。
辞典編纂の苦労も描かれるが、協力したボランティアのドクターの物語の印象が強い。夫を殺した犯人の援助を得ながら、最後には愛するようになるってところが受け入れられるかどうかなのかな。個人的にはそんなことあるのかな?と戸惑ってしまった。自分が殺してしまった男の妻に好意を持たれていることに気づき、自分も愛してしまっている状況で自らの性器を傷つけるなんて、それだけでかなりマッドな話。
未亡人とのエピソードがどこまで本当なのかはわからない。最後の説明にも出てこないところを見ると創作部分なのかもしれない。だとすると、恋愛の話いるのか?と思ってしまう。いや、実話としてそんなことがあるなら申し訳ないけど。辞典編纂の話としてもっと掘り下げても面白そうなのに。
あと、映画の宣伝や解説で「殺人鬼が関わっていた」みたいな表現をしているものがあったが、明らかに内容と違う。殺人は犯したが、疾患により妄想だったし、人間違いで殺人鬼と呼べるものではない。こういうミスリードは残念だ。
許す偉大さと、許されることへの罪の意識。権威主義と伝統を重んじる事の意味とは。
実はかなりの名作感。
実話を元にしてるとのことですが、
脚色ありつつだとは思いますが、派手ではないながら、かなりドラマチックというか。
映画作品としてかなり作り込まれている。
メインは辞書の出版…の物語ですが…それをとり巻く人間についてとても深く描かれている。
権威を持たない人物が奮闘するという話で権威主義だったり伝統を重んじるということに、新しい風を吹き込むことの大変さや偉大さが描かれていて、現代にも通じるテーマかと。
狂人として?描かれている(おそらく見方によってはどっちがどっちでも良いと思う)元軍医。
彼は自分の犯した罪を非常に重く抱え込み、
それが許されることによってさらなる苦しみを感じる様が、
とても人間臭く描かれていて、罪は許されれば終わりではないのだなと深く考えさせられた。
許す側も、苦悩の上での許しと新しい愛をもつことの苦しみがある。
そして博士のパートナーの、人としての愛の深さにも感銘を受ける。
人間が神や宗教にすがってしまったり、許しを請うたりしてきた歴史を垣間見たような作品。
実話に基づく70年の重みは
愛があれば、その先は?
良質の実話もの。博士と狂人の二人も偉いが、国の威信をかけた大事業を成し遂げるために、一介の学者に託す方も偉いと思う。あの当時、実力よりも権威主義、伝統主義であっただろうから。
犯した罪の色眼鏡でマイナーをみなかったマレー博士は、それまで偏見の中で生きて来たであろうからいわば当然でもある。だけど、その態度には、マイナーを一人の人間として接するリスペクトがある。夫を失った夫人も、憎らしさを持ちながらもしっかりと敵であるマイナーの心の中身と対峙してくれた。看守(「おみおくりの作法」の彼だ)もまた、職務の役割の節度を保ちつつ、ときに逸脱し、彼らの関係を笑顔なしに温かく見守ってくれた。この、それぞれの関係性が、誠に押しつけがましくなく、謙虚で、でも意志が強く、信頼感の絆でつながっていく様は見応えがあった。
マイナーが、夫人にたいする感情を自らが嫌悪してしまったがためにしでかした、自らへ架した罰を見たときの思い出したのは、鉄門海上人という坊さんのことだ。鉄門海は、江戸時代の庄内地方にいた真言宗の僧侶で、かつての恋人が自分を追いかけて寺まで押しかけて来た時に、その恋人の思いを断ち切ってあげようと同様の行為をした。マイナーも鉄門海も、自戒を込めたその行為には、その痛み同等の愛があったのだろうなあ。
ショーン・ペンの迫力
凄い演技でした。戦争は人を狂わせるのですね。一時的に驚異のボランティア力を見せるも‥。精神治療も研究段階の時代(今も?)は、こんな感じだったのかしら?この精神治療の先生も、ある意味、狂人なのかも。ショーン・ペンが凄すぎて、辞書の作成メンバー他、全員が霞んで見えた。
大辞典
メル・ギブソンとショーン・ペンの二大スターが言語博士と殺人犯に扮して英国肝いりの英語辞典の編纂にタッグを組んでいくという異色のヒューマンドラマ。これが実話というのだから、まさに事実は小説より奇なりであった。
にしても博士と元軍医の対称的な人生。しかも殺された未亡人が加害者である元軍医に心を寄せる過程は、残念ながら毎度毎度の持病による薬の副作用で寝落ちしていたためわからなかった。これは痛い。
にしても、博士と元軍医、お互いに心通じ合うものがあり、結末的には両者救われて良かった。
しかし、最近、短時間での寝落ちが多い。薬もコントロールしてるんだがなぁ。観る前は服用しないとかして。
メガシャキでも飲んて鑑賞せなあかんなぁ・・・
戦争の犠牲者
承継される知識と信念
近代という「言葉」時代を支えるもの。
賢者と狂人は表裏一体
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