「マレーとマイナーの固い絆に胸を打たれた…」博士と狂人 瑞さんの映画レビュー(感想・評価)
マレーとマイナーの固い絆に胸を打たれた…
辞書の編纂というと「舟を編む」を思い出してしまうが、もちろん両作品ともその苦労が綴られている。しかし、本作はそれ以上に学歴とか、病気とかが描かれている場面が多い。マレーは学士号を持たないゆえに、一部の学者から冷たい目で見られるし、マイナーは精神病院にいながら、その信じられないほどの言葉の知識を披露している。あの有名なOEDが何十年という歳月をかけ、ただ意味を説明するのではなく、その歴史的使用まで網羅しているのはかくも苦労があっただろうと思う。二人のがんばりがなければ、完成に漕ぎ着けなかったに違いない。しかも、二人は同じ場所で切磋琢磨した訳ではなく、お互いの場所で努力を続けたのだ。そこが尊いと私は思う。しかも、マレーはただマイナーを利用したのではなく、面会に行ったり、最後は彼を救おうとした。一緒にいなくとも、二人には固い絆があった。何てすてきな関係だろう。私は、二人が羨ましく思った。
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