「カンボジアの首都プノンペンで、両親と5人のきょうだいたちと幸せに暮...」最初に父が殺された yukarinさんの映画レビュー(感想・評価)
カンボジアの首都プノンペンで、両親と5人のきょうだいたちと幸せに暮...
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カンボジアの首都プノンペンで、両親と5人のきょうだいたちと幸せに暮らしていた少女ルオン
クメール・ルージュが首都を制圧し、政権が変わる
5歳のルオンは家族とともに住み慣れた家を出て、農村の労働収容所に辿り着く
家族はバラバラにされ、わずかに持ち出した物もほぼ奪われ、飢餓と虐殺の恐怖に耐えながらただ生き抜くのみ
そして、ベトナム軍がクメール・ルージュを倒し、解放されるまでを描く
実在のルオン・ウンの回想録を基に描かれた本作
つまり、実際に起きた出来事
ある日突然全てが変わってしまう生活
ポルポト政権下の虐殺の話は知ってはいたし、そのどれも恐ろしく目を背けたくなるようなことだけれど、この映画も想像以上だった
いや、政権が変わるだけで、こんなにも恐ろしい日々に突然追い込まれるなんて、想像できるはずもない
恵まれた生活をしていたルオンが、その日々の中で、少しずつ身につけていく強さ
身につける必要はなかったはずの強さ
解放される頃には、たくましさすらある
これを演じた少女の素晴らしい演技も大きく影響していると思う
そして、姉の死をきっかけに、子供を生かすため、手元から離す母の決断とその愛情、強さにも驚かされる
それがなければ、確かに子供たちは生き残れなかったかもしれない
解放される直前、兵士として鍛えられたルオン
自らも仕掛けた地雷、その後それがどういうものなのかを自分の目で見る羽目になる
本人がその後、地雷廃絶の運動などにも参加しているのも大きく頷く
ラスト、家族の全員は生き残れなかったけれど、生き残った家族たちと再会を果たすシーンは、見ていてホッとした
わずかな救いがそこにあったから
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