犬猿のレビュー・感想・評価
全15件を表示
兄弟は他人始まり 人類最初の殺人は兄が弟を✖ 本能だよ。
裏社会を生きる者を兄弟に持ったら、家族全体が日本社会からは排除される。それが日本人のアイデンティティだ。
裏社会のお兄さんの演技!すごく良い。リアルだ。
もう、見たくないけどね。
あるある探検隊
現代のあるあるネタをうまく落とし込んで兄弟間の微妙な亀裂の爆発を描いてる。余計な部分は思い切りよくバッサリカットしておりテンポよく物語世界に没入できる。
女性陣の役者が思いのほか頑張っている印象。ニーチェの人は渡辺直美ぐらいに女優として成功しそう。
最後ハッピーエンドとみせかけての新たな火種の展開はいいんだけど、ちょっと演出がダサすぎ。
赤い菊の花言葉は...あなたを愛します
犬猿の仲の兄弟と姉妹、4人が主役の愛憎入り交じるコメディテイストのドラマ。
タクジ... クズ兄・ほぼヤクザ・ムショ帰り
カズナリ...マジメ弟・イケメン・印刷会社勤務
ユリア...ブス姉・マジメ・印刷工場の社長
マコ...美人妹・印刷工場勤務・オバカ・売れてないけどタレント活動
ユリアは取引先のカズナリが好き。奥手過ぎて食事にさえも誘うことに出来ない姉に助け舟を出すマコ。妹ちゃん、優しいじゃんと思わせといて次の場面がマコの胸の谷間見せ。笑う。
ずっと好きだったカズナリと付き合いだしたマコに姉が嫉妬しておかしくなりだす後半から非常に面白くなる。ちょっとストーカーぽくなってカズナリの家にいくんだけど兄しかいなくて、チャーハンを作ってやる。「処女なの?メシのお礼に一回くらいヤッてやっても...」と言われて激昂したユリアがベビースターラーメンの袋を思いっきりタクジの顔面に叩きつける。一触即発か?!と思いきやベビースターがふりかけになってチャーハンがより美味しくなってる。食ってみ?とかいって事態は収拾。コントなの?この時、自慢じゃないけどデリヘル界じゃノーチェンジのタクジって言われてる」って言うんだけど、本当に自慢できないし最低の二つ名だな思った。
筧美和子が最初から最後までずっと良くて、スピードラーニング効果ないじゃんって姉にバカにされてトイレの中でヤメタ!って顔すんのも、着エロDVDの再生を止めようとリモコンを必死に奪いとる場面も良かった。
可愛いくて好きになる、4人の中で一番おいしい役どころだな、と思った。
兄弟と姉妹
他人になら言えない事が きょうだいには言えてしまう。
言えてしまうから憎しみ、喧嘩になる。
親が、兄と 弟と そして 姉と 妹とを
それぞれどう思うかを お互いが 自然と感じ合うから
言葉にならない落ち込み方をしてしまう。
その表し方が秀逸。
人間関係は、熱い血が通うからこそ愛情が湧きそして憎み合う。
妹の可愛さに嫉妬する姉と
頭が悪い事がずっとコンプレックスで、姉に対して神経逆撫でするような言動をする妹。
ろくでなしの兄を憎む弟と 狂犬のような兄。
細かいエピソードがいちいち上手い
ラス前
他人には徹底的に容赦なく暴力的な兄が
弟との取っ組み合いでは 明らかに手加減している所や
ニッチェのエノウエとのチャーハンのシーンが良かった。
こう言うのを見ると
血の繋がりというのは あるのだろうと
思う。
とにかく言えるのは
新井浩文さん まんまですよね。
笑えない
等身大と言うのだろうか。
現実味に溢れており…皆さま、役にハマっていて怖いほどだ。
お話し自体は、とめどもない。
仲の悪い兄弟、姉妹の話し。
お話しの展開は面白く、随所にハッピーエンドを匂わすパーツがあって、こちらの既視感をくすぐる。
ただまあ、そうは問屋が卸しませんとばかり、そのエピソードはことごとく進展しないのだが。
なんつうか…永遠に続く地獄のような感じにも描いてあって共感もできるからホントに笑えなかったし、嫌悪感しかなかった。
コメディなのかと期待したんだが、全然そんな雰囲気もなく…耳が痛かったり、胸が痛かったり…最悪な気分です。
ただ、まあ、1作品としたらやっぱり良く出来ていたなあとは思えてしまう。
他人の不幸は蜜の味とか、悲劇は喜劇とか思える人は楽しいのかもしれない。
面白かったです
何を描いてるかがわかりやすく一貫してる作品ってすき。
犬猿の仲というものを描こうと思ったら、確かにきょうだいを選ぶのがベストかもしれないと思わされる。
憎たらしくて貶めあっていい歳した大人が取っ組み合いの喧嘩して、それでも本当に見殺しにはできない人間。世の中には血の繋がりがなくてもそういう関係はあるかもしれないけど、きょうだいだと余計な説明が要らないし。
何より、徐々に緊張が高まってピークに達して飽和して、一気に弛緩してまた緊張がはじまるっていう構成が、犬猿の仲というものをわかりやすく表してていい。きっとこれまでもこれからも死ぬまでこれの繰り返しで、でも縁を切ることはないっていう。
あと映画の評価には全く影響しないけど、共感できたかと言うと、私は兄も妹もいるけど特にできなかった。
離れて暮らしてるしあんなに憎たらしく思うほどの執着心はない。無条件で大事ではあるけど。
兄貴に萌える
仕事の関係で、モメているきょうだいの方々(の片方)とたまに会うことがあるのですが、その時はだいたい『骨肉(の争い)』という言葉が浮かび上がります。相手を切り捨てることしか考えていないことがほとんどなので、親とは違いきょうだいはマジで冷たいなぁ、なんて感じていました。
しかし、本作は『犬猿』、シリアスな愛憎関係だけど憎しみに振り切った地獄感はなく、丁寧な語り口で安心して楽しめました。
兄・タクジが最高でした。いやー、可愛い!粗暴だけど愛情表現が不器用で萌えます。弟に車をプレゼントするところとかは、優しい男だが他者の気持ちを想像するのが苦手なんだなぁ、なんて感じます。「ノーチェンジのタクジ」という名台詞も、あまりにも酷いですが彼なりの気遣いなんですよね。またノーチェンジというのも侠気を感じます。口も固いし。
風貌は超怖いですが、タクジはデカくなったバカな中学生って感じですね。親孝行押し付けシーンとかでは、「お前優しいヤツだなぁ」と肩をポンと叩いて声掛けたかったですよ。ホント可愛い。更生への切ない思いも泣ける。
一方、弟は陰湿ですね。兄貴を利用して復讐とか薄暗い。まぁあれだけ暴れ者が兄貴だとあんな風になるのも宜なるかな、とも思いますが。
一番印象に残ったのは、兄貴が家の借金返したときの反応です。「俺の役割を取られた」的な嫉妬が見えて、弟は良い子ポジションに自分を当てはめて生きるしかなかったのか、と感じて胸がツンとしました。
そして、そのあと母親にお金を好きなことに使いなさい、と言われたときのキョトンとした表情。この自分を生きていない感、虚しくて切ないです。
エンディングに向けてひと山あり、雨降って地固まると思いきや、ラストに犬猿に戻るという一捻りがあり、飽きさせない作りだなぁと感じました。とはいえ、骨肉ではなくあくまで犬猿なので、爽やかな幕切れと言えるかな、との感想です。
オープニングもJK映画を超バカにしてる感じがして爆笑でした。あの手の悪意100%のギャグは大好物。共感、共感、共感の嵐です!
ちなみに、本作は大変面白かったですが共感はなかったです。私自身が兄弟レスであるため、同朋葛藤はあまり解らないというのが理由です。
犬猿の魅力
ヒメアノールでも知られる吉田恵輔脚本、監督作品、
犬猿は刑務所帰りのトラブルメーカーの兄を新井浩文、真面目だが腹には一物抱えてる次男に主演窪田正孝、見た目はブスだか賢い姉に江上敬子、容姿は良いが頭は良くない妹を筧美和子が演じる。
冒頭のシーンは映画の予告から切り替わった険しい表情の和成が予告シーンに目をやるが目つきは決して真面目な次男風では無い。ケータイの着信音に反応し一瞥する表情が彼の気持ちを物語っている。
実写の映画やドラマで大活躍の窪田正孝さんの
見事な演技力は一番普通の真面目な青年に見えて、実は腹の中は真っ黒である難しい役どころを目の動きや表情、仕草、後ろ姿でも表現できるところにある。
舞台挨拶で吉田恵輔監督が話されたように、
日本で一番演技の上手い2人を兄弟に選んだというもう1人が新井浩文だ。粗暴な兄だが、話が進むうちに
人間的な魅力を覗かせるところがなんともズルいのである。
事業が成功し、親の借金も全部完済し、立派なマッサージチェアーをプレゼントするが、父は和成がプレゼントしてくれた椅子に座り直すと俄然子どものように怒り出す。
親の前にあっては、幾つになっても自分を認めてもらいたいものなのである。
心配かけた親にプレゼントをしたり海外旅行の話を企てようとするなど一生懸命贖罪に励む兄と、
コツコツと親の借金を返して来た和成が、いざ借金がなくなり、母から自分のしたいことをしなさいと言われても、自分が空っぽであることに気付き途方に暮れる。
粗暴な兄を利用して自分では手を下さずに相手を痛めつけて、ケータイの写真を見て笑うシーンは姑息な和成を象徴するシーンだ。
派手な生活ぶりの兄への羨望が入り混じり、口では高級車は燃費が悪いとか、高級家具も必要無い、お腹に入れば食べるものも一緒と言っても、
目では高級車のディーラーを獲物を見るような目で追ってしまう、それが和成の本当の姿でもあるのだ。
吉田監督はこのシーンを和成の左後方から撮っている。否定する表情は少ししか見えないが伏し目がちで首はうなだれたままでいじけてるようにしか見えないところが秀逸だ。そこに兄から、お前、カッコ悪いよの一言が繋がっていくのだ。
吉田監督のこうしたカメラワークでお気に入りにシーンが、和成が兄卓司を蔑むような目で見下し、
卓司は背中からしか感情が測れないシーンだ。
このシーンの窪田くんの表情は上手過ぎるのだ。
それを引き出してるのはもちろん背を向けて映ってる新井さんである事は言うまでも無い。
お互い相手に不足は無い、役者同士の火花を散らせる事で素晴らしい緊張感とテンポを生む。
そんな凄い兄弟を脅かすほどのインパクトを与えるのが江上敬子扮する姉由利亜の存在だ。こんな隠し玉を用意するなんて驚きである。
失礼を承知で言わせて貰えば筧美和子はこれまで評価した事はないくらい感情が入ってない印象を受けたいたが、この作品での筧美和子は殻を脱ぎ捨て、
素直な芝居に好感が持てた。
窪田くんが悔しいと言う理由が江上さんのスター誕生に立ち会ったかのような素晴らしい演技にある事は観ていただけばわかる。助演女優賞は彼女に差し上げたいと思う人は多いに違いない。
女優としてのオファーで忙しくなるのは間違いないだろう。
ともあれ、卓司が襲われた現場に帰宅した和成が一度は見捨てようと立ち去る前の表情は窪田くんの真骨頂である。ケータイの白い光が和成を照らし、一層人の心の怖さを増す。
”死んでくれないかな”の一言がここに生きて来る。
由利亜はもっとストレートだ、真子に”死ね”
と言い放つのだから。
自分の存在を脅かし、自分の存在価値を否定されないよう自分を正当化しようと頑張る人間の愚かさ、もの悲しいさがこのオリジナル脚本の面白さである。
悪意を感じる小さなTシャツ事件や遊園地のシーン、笑いもたくさんある中で、最後は役を超えて
伝わるからこそ泣ける。
自分の劣等感を炙り出す忌々しい存在ながら、命の危機に迫り、初めて本当の事が語られる時、自分に置き換えて涙が溢れる。
一番近くて、最初のライバル、兄弟姉妹は、
きっと変わらないし、変われないのだろう。
しかし、家族だからこそ何があっても許しあえる。
この4人のその後の展開を見て観たいと思うのは
私だけではないかもしれない。
面白くないわけがない
もー激しく深く共感と笑いがとまらん。
そして兄の生々しさと弟の腹黒さにもなんか納得してしまう。私は姉妹の方なので
兄弟は居ないですが、やっぱり女だけとか男だけだからこうなるんだね。
仲いいんだか悪いんだか。疲れるしほんと
腹立つけど居ないとだめー!って所。
客観的に見ると面白い!自分だけじゃないんだーって思ったらちょっと気が楽になったのと
なんか救われた!
腹に一物あって当然
本気で消えて欲しいと憎く思えど、本当に消えられるのは耐え難い。
私に兄弟はいないけど、親などに対して抱く嫉妬や嫌悪の感情と愛情を刺されたような気持ちになり、笑って泣きながら辛くしんどくもあった。
小競り合いを繰り返しながら生活する兄弟と姉妹がコミカルで笑ってしまうけど、一人一人を見ていくとそれぞれ言い分や頭悩ませることがあって。
私は由利亜に自己投影と感情移入しがちだったけど、真子の気持ちも理解できる。
ただそれは所詮傍観者だからであって、いざ自分の身になってみると酷く苦しくてたまらないよな…
なんとなく予想通りとはいえ、救急車のシーンは心揺さぶられてどうしようもなかった。
泣き喚きながら吐き出す後悔と懺悔と情の言葉が沁みる。
ただ、一度すべて吐き出してリセットしたとはいえ一筋縄じゃいかないのでまたすぐ始まる小競り合いに笑って終わる。
そりゃそうだけど、これからはもしかしたら今までとは何か違ってくるかもと思える良い終わり方だった。
ゆるいけどテンポは良く飽きずにずっと観ていたいと思えた。
急に時が流れたり展開したり、敢えてスクリーンに映さないシーンがあることで、内の見えない人間の心を表現されているように思えた。
大なり小なり家族ってこういうもんだよねと再確認できる、まさに愛憎溢れる面白い人間劇だった。
犬猿
兄弟と姉妹の妬みや嫉妬の本音がモロに上手く出ていて兄弟の価値観の違い兄の地道な努力をしないイライラ加減や兄の成功を羨ましくないと言い聞かせながらも自身の努力が虚しくなる馬鹿馬鹿しいと頭の隅にありつつも変えられない自身へのイライラ感そして兄の失敗がザマーミロみたいな感情が上手い過ぎるし兄のありがた迷惑の感じも絶妙だし可哀想なのに笑ってしまう感じが絶妙でたまらない姉妹。最後は『だよね』みたいな終わり・・・最高過ぎた。
オープニングが秀逸
男二人兄弟、女二人姉妹、一番身近で切っても切れない他人。
他人に何かにつけて比べられ、自分でも比べてしまい苦しむ対象。
男二人兄弟の兄である自分は、無茶苦茶で粗暴な兄にそれでも感情移入。弟と己を比べて勝手に自虐的になったり、それでも「兄」を「演じよう」としたり。兄ちゃんってツライなあなどと。
弟や女性姉妹、一人っ子などほかのひとの感想が聞きたくなる。
不細工な姉を、容姿端麗な妹と比べて執拗なまでの意地悪カットで撮るのは面白いがやり過ぎ感もあり。男兄弟くらいのフラットな感じで扱ってくれたほうが良かったのにとも思う
脚本はよく練られてるようにも、ただの「あるある」なようにも見えて不思議なバランス。
吉田監督自身は兄弟いるのかな?
そして何と言っても、この映画の白眉はオープニング。
映画会社のマークが出てからまだ予告が続くのかよ!と。
それが何か途中で切れたぞ?事故か?と思わせてからのシームレスに映画が始まる切れ味素晴らしい。
オープニングのインパクトが強すぎて映画本編の記憶が薄れるくらい。
過去にこれ誰かやったことある手法なのかな?素晴らしいと思う。
是非映画館で見てほしい。
全15件を表示