星空のレビュー・感想・評価
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少女が大人の入り口で立ち止まる時
台湾の国民的人気絵本作家ジミー(幾米)の原作絵本を映画化した2011年の作品で、日本では2012年に映画祭で上映され好評を博したが、その後日本での版権の所在がわからなくなっていたとのこと。同じトム・リン監督の『百日告別』の公開が決まり、そういや『星空』はどうなったの?ということになって、ようやく版権所有者が探し出されたらしい。
いい映画だった。台湾の青春映画には時々こういう当たり映画がある。主人公が13歳という年齢なので、内容的には児童文学の雰囲気に近い。青春映画というよりは思春期映画とでも言うべきだろう。13歳ぐらいの子を主人公とした映画というのは案外少ない。高校生を主人公とした青春映画はやたら多いし、小学生を主人公とした児童映画とでも言うべきものもそこそこあるが、中学生を主人公とした映画というのは実はあまりないのだ。
ジミーの絵本の映画化作品は香港の恋愛映画『恋の風景』を観たが、静かで切なく暗く悲しい雰囲気がこの映画とよく似てる。ジミーの絵本は読んだことはないが、そういう作風の作品なのかもしれない。主人公の少女役のシュー・チャオと少年役のリン・フイミンもすごくいい。2人とも今ではすっかり大人になっちゃっただろうけど。そして最後に大人になった主人公役で特別出演してるグイ・ルンメイ。相変わらず美しい。彼女が出てくるだけでパッとスクリーンに惹き付けられる華がある。
【”愛はいつか消えちゃうの?”両親の不仲に心炒める少女が出会った絵が好きな少年との淡い恋と星空を見に行く旅をファンタジックに描いた作品。ラストシーンも、制作陣のセンス溢れる作品である。】
■素敵な美術品に囲まれて暮らす13歳のシンメイ。
だが、両親は離婚寸前で毎日喧嘩ばかりしている。
シンメイに優しかった森の中で一人暮らす祖父も亡くなり彼女は孤独な日々を送っていた。
ある日、不思議な雰囲気を漂わせる転校生・ユージエが転校してくる。
彼も又、大怪我をした父から、虐待を受けて傷ついた心を抱えていた・・。
◆感想
・シンメイは、自分と同じ悲しい思いを抱えているユージエは、自分と同じだと思ったのではないかな。ユージエも又・・。
・シンメイもユージエも絵が好きなんだよね。ゴッホの”星月夜”のジグゾーパズルの真ん中のピースが抜けているシーンと、ラスト、成長したシンメイ(ナント、グイ・ルンメイが演じている。嬉しい。)が巴里の町のピースが一つだけ抜けているジグゾーパズルが沢山壁に掛けられている店での再会のシーンなど、とても良い。
ー 彼女を迎えた男の人の顔は描かれないが、シンメイの驚きの表情と涙を見れば、誰であるかは容易に想像が付く。男の人の顔を敢えて映し出さないセンスの良さが光る。-
・13歳のシンメイとユージエが、亡くなってしまったおじいさんの住んでいた山小屋を苦労して訪ねるシーンも、ファンタジカルに描かれていて、とても良い。
ー シンメイはユージエに且つておじいさんと見た星空を見せたかったんだよね。
道に迷っても、荷物の中に携帯がある事を言わずに、二人で一夜を過ごすシーンも良い。
シンメイが淡い恋心を抱いたユージエと少しでも長く一緒に居たいと思う気持ち・・。-
<今作は、13歳の少年少女の淡い恋を、ジュブナイルテイストを塗して描いた良作だと思う。
成長したシンメイをグイ・ルンメイが演じた、巴里の夜のラストの再会のシーンも作り手のセンスが感じられる作品である。>
ジミーリャオの絵本の世界
ジミー・リャオさんの絵本「星空」が映画になったので観に行って来ました。
映画「ミラクル7号」で可愛い少年役を演じたシュー・チャオ が綺麗な女の子になっていたのでびっくりしました。周星馳との舞台挨拶を観た時は可愛い子供という感じでした。
映像がとても綺麗で美しくトムリン監督の繊細さが映画にも出ていると思いましたまた観たくなりました。
安心してほっこりできる映画です
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