「百合子」去年の冬、きみと別れ やきすこぶさんの映画レビュー(感想・評価)
百合子
原作未読です。
この映画、山本美月さんが演じた百合子の視線で振り返ってみると、切ないストーリーですよね。
人生に絶望し自殺を考えていた百合子が、恭介に協力するまでの過程は、それ程詳しくは描かれておりません。なので、想像する形になります。
最初は、お金が目的だったのかもしれませんし、復讐という行為に興味を持ったのかもしれません。
ただ、その後のやり取りの中で、失った恋人を想い続ける恭介自身に、興味を持っていったのではないでしょうか。
そして、その気持ちは恭介への愛へと。
結婚式の話をしている時の彼女、楽しそうで輝いています。
嘘と分かっていても、幸せを感じていたのだと思います。
目の前にいる好きな人の視線の先に自分はいない。
気持ちを押し殺しつつ演じる彼女、胸中を考えると切ないですよね。
もしかしたら、計画が失敗する事を少しは望んでいたかも。
それから、雄大のモデルになる事は、自殺願望があっても怖いと思います。
それでもやるのは、きっと恭介の事が本当に好きだからですよね。
そして、計画を成功させた二人、百合子は恭介から「生きろ」と言われます。
救いの少ないこの映画の中で、救いのある一言です。
でも、彼女の立場だと救いのある言葉なのと同時に、辛い言葉なのでは。
彼女は彼と一緒にやり直す人生に、淡い期待を抱いていたのではないかと。
しかし、彼の最後の決意が変わらない事が突きつけられた形です。
それでも、彼女は彼から貰った新しい人生を大切にするだろうと思います。愛していたからこそ。
こんばんは。
はじめまして。
コメントありがとうございます。
俯瞰した見方が苦手で主人公ばかりにとらわれてしまいました。
百合子の視点は気にして
いませんでした。
その切口から見ると
たしかに、
せつない恋ばなですね。
うん。視点って面白いです。