「出来はいいが、やはり納得がいかない」去年の冬、きみと別れ aizomeyumekoさんの映画レビュー(感想・評価)
出来はいいが、やはり納得がいかない
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色々な仕掛け(山本美月が死んでないとか)は先が読める範囲で「そうきたかぁ」と楽しめた。しかし納得が行かないのは最後の岩田剛典の末路。ハッピーエンドじゃん。復讐・報復とはいえ人を殺めたんでしょ。「幼児虐待でサイコパスになってしまった姉弟を、成人してから自分の意思で学習の成果としてなったサイコパス記者が倒す」って。悪をあばくにはそれ以上の悪にならねば、ってのは映画や文学の定番だけど、成し遂げた後には天の采配があって贖罪や救済があって然るべきなんだけどなぁ。剛典の無表情は演出なんだけど、そこに寂寥感や荒涼や無常観がみじんもないんだもの。
妻が前に原作を読んでたので感想を聞くと「上手くわかりやすく脚本化した感じかな。原作は写真家と記者の芸術論争、勿論記者の作戦的挑発ね。全部の黒幕は映画と全然違うし。岩田くんは頑張りました感が強すぎ。」とのこと。
ラストシーン、わたしなら「記者の車を追いかけてニセ婚約者が乗り込む→直進猛スピード→崖からダイブ→ニセ婚約者は荷物失って浮上/記者は水中で金沢時代の彼女の幻影を見つつ漂ってる」とするなぁ、と妻に言ったら「それなら運転はニセ婚約者で車は路側に激突→北村一輝がそれを傍らから眺めている」ね、と。
ま、とにかくまぁ無難に仕上げてまとめましたよってとこですね。決して創作物ではなくて製品でしたけど。クォリティーは高いですね。
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