友罪のレビュー・感想・評価
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残念
少年犯罪、それも神戸連続殺傷事件を背景にした映画ということで、昔から少年犯罪について興味があり、かなり調べ、深く考えてきた自分にとって期待をかなり裏切るものだった。
小説が原作であることを知っていたので、原作を読んでからにしようと思ったが、訳あって映画からみることになった。他のコメントを見る限り、原作は面白いのだろう。
内容について、まず大きく3つに別れている(人によっては違うかもしれないが)これがあまりにも分かりにくいすぎる。2hということを考えると1つの事件の被害者と加害者に絞った方がよかった。話が分散しすぎて内容が入ってこなかった。また、何を言いたいのか、伝えたいのかがこれっぽっちもわからなかった。
映画だけの評価になるが、加害者にフォーカスしすぎていて、面白くない。もっと重い話であるべきなのに、かなり薄っぺらでひどく不愉快であった。いかにも少年犯罪を犯した子供や家族に同情を促す感じで気分が悪い。(ここについては少年法なり色々な考え方がありそうだが)
はっきりしておきたいのは、一番の被害者は被害を受けた本人とその家族だ。少年犯罪をテーマに作品を作るならもっと深く考えて作るべき。
映画の内容としてはもちろん1だが、俳優の演技は悪くなかったので、星2とした。
隣に座ってる人の過去
映画館で見逃したのでDVDで。
鉄工所の見習い社員で同期として入った2人は上司に文章を書き換えられ殴って辞めた元ライターと、3人の小学生を残虐に殺して出所してきた殺人者。
その2人と、寮で暮らす底辺な人生を送る別の2人を中心とした話であれば話は単純でもっと深く描かれたような気がする。
そこに加害者とその両親の悲惨な一家離散。
母親代わりのような刑務官とその周辺での出来事。
元殺人者と心を通わせるAV出演被害者。
元ライターとその記事をパクった元恋人と編集者。
ぱっと思い出せるだけでもサイドストーリーが多すぎて、本編との関わりや主張を見出そうとしてもなかなか掴み切れなかった。
瑛太と夏帆と生田斗真の演技がとにかくすばらしくて引き込まれた。この3人を中心とした作品でもよかったのではないか。
よく分からなかった
原作未読で視聴しました。
なんだか、制作側が何を伝えたいのかよく分からない映画でした。
生田くんと瑛太は良いです。
忍成くん、またクズ役演じてる。
忍成くんの捨て台詞で、ペットボトルのくだりがありましたが、「それは映画で言っちゃいけないだろ。」と思います。そんなセリフ入れる脚本も監督も最低。とそこでダメになりました。
なんだか、いろいろ過去に闇がある人がたくさん出てきて、みんな重たいもの持ってて、ちょっとずつクローズアップした結果何が言いたいのか分からず飽和したのかな?と思いました。
指導の人と娘のくだり、彼女のくだりは省いて
主役2人と運転手さんに絞ればよかったんじゃないかなぁと。
どうしても綺麗事に。。
原作は読んでいませんが、取り扱う内容が内容だけに共感できない。同じ境遇に置かれた人間にしかわからない気持ちが多すぎて、どうしても綺麗事に思えてしまった。演技も素晴らしいのかもしれないが、やはりテーマが重すぎて全体的に物足りず、空回りしていたように思う。内容詰めすぎて人と人との繋がりが薄く見えたし、犯罪は時が過ぎようとも憎むべきものとしか個人的には思えません。これをみた後に、怒りという映画はすごかったんだなぁと思ってしまった。犯罪者の心理を描くって本当に難しいことだと思う
何とも言えない微妙さ。
予告編が失敗だったと思う。
過去の過ちを悔やむ幾つもの複合ストーリーだとは、あの予告編からは読み取れない。
私には、佐藤浩市は瑛太の父親に見えていたし、新たな殺人事件は瑛太の罪なのかを生田斗真が疑ってしまう作品なのかと捉えて、面白そうだと思って鑑賞した。
その想像を超える作品ならば文句はない。
だが、ハッキリ言って想像していたものが成せる緊張感を超えてこなかった。
富田靖子の裸は何だったのか。
あの伏線はいるのか。娘の流産は何のために?
佐藤浩市の息子のエピソードは必要か?
夏帆がレイプされるシーンは果たして作品に何の意味をもたらしたくて撮ったのだろう?
広げるだけ広げて、綺麗に収まる前に無理やり終わった感が否めない。あくまで私にはだけど。
それと、話はズレるがいい加減、忍成くんをクズ野郎でばかり起用するのはやめてあげて。
彼には確かにボーダーな雰囲気が漂ってるけど、ハッキリ言ってもう安直キャスティングだと思う。
瑛太の演技最高
瑛太の演技が最高でした。
最後の表現しにくい複雑な感情を表現していたり、「そんなんじゃ死ねないよ!」という迫真の演技にはシビれました。
ただ、ストーリー上の演出で映画でフィクションとはいえ作り物だと分かっていても、マスコミの汚い体質を思い起こされるので、その辺りは見ていて胸糞悪い感じです。
見て良かったと思える作品
瑛太さんと生田斗真さんのダブル主演ということで
小説少年Aが有名なのもあり、見てみたくて鑑賞しました。
あらゆる形で犯罪を犯してしまった人たちを描いたストーリーでした。
殺人だけでなく、自分の一言のせいで人が死んでしまったや、無免許で人を轢いてしまったや、色々な形の罪を人が持っていることが主なストーリーの流れでした。
佐藤浩市さんは主演ではありませんが、存在感の大きさがさすが大物の役者さんだなと思いました。
あと今回の映画を通して感じたのは
瑛太さんの演技力がずば抜けてました。
棒読みの話し方なのにそれを演技が下手と見せることなく
その人の感情が棒読みの中に出ていて
少しの変化の表情や表現力がグンを抜いてました。
最後友人を自殺に追いやってしまった木の下にいる生田斗真と、笑いながら心から泣いている瑛太さんが再開した瞬間
『もう誰も殺したくない。友達だから』のようなセリフで幕を閉じますが、終わり方も良かったです。
自然にラストで涙がぽろっと出てしまいました。
テーマとしては重めな作品ですが、見て良かったと思える 映画でした。
生田斗真さんの泣き顔があまりにもブサイクで少しショックを受けてしまいました。
久しぶりに震えました。
加害者自身の物語と加害者家族の物語が並行して進みます。
2つの物語の関係性はそれほど濃くなく重要ではありません。
どちらの物語も緊張感がある次どうなるのか没頭してしまいます。
主人公たる3人の男性俳優の演技が素晴らしいです。
もっと早くに見ていたら知り合いを見に行かせたかったです。
俳優の演技を見る映画
見てよかった
話としてはすごく重いし、被害者も加害者側もこれからを生きていかなきゃいけない
子供を轢き殺してしまった男の人も、償い続けるその親も、亡くなった子供忘れられない遺族も
瑛太演じる青柳も
結局何も変わらないけど、わずかに光が見えた…ってかんじの最後
主演2人の話というより群像劇ってかんじなので本筋がよくわからないという人もいるけど、私はそうは思わなかったな
でも瑛太と生田斗真どこで親友になった???とは不思議だった
瑛太や有名どころの俳優はもちろんだけど、佐藤浩市の義弟役の人と清水役の人がすごくよかった
清水は説明があったわけではないけど、
何かを抱えて生きている心の弱い人というのが伝わってきました
あと坂井真紀が!
さすがでした
存在感すごくあるし、生田斗真に対する複雑な感情が泣けた
生田斗真は何着てもイケメンだなって思った
重いものを背負ってるようには見えなかったかな
咎
瑛太氏が圧巻だった。
「殺人」という罪を背負った人、また、その家族や直接その人達に関わった人達の"その後"を描いた話だった。
凄く考えさせられる。
一時的な衝動や過ちが、どれほどの枷となるのか…消えない記憶を一生引きづっていく。
それがどおいうものなのか?
瑛太氏の存在が全てを語ってた…。
加害者がいて被害者がいる。
赦されたい。忘れ去りたい。
でも赦されない。でも忘れ去れない。
贖罪という単語など無いのかとさえ思う。
今の世の中は、その予備軍で溢れてるように思え、簡単にその暗き溝に踏み込めてしまうキッカケにもシュチュエーションにも事欠かない。だが、その代償は果てしなく大きい。
文字通り、人生を変えてしまうほどに。
暗く重たい話しではあるが、様々な層の人たちに"戒め"として観てもらいたい。
後は…字幕がなあ…意図するところは分かりもするがも少し工夫してほしい。
気が散って仕方がない。
今年度の主演男優賞を瑛太氏に捧げたい。
微妙。
このような話の映画は好きでよく
みるので、とても楽しみにしていたのですが、正直微妙でした。終わりの描写も曖昧だし、話が複雑で難しく結局どうなったのか、何を伝えたいのかわかりませんでした。そして、この映画は殴り合いのシーンが多く、血などもリアルに表現されていてR15+にするべきだと思いました。フライドポテト、ポップコーンを買って観ながら食べようと思いましたが、
この映画観ながらだと全く食欲がわかず、半分以上残して持って帰りました。
飲み物だけで十分です。
しかし、キャスティングはとても良いと思いました。瑛太さんとても演技がうまくて少年Aしっかりやっていて引き込まれました。その他の俳優さんも役とあっていて良かったです
鬼慟哭
原作小説未読。なのでラストの結末が小説とはどう違うのかは不明。唯、唯、主演生田斗真の慟哭が何度も何度も映し出されるので、そういう意味では確かに女性客の異様な多さは、このシーンを愛でるというスタンスなんであろうことは容易に想像出来る。とはいえ、確かに、男前が、あれだけの慟哭を表現するのだから絵になる。特にアイドルも歳をとれば顔だって弛んでくるから、その深い皺が良い表現手段として生かされているのである。
金属加工工場のあの過酷さは、リアリティがあったのに、何故に寮内の掃除が行き届いている様は全くリアリティが感じられない。男、しかも所謂DQNがいるような場所なんだろうから、もっと床とかにゴミとか散乱しているだろうし、その辺りのゴミ屋敷振りをもっと演出してくれると、荒みきった環境に拍車が掛かるのだと思うのだが・・・
色々難癖は付けたが、総じて流石俳優陣の質の高さは紛うことない。大変素晴らしい演技である。勿論、都合良い所とか、こんなに色々な問題がサンドイッチされているような関係性はないんだろうから、そういう意味では如何にあり得ない話をさも現実のように作り込むストーリーデザインは小説の通り、秀逸である。勿論、こんな究極の状況に置かれる人はそれ程はいない。だからこそ想像力を逞しくして生きるより仕方がないし、その正しい選択は誰にも分からない。だから本作でもその明確は答えを出しているわけではなく、しかしあまり頭でっかちにならないよう、感情と理性をなんとかバランス取りながらも生きていくことをまるで針のむしろのように続けていく示唆に、何とも言えない重しを乗せられたような胸のつぶれる気持ちを頂いた様な気がする。今までの監督作品の中でも非常に解りやすい作品であった。
唯、一点、あの動画が抜かれたトリックはきちんと観客に知らせて欲しかったなぁ・・・
ひどすぎる。
薬丸岳の小説はほぼ読んでいるのですが、その中でも個人的に、映像化できない(するべきでない)作品トップ3に入る話です。
それがまさかの映画化。発表されたときに、見ないと決めていたのに見てしまった。
結果、やっぱり・・・と思いました。
※以下ネタバレ有り
原作で、いろんな方向で次から次に出てくるそれぞれの過去の闇、それをふまえて、益田から鈴木に投げかけたあの文。それを無理矢理120分にぎゅう詰めにした結果、何が訴えたいのか全く伝わらない内容に。山内を寮長でなくタクシー運転手にした時点でダメ。個人的には、原作で益田が山内に鈴木のことを話すシーンはとても重要です。施設での母親役(白石だったかな)と鈴木が会うシーンも、映画ではあんなに薄く、意味が全くない。
とにかくなんのメッセージ性もない。印象に残った唯一のシーンはラストの益田が叫ぶところと鈴木の表情。このシーンですら、叫んだり微笑んだり泣いたりすることで受け手に何かメッセージを伝えようとしてるけど空回りしてる感が否めない。
生田斗真と瑛太の演技力は本当にいつも素晴らしいと思います。素晴らしいから、尚更残念。
☆☆☆★★★ 会話劇を中心とし、約600ページ近くにまで及ぶやや長...
☆☆☆★★★
会話劇を中心とし、約600ページ近くにまで及ぶやや長尺な原作は読了済み。
小説としては良作だとは思うのだが、これをそのまま映像化してしまうと。観客からは「何だこれ!」…と言った声がかなり多く出そうな気はしていた。
曖昧に感じる結末は、読んでいても急にぶった切られる様な終わり方だし。途中で登場しては消えて行くDV男や。最後に突如改心したかの様に描かれているダメ息子等は、小説だから…と納得出来ない事は無いのだが…。
「人と人との温もりを感じたい」
強く心に思いながらも。性格で有り、過去で有り…と。それまで歩んで来た道が影響し、なかなか上手く社会に適応する事が出来ない人達。
原作は、都会の中で孤独に生きる人々を慈しむ様に描写されている。
人生を生きる上で、本当に《友人》と言える人とは巡り会えるのか?
但し、その人がもしも【殺人者】であったならば…貴方は本当に《友人》でいられますか?…と。
【殺人者】で有った過去を持つ鈴木と【傍観者】で有った益田。
《友人》としての繋がりと。友情から生まれる信頼とは?
【家族】で有りたい!と願う白石と。【家族】で有る事を辞めた山内。
彼らの周りに居て、見守る事となる人物には。過去の出来事により失われた【家族】の絆と、その修復の困難さを。
明らかに、鈴木と益田。そして白石と山内は立場は違えども、同じ境遇の人間として対比させる存在と言える。
それらの原作に於ける人間関係は。映像化に辺り、微妙な中途半端感であったり。細かな違和感の様なモノを、読んでいて個人的に少し感じたのですが。製作側も同じ様な考えだったのか?は想像の域を出ませんが。映画は数多くの改変をしている。
大まかなストーリーラインと共に、益田と鈴木の関係性はほぼ原作通り。性格的な面や、周りの人々との人間関係等は多少変えている。
特に益田の元カノでアイドルアナで在る清美は。原作にだけ登場する下衆なジャーナリスト須藤を併せた人物への改変は「あ〜成る程!」と思わせた。
原作との1番大きな違いは、山内と白石の2人の対比。
実は山内の家族の問題は、原作には描かれてはいないが、本来ならば寮長的な位置に居る先輩工場長。
それを、息子の過去の過ちを示すかの様な職業へ。
また、白石の親子関係は原作では娘ではなく息子なのですが。更には家庭環境すら、白石の家庭環境を山内へと大胆に変更した事で、原作では余り目立たない人物だった山内の人間性の肉付けに成功しており。この2人による父親・母親とゆう異なる立場から見た【命の大切さ】を訴える。
多少、原作を読んでいるとやり過ぎにも見えなく無いのですが。原作を読んでいない人には、それほどの違和感を感じさせない改変になっていると思えた。
反面で残念だった箇所もチラホラ。
元AV女優である美代子は、原作では同じ町工場に勤める事務員で、若い2人の関係に《つなぎ》の様な役目を果たす存在。
鈴木と知り合う事に違和感は無いが、映画では知り合ってから恋愛関係に至るまでが、人によってはやや強引に映るかも知れない。
何よりも、元AV女優としての過去により。色々な苦悩を重ねて来た、これまでの人生と共に。今後も続けさまに襲って来るであろう未来に対し。最後には、逃げない気持ちを徐々に持つ。強い意志を感じさせる女性へと、変貌を遂げるのだが。映画では、単に逃げ回る女性になってしまったのは至極残念。
そして個人的に1番残念だったのが。最後に鈴木と益田が、お互いの立場と苦悩を慰める場面。
原作ではこの時に2人は引き戸1枚を隔て、その存在を確認し合う。
お互いに息を殺しながらも、互いの境遇を慈しみ合い。でも裏切りに怒り。憤り。しかし心の奥底からは《真の友情》の芽生えを感じながら…。
嗚呼!それなのに…。
映画ではこの時に、お互いがお互いの心情を思いやりハグをする。
まるで「どうぞここで泣いて下さい」…と言っている様に(他意はない)
その安易に泣かせに来る演出は残念に思う。
この時に、お互いに気持ちをぶつけ合う事が無かったからこそ。最後の手紙に大きな意味が有ったと思えただけに…。
とは言え。【命とは?】【家族とは?】【友情とは?】…と。
多くの面で考えさせられ。ラストシーンは、小説では味わえない温かみと、切なさに包んでくれる良作であると思います。
2018年5月25日 TOHOシネマズ日比谷/スクリーン9
友罪
同年代の益田と鈴木。
工場の試用期間を共に過ごす。
打ち解けようとせず1人殻にこもる鈴木の異様な姿に同僚達は気持ち悪がる。
嫌われ者の、レッテルを貼られた鈴木だが、酔っ払って倒れている先輩を部屋まで運んだり、DV被害の女性を助けたりと実はいい奴だった。
児童殺害事件が起こる。17年前の事件、少年Aの再犯かと思われたが…少年Aの行方が分からない。
更生施設で少年A(青柳)を担当していた白石は不安に駆られる。そんな時、青柳から連絡があり面会するが、楽しげに友達が出来たと語る青柳に、半信半疑の白石だった。
後輩記者に頼まれて益田は少年Aを調べ始めた。
少年Aの同級生から得た情報で鈴木が少年Aだと知る。
夜の公園で酒を飲みながら過去の罪について語る鈴木に益田は心を開けず、自らの罪を語らなかった。
週刊誌に少年Aの現在の写真が掲載された。それは紛れも無く益田が撮った写真。
友人に裏切られた鈴木…鈴木はまた孤独に…姿を消す
益田にとっての贖罪は中学の友人を虐めから救えず、むしろ自殺に追い込んだ過去だった。友人に対する罪…益田は鈴木にまた同じ過ちを犯すのか。
児童殺害事件の犯人が捕まった。
鈴木とは無関係だった。
鈴木は過去の犯行現場で何を思うのか?
感情の欠落…鈴木は悲しみの感情が上手く表現出来ない。
益田は友人が自殺した場所で絶叫し赦しを乞う。
そこから益田と鈴木の本当の友情に繋がって欲しい。
瑛太は無感情な演技が上手い。
犯罪者である鈴木だが、精神的に幼く白石に甘える姿が少年犯罪者に共通する部分かなと思う。
そんな細かい表情が怪演に繋がる。
作品の中に無免許で児童3人を轢き殺した息子を持つタクシー運転手の家族の贖罪や未成年の妊娠中絶など詰め込み過ぎ。
過失の罪ではあるが人の命を奪う行為は同じ。
答えの出ない重く深いテーマです。
もしも、知り合いが罪を犯していたら…。
原作未読。ファーストデイだったので、鑑賞しました。
「もしも、友人が殺人者だったら?」というテーマで、元ジャーナリストの主人公やAV女優、取り返しの付かない事を犯した元恋人、ある事情を抱えた医療少年院勤務の女性、一家離散した過去を持つタクシー運転手の過去が明かされると共に、少年Aの事件が再び動き出す…。という人間ドラマです。
主演の生田斗真さん&瑛太さんをはじめ、夏帆さんや山本美月さん、佐藤浩市さんなど豪華キャストが集結したので、終始、緊迫感溢れる演技合戦を楽しめましたが、怒鳴り散らしたり、物を壊したり、レ◯プシーンがあったりと過激な所が多くありました。
ラストも、腑に落ちない終わり方でした。
昨日鑑賞した、「恋は雨上がりのように」の方がストーリーも終わり方も良かったです。
1100円で、観に行って正解でした。
寄り添う先は
事の大小は様々とはいえ、一筋縄ではいかない重いものを背負った人間が何人も出てきて、絡み合うようで絡まず、すれ違うように過ぎていく構成が印象的。
それでも少しずつ進んで生きていく姿を見守るような目線の映画なんだろうなと思った。
安易に全て繋げないことが本作のポイントなんだろうとは思うけど、特別な展開や真実も何も無く拍子抜けしてしまったのは仕方ないかな。
それぞれを描くにしても描写がゆるっとしていて中途半端感は拭えない。
ただ、映画として物語として面白いどうこうは抜きにして色々考える楽しみのある作品だった。
一番感情を持っていかれたのが、轢き逃げで子供を殺した息子を持つタクシー運転手の父親。
罪を犯した息子が幸せになることがどうしても許せずにもがく姿にもどかしい思いになる。
彼が息子との電話越しに「そうか」と返事をしたその声色と表情が一つ壁を越えたような気がして少し涙がこぼれた。
勧善懲悪とはいかない世の中、犯罪者の更生とは何なのかだいぶ考えさせられる。
鈴木(青柳)を擁護する気は全くないけど、外から見ればただの猟奇殺人犯にも人格があるわけで。
中に踏み入れればもしかすると益田のように友達として心を寄せるようになるのかもしれない。
鈴木の「生きてる価値なんて無いと思うのに、心の底で生きたいと強く思っている」という台詞にはグッときた。
片や何の前触れもなく殺される者もいれば、いじめを苦に自殺する者もいるわけで、その対比が強烈。
それにしても、益田が最後まで鈴木に対して友達であるというスタンスを崩さなかったのは面白かった。
罪の意識を持つもの同士、ということなのかな。
最後の益田の叫びに急激に冷めるけど、直後の鈴木の表情で盛り返してくれたので良かった。
更生施設職員の白石先生と鈴木との関係について考えてみた。
過去の振り返りや詳しい説明が無いので私の個人的な見解になるけど、
鈴木は白石先生に特別な感情を抱いていたんだろうなと思う。
母を亡くしてから性的成長が歪んでいたらしいので、マザコンじゃないけどその延長のような形で。
虫からだんだんエスカレートしていった「殺し」というのもある種の欲望の表れで、抑え難いその欲と感情の矛先が施設では白石に向けられていたのではないかと。
鈴木はおそらく創作の絵よりも見たものをそのまま描くスケッチが得意だと思うので、もしかしたら白石を裸にして描いていたのかもしれない。
遊園地で会った時も鈴木からの接触だったようだし、白石は鈴木(青柳)に対する大きな恐れの意識と信じたい思いで葛藤していそう。
そんな中でも実の娘の妊娠・流産があって、この映画の中でも一番振り回されている印象のキャラだった。
一人一人にスポットを当てていくとじわじわ面白くなってくる。
全体的にどんよりした空気が漂っているのが好きで退屈することは無かったけど、色々詰め込んだ結果の描写不足が残念。
益田と鈴木が急に打ち解けていたり、見たいところ見せてくれないのがもどかしかった。
元殺人犯の友達、という点で今年2月後悔の「羊の木」と少しリンクするものがあった。
私は結構好き。
罪を償うとは。
本作を鑑賞して感じたこと。それは、
“罪を償うとはいったいなんなのだろうか…?”
過去に罪を犯した人間とその家族は一生幸せになってはいけない。
悔やんで苦しんで、赦されないことがわかっていても謝り謝り、謝り続ける。それしかできない。
そう考える山内(佐藤浩市)。
自分にはまだ人生があるのだから、
罪を償いながらも自分は幸せに生きる権利はあるのだと考える山内の息子(無免許運転加害者)
“裏切り”によって自分が友人を殺してしまったと後悔し、またそれを隠して友人の母に会いその度感謝される益田(生田斗真)。
真実をいうことがいつも正しいとは限らない。
真実をいってしまえばそこにある幸せも一瞬で崩れ落ちるのだ。
罪の償い方がわからない。その方法を探しながら爆発しそうな苦しい気持ちを押し殺して生きる鈴木(瑛太)。
罪や、過去の後悔は一生消すことは出来ないのかもしれません。
罪を償うことなんて出来ないのかもしれません。
加害者、その家族。
被害者、その家族。
そしてその周りの人。
どう生きるべきなのか。
考えても答えのでない問だと思いますが、
それを考えさせられる映画でした。
瑛太さんの演技力はスゴイです。
いろいろな人のシーンがありますが、どのストーリーも重くて最良の答えはきっと見つからないのでしょう。
非常に重くて暗い内容となっており、最後まで考えさせられる作品です。
瑛太さんの振り切ったり、時には感情が無いかのような棒読みになったりと幅広い演技力に引き込まれていきました。
心を揺さぶられました
原作は見ていませんが、キャストで良さそうかと思って見に行きました。
さすが演技派俳優達ばかり、この難しい役を見事に演じ切って、抑えた演技の中にも凄まじい迫力を感じました。
ジャーナリストの夢を諦めた益田と、他人を避ける鈴木は、町工場の試用期間として雇われる。最初はほとんど口もきかないが、だんだん打ち解けていく。
そんな折鈴木は、ふとしたことから、鈴木がある連続児童殺害事件を起こした犯人だと知る。
瑛太の演じる鈴木は、無口で人と触れ合うのを恐れて、危うさだけでなく不気味さも感じるが、どことなく寂しさも感じた。急にキレて物を壊したりはするものの、人にどれだけ殴られても殴り返さない。それどころか殴られても笑ってるところとか、自虐行為にまで走る。かとおもえば、酔っ払った先輩を介抱したり、怪我した益田を冷静に助けようとしたりという優しさも垣間見れる。
どことなくほっとけない感じではある。鈴木も本当は誰かに助けてもらいたかったんだと思う。きっとそれが間違った方向にいってしまったのだろう。
一方、益田の囚われている過去は、最後の方までわからないが、何となく予想はついた。鈴木と出会って、無口な無愛想なところしか見たことがなかった鈴木が、笑っているのを見て、嬉しくなって動画を撮る。その動画を後で見返しているときに見せる、なんとも言えない表情にズキンとした。
鈴木が出会う夏帆が演じる女の子も、過去に傷を負いながらも懸命に生きている。鈴木と出会って救われるものの、過去を知って怖くなるのもわかる。その体当たりの演技もすごかった。
また、佐藤浩市の役も、息子が事故を起こして、3人の子供を死なせてしまう、その償いを親として行い続けている。それなのに、その息子が結婚するといい子供もでき、家庭を作ろうとする、なんとも言えない気持ちを見事に演じていた。
人は何の罪も犯していない人なんていないと思う。知らないところで誰かを傷つけていることもあるだろうし、過去の罪に囚われて前に進めない人たちもいる。
心に闇を抱えた人たち、同じように罪を持っている人ならこの気持ちをわかってもらえるかもしれない、そう思うのもわからなくもない。
そして、親しくなった友達が、恐ろしい罪を犯していたら…? 元ジャーナリストとしての血が騒いだのか、それとも本当に友達を理解したいと思って調べようとしたのか、そのあたりはよくわからない。
結局、なぜ鈴木が殺人を犯してしまうことになったのか、それはよくわからなかった。自虐行為が他人へと向かったのだろうか、殺すことで何かが変わるのだろうか? 多分その答えはわからないと思う。
罪を犯した人は幸せになってはいけないのか?
私は、罪は一生償えないと思う。いくら刑務所で罪を償ったとしても、それは法的なものであって、過去は消えるわけでもやり直せるわけでもない。その罪を認めて、背負って生きなければいけないと思う。
久しぶりにいろんなことを考えさせてくれた映画でした。原作は即買いに行きました。これから読みます。
全57件中、21~40件目を表示