友罪のレビュー・感想・評価
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重い問題提起…
全編通してとにかく暗くて重いです。瑛太さん演じる鈴木(青柳)と、生田斗真さん演じる益田の二人を中心に物語は進みますが、ここにさまざまな人が絡できます。そしてその誰もが、つらく苦しい人生を歩んでいます。
殺人、自殺、死亡事故など、命が失われたことにより、あるいは家族や自分を大切にできなかったことにより、登場人物はみんな重い十字架を背負い、過去に苦しめられています。それは、加害者、被害者、その家族にとどまらず、親類縁者や友人にまで及びます。しかも、そこに終わりはなく、区切りをつけることも許されず、出口のない闇が続くだけです。そんな中、「罪を犯した者は幸せになってはいけないのか」という問いかけや「生きる価値がないと思いつつ、それでも生きたい」という訴えが、心に突き刺さります。
さまざまな人の苦悩の日々が描かれますが、それぞれが接点を持ちつつも最後まで深く絡むことはなく、どんでん返し的要素もなければ、納得するオチもありません。そのため、誰にも感情移入することなく、感動もないです。おかげで下手なきれいごとに丸め込まれることはなく、「もし自分なら…」と考えさせられます。結果として、問題提起だけされた形で、この作品を見た者がそれぞれの人生で、その問いに答えていくしかないように思いました。
ただ、まったく未来も希望も見出せない中で、益田と鈴木がわずかに心が通えそうだったのが、せめてもの救いでした。暗闇にわずかな光を見つけたような青柳を、瑛太さんが渾身の演技で魅せています。
罪と罰
生きたい
人間関係を問う群像劇が、個人と大衆心理のあり方を問う
"神戸連続児童殺傷事件の少年A(酒鬼薔薇聖斗)"をモチーフにしたのではないかといわれる同名小説を実写化。
原作者の薬丸岳はミステリー作家であるが、本作は真相解明がテーマではない。もし仲良くなった友人が、数十年前の少年殺人事件の犯人だったとしたら…という人間関係に斬り込んでいく。
瀬々敬久監督は、前作の「8年越しの花嫁 奇跡の実話」(2017)では超感動作で大ヒットを記録したが、今回は一転して事件映画「64 ロクヨン」(2016)路線のような緊迫感を持っていて、最後まで目が離せない。
なんといっても、生田斗真と瑛太が、迫真の演技合戦を繰り広げるところが見どころ!!
それだけではない。本作は、単なる少年Aの"その後"ではなく、共演する佐藤浩市、山本美月、夏帆、富田靖子がそれぞれ演じる登場人物たちが抱える、家族・友人・同僚との過去エピソードが4つも同時進行する群像劇になっている。
ハッピーエンドを求める映画ではない。過去の罪ではなく、現在の人間性に価値を見出せるかという問いかけ。マスコミや口コミ、SNSをはじめとした発信者の愚かさと、それを鵜吞みにする大衆心理の愚かさも指摘している。
ちなみに瀬々監督は、昨年「最低。」(2017)でもAV女優を主役にしたヒューマンドラマを演出していたが、もともとピンク映画出身ということもあり、今回も夏帆が体当たりのシーンに挑戦している。
(2018/5/26/TOHOシネマズ日本橋/シネスコ)
想像より重くない
犯罪者は幸せになってはいけないのか?
非常に重いテーマであるが、その割にすんなりと観れた。
瑛太と生田斗真のかけあいが中心で進み、それと並行して佐藤浩市の物語が紡がれる。どちらも役者陣が自然で、嫌味のない演技だったので、これがストーリーに引き入れられるポイントだったように感じる。
登場人物たちの抱える過去が次第に明らかになってゆき、抱えられない大きな出来事を「抱えるしかない」苦しさが描かれる。誰かに頼りたいが、自分で向き合うしかない。しかし自分だけで抱えられない恐怖や苦渋に向き合うのに、分かち合える人が欲しいと思う、自然な人間の弱さ、強さを浮き出して、まとめている。
ありがちな、単に陰鬱として終わるのではない映画に仕上がっているのは、生田斗真のどこか暗くなりきれないキャラクターのおかげかも知れない。
暗すぎて、滅入る
重すぎ
黒歴史
この映画は各々が抱える過去の黒歴史の苦悩を描いた作品です。
予告編を見ているので最初はタクシー運転手の息子が少年Aだとずっと思っていたら途中でそうではないことに気づいて「あれっ?」って感じでした。
そういう意味では登場人物の相関関係がちょっと分かりにくかったです。
町工場側のストーリーとタクシー運転手側のストーリーは基本的に独立しており、唯一繋がっているのはタクシー運転手が益田純一(生田斗真)を病院に運ぶシーンのみとなっており、登場人物はたくさんいるんだけど全体の相関関係が薄くて内容に厚みがあまり感じられませんでした。
カメラワークも一部ブレが激しいところがあり、ちょっとイマイチかなと感じるところがありました。
この映画は1人で見るほうがいいかな。少なくともカップルで観るのはあまりお勧めしません。
あと、主演の生田斗真が若い頃の板尾創路に見えて仕方がありませんでした。
逃げたくなる
うーーん・・・
罰
更生の道、及び犯罪加害者の在り方
一度罪を犯せば、二度と表舞台に出るな、はたまた罪の重さを問わず死刑にしろ、という声が渦巻く一発レッドカードの世の中に問いかける重いテーマの映画。
犯罪加害者、交通事故の加害者家族、集団いじめ自殺に加担した罪悪感、そして今まさにタイムリーなAV出演強要問題…。それぞれが心の闇を払拭しようと前向きに生きようとするのですが、展開が早すぎて、かつテーマが多すぎて各々の登場人物に感情移入出来ませんでした。原作を読んでいたら違った感想になっていたのでしょうが。
心に闇を抱えた人物を演じるのは簡単ではないと思います。特に、神戸児童殺傷事件の犯人をモデルにしたと思われる鈴木の役に関しては、誰も成否を問えないでしょう。
人の気持ちを理解する、相手の立場になって考える、一生をかけても辿り着けないこの二つの課題を改めて考えました。
更生の道は長く険しく、加害者及び加害者家族の在り方、生き方に正解はありません。
だけれども、誰もが幸せになって欲しい、やり直しの出来る世の中であって欲しい、そう願わずにはいられません。
すみません
難しい感情表現が要求されるであろう今作、役者さん達の演技が凄かったと思います。
また、色んな物を抱えた登場人物を、交差させながら進んで行く見せ方も良かったと思います。
なので、良い映画だと思います。
しかし、良い映画のはずなんですが、何故か心に響きませんでした。
まず今作、難しいテーマで考えさせられる映画です。
ですが、“当事者になってみないとわからない”っていう考えが、真っ先に浮かんでしまって・・・。
感情をコントロールする事が出来ないだろうな、と思ってしまうと、この映画に対する思考が停止してしまいました。
結果、考えさせられる映画なのに、何も考えられないで観ていました。
また、役者さん達の演技が良過ぎたのか、どの登場人物にも感情移入できませんでした。
結局、感じる事も考える事も出来ず。
スクリーンから置いてきぼりを食らったまま、映画が終わってしまった感じです。
多分、映画の鑑賞スキルが高い人が観たら、良い映画と感じると思います。
過去最高の映画
公開初日に観てきました。
とにかくすごい映画でした。
129分間、笑顔になるシーンは1秒もなく
重く息苦しい。
その息苦しさがすごい好きです。
友達になった人が殺人を過去に犯していたら?
この題材で息苦しくならないわけはないし、実際に自分の友達がそうかもしれない。
この友罪ですごくいいのは、少年Aの気持ちが出てこないので「本当に更生しているのか?」がわからない。
瑛太さんの演じる鈴木は泣いているようにみえるし、笑ってるようにみえるし
本当にわからない。
観る人によって感じ方が違うと思う。
殴られながら声出して笑ってるのが
不気味でした。
生田斗真さん演じる益田も「罪」を抱えて生きていて見ていて辛かった。
最後の叫ぶシーンは息苦しくて…。 鈴木を好きになる夏帆さん演じる藤沢も
辛かった…。男に
アダルトビデオに出演させられた過去をバラされて追い込まれて病んでしまう…。 贖罪とはなにか。
更生とはなにか。
どうしたら救われる?
観て精神的にダメージを負いますが
こんなにすごくて
こんなに辛くて
こんな好きな作品はほかにないです。
映画館で観なきゃ後悔します。
あなたは友の罪を知ったらどうしますか?
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