「肉体を封印し、抑えた演技で人生と戦うシュワちゃんの新機軸」アフターマス ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
肉体を封印し、抑えた演技で人生と戦うシュワちゃんの新機軸
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高額の制作費を注ぎ込んだハリウッド活劇に出演する機会もなくなったシュワルツェネッガーが、このような人間ドラマに軸足を移して居場所を求める姿は非常に興味深いものがあるし、真の意味での彼の“人生の闘い”を感じずにいられない。
とはいえ、題材としてはかなり衝撃的だ。冒頭で妻と娘の到着を待ちわびて鼻歌歌いながらシャワーを浴びる彼が、急転直下、地獄の底まで叩き落とされてしまう悲劇はやりきれないものがある。劇中、航空会社の弁護士に「誰も謝罪しようとする者がいない」と正論を叩きつける場面はシュワちゃんの静かな”凄み”を感じる名シーンと言えるだろう。
その後の顛末は観客の反応を二分させるものがあるだろうが「based on true story」とある以上、描写することが避けられないシーン。彼らにはまた別の出会いや決着もありえたのだろうか。様々なボタンの掛け違いが鑑賞後の重い余韻となって留まり続ける。
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