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直接作品とは関係無いのだが、ユーロスペースにはチケットぴあで、ミニシアター回数券が販売されている。これをいつも忘れてしまい、割高な料金を支払う羽目になるのだが、この回数券、チケットセンター等で買うと、1,500円/枚になってしまう。定価が1,330円/枚(※3枚一組にて販売)、ボラれてしまうので要注意だ。自分もヤラレタ口なので啓蒙しておく。
さて、本作の話だが、喩えて言うと、『自分の母親が万引きで捕まってるシーンを観てしまい甚だ身の縮む恥辱感に苛まれる』といっても過言ではない、そんな内容である。なので実はラストまで全部鑑賞できない。エクスキューズになるのだが、鑑賞日が初日であった為、上映前にて、キャストスタッフ舞台挨拶が催されこれが又酷いプログラムであったため、上映が押してしまったのだ。もう終電には間に合わないのでヘビメタ軍団との対決前に劇場を出たのだが、丁度、下階ロフト9でやっていた『パーフェクト・レボリューション』試写会のほうがよっぽど魅力的であった。ナマのリリーフランキー観たかったしね。ギャーギャー煩いだけの鳥居みゆきやら、二股塩谷瞬やら、仮面女子やら、菊池桃子いとこの元ゴーバンズ森若やら、輪をかけて監督の関西ノリのハシャギ様に、今作品のハードルがガンガン下がっていく、要は観客との温度差が開いていくのを感じざるを得ない幕開けであった。
果たして驚かせてくれるほど失望を転換させてくれるかと思いきや、やはり内容はていたらく・・・ ストーリーも編集も、ディレクションも、PC用ソフトで作った簡易エフェクトも、どれも低次元。ぶっ飛んでいるパンク演出というもの自体は決して否定はしないし、荒唐無稽な話は寧ろ大歓迎なのだが、それはあくまでもキチンと緻密さがベースにあり、ストーリー展開が帰結していなくてならないのに、今作品の行き当たりばったり的な展開に、漫画というところの『作画崩壊』という現象がニュアンスとしてピッタリ当てはまる。
強いてあげれば、何とか何人かの脇役陣の演技が今作品を支えていた位である。
今作品のテーマである、『力一杯生きろ』というのは、監督が別仕事で知り合った女子小学生の父親が自殺してしまい、その女子の為に捧げるようなことを言っていたのだが、果たして今作品がそれだけのシリアスな出来事を救うことが出来るレベルなのか、実に疑問である粗悪さであった。