「なのはファン待望の傑作」魔法少女リリカルなのは Detonation タカトーさんの映画レビュー(感想・評価)
なのはファン待望の傑作
一応、既存なのは作品はほとんど全て見たつもりで劇場に足を運びました。
さて、今回のdatonationは非常に素晴らしいモノであったと感じます。最初はa'sポータブル、godの焼き直しかもしれないと心配もしましたが、見事に予想を裏切られました。特にマテリアルズの正体についてが一番印象深かったです。その伏線に関しても、シュテルの髪とリボンおよびバリアジャケットのデザインの変更とレヴィの「ご飯をもらった」の一言がとりわけ巧妙であったと思います。レヴィに言わせるのはズルい。
ラスボスの存在はイリスの行動のおかしな点からその存在は匂わせていたので文句はない。(山ちゃんが出てきたからとか言ってはいけない。)このラスボスにも一考の余地がパンフレットの情報や行動の端々から十分にあるように感じます。ポッと出感は否めないですが、薄いキャラというわけでもなかったと思います。
今回は他の方々も仰っていますが、「なのは」の物語でもあったと思います。1stではフェイト、2ndでははやてときて、当然の流れと思います。今作はアニメシリーズのパラレルワールド的要素(あり様としてはマクロスシリーズに近い)があるのでstrikersまでのなのは撃墜に関しては触れるべきではないでしょう。兎にも角にも、なのはの無印テレビシリーズからの「いい子でなければならない」、「誰かを助ける自分でなければ嫌だ。」にやっと解決編がきました。嬉しいことです。もちろんキリエの成長の過程、アミタの強さ、舞台挨拶でもあった「これ以上、あたしをどうしようもないやつにしないで‼︎」という台詞などに現れるイリスの心の移り変わり、フェイト、はやての成長、さらに言えば前編から続くリンディたちとマクスウェルとの間にある"親からの子への愛"の対比も非常に良かったです。
良い評価を下す理由として最後にあげたいのはやはり非常に泣けるということです。私の個人的な好みとしては「GET BACK」の流れたマテリアルズがユーリとの過去を思い出すシーンとディアーチェの最後の一撃のときのあの台詞そして「暁の祈り」が良かったと思います。背景に流れる歌詞はまさにキャクラクターの心に沿ったものであったのではないでしょうか。感服しました。
話は変わりますが、ここまで褒めといて星5にしない理由が二点。ひとつは結界がどこまで通用するものなのかがよく分からなかった点(主に衛生砲、なのはの最後の砲撃等)です。戦闘シーンは悪くはないが爆発が強すぎた(datonationだけど)。もうひとつはマクスウェルの武装をもっと増やしていいのではないかと思うという点です。たしかにアミタ、キリエと互換性を持たせる必要があったとは思いますが、あと一つくらいは増やしても良かったのではないかと(個人的にはGNフィンファングぐらいのを)。この二点ですかね。合計-0.3点くらい。
最後になりますが今作はなのはシリーズとしても、一本の前後編の映画としても傑作であったと思います。突っ込みどころもありますが、やっぱりリリカルなのはは最高です。よく考えると伏線(回想でのユーリの目線の高さとか)だらけであるので何回も見直すべきだなと思います。目標回数は何回でしたっけ?
あと最後に余談ですが、闇の書の記録は過去の映像(イリスの宣伝等)であっても記録したタイミングを問わず、実際にその出来事が起きた順に並べられているのかなと思いました。ユーリが後で閲覧したのでしょう。加えて、なのはたちを小学校から卒業させていたので、もしかしたらなのはが教導の道を志すかもしれないターニングポイントになり得る中学生編が今後あるかもとも思いました。2ndの最後がテレビシリーズでのa'sのものと違うように。
長々として申し訳ありませんでした。拙い文章ですが読んでくださりありがとうございました。