「高町なのはの物語」魔法少女リリカルなのは Detonation 鎚淳さんの映画レビュー(感想・評価)
高町なのはの物語
前作と今作をまとめてのレビューとなります。
今回の映画でやっとなのはが戦う理由が分かりました。
これまでのシリーズでも断片的に語られていましたが、ここまではっきりと語られるのは初めてではないでしょうか。
劇場版1st~Detonationの集大成としても、なのは放送15周年としてもふさわしいラストではないでしょうか。
また様々な人々の思いがぶつかる今作を劇場版2作という尺でよく描き切ったなと思います。
しかしその反面、GoDからの登場キャラの性格が変更になっていたり、ラスボスも唐突に出てきたりとストーリー面で、ん?となる部分がありストーリー面で100点とは言えません。
また7割以上が戦闘シーンで大技の連発で作画はよかったですが、スターライトブレイカーなどのインパクトのある技が埋もれていしまっていました。
またBGMも戦闘シーンが多いせいか、効果音にかき消され印象に残るものがほぼありませんでした。1stならSLBを打つ時の”星の輝き”、2ndならフェイトが闇の書の見せる夢からの脱出の時に流れた”Dear My Sister Dear My Memory”といった各作品の名シーンを引き立たせる名曲が印象に残ります。
そして最後に疑問に思ったのがなのはの後遺症についてでしょうか。
StrikerSでなのはが成長し管理局で教導管となったのは、今回の劇場版の物語が展開される時期あたりに発生した撃墜事件が理由だったと記憶しています。撃墜事件で多大な後遺症で歩くことすらままならないという苦い経験を経て、他の人には同じ経験を味合わせたくないという思いを抱き、教導官となったのではないでしょうか。ラストでは今回の事件で負った怪我のリハビリのシーンがあっさりしていたので、教導官になるきっかけが弱くなってしまったかなと危惧しています。今回の物語だけでは、救助隊に入る道もまだ残っているので…。
いろいろと細々書いてきましたが、やはりなのはは面白い、と再確認させてくれる作品であることは間違いありません。面白いからこそ細かいことが気になってしまうのは仕方ないかなと思います。
でもやっぱり5年は待たせすぎだよ都築さん…。