「後継者として、あの行動は納得がいかないね。」ジグソウ ソウ・レガシー 玄間さんの映画レビュー(感想・評価)
後継者として、あの行動は納得がいかないね。
いやーこのグロさはやっぱり「良き」としか言いようがない。ちゃんとしていないグロは嫌いだけど。このシリーズはきちんと面白さを伴ったグロさであることは確か。演出過剰気味になっている点は、一作目至上主義の方々には相容れない存在かもしれないが、どことなく艶めかしいトラップとグロが勢ぞろい。だから大好き。
まあシリーズが進むにつれて、そのグロである「説得力」は薄くなっちゃったかな。ただ、サイクル・トラップは秀逸すぎて息を呑んだ。いや凄いわ。
事前知識ゼロで見たときに、真相にたどり着いた自分を襲ったのは、一作目と同じ「シビレ」だったよ。決して安っぽくはなっていない。お高級になりすぎてもいない。だからこの安定感が好き。
でもねぇ。6でも7でもすごい疑問に思っていたのはねぇ。後継者を名乗るんだったらさぁ、あの展開はダメでしょうよ。多分見てくれた方は分かると思うけどね、あれに違和感を感じる人って結構いると思うのよ。
ジグソウがカリスマ性を持っていた原因ってさ、あくまでも一貫した目的があって、そのためにきちんと己の定めたルールを守ってきたことにもあるじゃん?それを後継者にも求めたけど、結局誰も守らなかった。んで今作もさ、これ守んなかったじゃん。つくづくジグソウは、人選のセンスがないと思うよ。そこは玉に瑕だと思うね。
ただこれに関連して、ジグソウらしいゲームを復活させた点は称賛したい。俺たちが求めているのは、助かる道のない、デスゲームを騙った単なる拷問じゃないのよ。すなわち、生きるか死ぬかのギリギリの状況で、必死で生き残ろうとするその心理描写が面白いのよ。変態ととられても仕方ないけど、この映画を好んでみるような変態の諸君には、そういったバイブルの復活としてもっと称賛されていもいいと思う。
シリーズを復活させたこの展開をさ、名作を上手に引き伸ばした良作ととらえるか、死者蘇生で無理くり復活させた腐ったゾンビととらえるかは人によると思う。勿論俺は前者だ。
これが俺の感想。みんなはどう思う?ぜひ見てほしい。よろしくね。