劇場公開日 2018年2月23日

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「異人種間にある「偏見」という病」ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ とえさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0異人種間にある「偏見」という病

2018年3月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑ったり泣いたり、泣きながら笑ったりの繰り返しで大変だった〜
これは大好きだー

パキスタンからやってきた移民のクメイルと、白人の女の子エミリーが恋に落ち、付き合い始めるけれど、クメイルがエミリーに内緒で親から勧められたお見合いをしていたことが発覚
エミリーはそのことに激怒し、二人は別れてしまう
そして、その直後、エミリーが原因不明の病気になり、昏睡状態になってしまう

これは、主人公を演じたクメイルの実話を映画化した作品で、
アメリカにおける異人種間の恋愛を描いている

パキスタン出身の青年クメイルは、その見た目から「テロリスト」と言われて差別されることもある

しかし、クメイルの家族もまた、アメリカで暮らしているのにもかかわらず
「パキスタン人はパキスタン人と結婚するべき、白人と結婚なんてありえない」
という「偏見」をクメイルに押し付けている

クメイルは、エミリーが病気になり、彼女の両親と長い時間を共に過ごすことで、クメイルが当たり前だと思っていたパキスタン式のローカルルールが、彼女を傷つけていたことに気づく

これは、原因不明の病気でエミリーが昏睡状態になり、そこからクメイルが気づきを得る話であるけれど

異人種間にある「偏見」という「病」にクメイル本人が気づき、克服し、周りの人たちを変えていく話だった

アジア系の家庭には、このクメイルのように「家のしきたり」を守りたがるゆえに「親が反対するから」という理由で、うまくいかないカップルがとても多いように感じる

しかし、それは白人の人たち(エミリーのお母さんのような)からしたら「とてもバカげたこと」なのだけど
クメイル本人が、それが「バカげたこと」だと気づかないように、多くのカップルが不幸になってしまう

だから「差別しないでください」と言う前に「自分は相手に対して、差別や偏見は一切ないのか」と考えてみるといい

みんながその「病」を克服したら、世界はもっと平和で幸せになるということを、クメイルとエミリーは証明してくれたのだ

いやしかし、
私はクメイルがそのことに気づいて過ちを正しただけでも立派だと思う

アジア系の家庭の中では「家族が正しい」と思い込み、勘当されることを恐れ、親が決めたローカルルールの中で生きている人も多い

クメイルは、そのローカルルールから抜け出して「真の自立」をしたからこそ、本当に結婚したい相手に出会えたのだと思う

異人種間にある様々な問題について、時には笑いを交えつつ、楽しみながら観られたところが良かった

多くの人に観て欲しい作品

とえ