「色々と考えさせられる作品」さよならの朝に約束の花をかざろう 映画太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
色々と考えさせられる作品
長寿と短命でのカップリング作品は今までいくつか見てきましたが、
そこに親子愛を入れたのはあまりなかったので衝撃的でした。
この作品のテーマは「命と別れ」です。
寿命の長い生き物と短い生き物がいる。
故に、必ず来る別れを恐れ、出会いを拒む宿命を背負った種族の話です。
主人公はそんな悲しい宿命を背負った両親を持たない少女、マキア。
あることがきっかけでマキアは物語の途中赤ん坊を拾います。
赤ん坊をエリアルと名付け、エリアルは夫を失った優しい一家の助けを借りながら、マキアの元で成長していきます。
そんな中マキアは初めて身近で死に触れ、いつしか来るエリアルとの別れを思い、長老の「人を愛せば本当の独りぼっちになってしまう」という言葉を理解します。
そして様々な事があり、長い月日が流れ、マキアはエリアルに最期の別れを告げます。
しかし、別れとは悲しく辛いものですが、恐れるものではない事を知り、マキアは新たな"別れ"を求めて旅立ちます。
映画はその後イオルフの復興が映されて終わりのです。
母子家庭の自分には、マキアの母親としての苦難や苦労などがとても心に響き、人の一生についてとても考えさせられました。
子供としての立場と母親としての立場を両方味わったようで、上映中、知り合いと見ているにも関わらず最後は抑えきれず涙を流し、帰宅後ひと眠りしてまた泣きました。
今まで、人が作った何かで人生が変わるなんてないだろうと考えていたのですが、この作品を見て、考え方がとても変わりました。
中でも、「どうして時は進むんだ」というクリムの言葉がとても心に残り、今生きている当たり前の日常はとても素晴らしい事だという当然のことに気付き、これからの生き方などを深く考えされられた作品でした。
見てよかったです。