劇場公開日 2018年2月24日

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「自分も子を持つ親の気持ちが解らない」さよならの朝に約束の花をかざろう Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0自分も子を持つ親の気持ちが解らない

2018年2月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

幸せ

 「あの花〜」「ここさけ〜」のキャッチコピーで宣伝していたのでソッチ系の話だろなと予想、それは予想通りでしたが〝イオルフの民〟の成長停止設定は予備知識無し。作品タイトルやキービジュアルからも想定できず、逆に驚きと興味をひかれる結果になりました。

 自分は18歳で地方田舎より上京以来ずっと独りで、今もソロ継続中。普通に結婚して子供がいれば青年エリアル位の子が居てもおかしくない歳です。作品は疑似母マキアとエリアルのフェイクな親子関係を綴ったもので、マキア自身も孤独だったため目線は自分と類似してるかと思いきやそんなことはなくキチンと子育て出来てるようにも伺え、サスガに女性は本能的にそう云うスペックを搭載してるんだろなと思いました。
 とは言え一部に同調しきれない部分も無くはなく、自分が人並みの人生ならば汲み取れたかもですが、ソコは自分のせいであって作品が悪いのではありません。

 お話の時経が若干不鮮明で、エリアル0歳から幼少〜少年〜青年〜成人と成長する時代の区切りと、時間経過がシッカリ把握しづらいのは気になりました。それはマキアが外見無変化な故に増々解りにくく、場面によっては一瞬「?」となる部分もありナニガシかの工夫が必要だったかと思われます。
 レイリアとクリムがベタい昼ドラのネバネバ展開で一部不可解な言動もあり、女性はこの手の世知辛さを妙に好んじゃうのかなと観てて偏見じみた印象を持ってしまう部分もあり…w

  美術も素晴らしくファンタジーとしての内容もマズマズで仕上がりも上々、初監督作品としては及第点です。ただ初監督作だからなのか、踏み込んだ演出も思い切った冒険もワリと控えめで、徹頭徹尾無理をしない内容でした。そのせいか内容に『ノビ』『コシ』の手応えは弱くチョッとだけ古臭い印象も受けます。
 次回作はその辺の監督自身の持ち味をもっと濃く活かしていく事になるでしょう。

Geso_de_Nyoro