闇金ドッグス7のレビュー・感想・評価

奨学金の返済のために、吉原に身を落とすという話だが、あまりに
救いが無さ過ぎる。

学生支援機構の奨学金制度には　確かにあまり良くない点も多い。

確かに、
返済が滞って督促を受けた場合、それでも延滞していると映画の
ように一括返済を求められる。
おそらくそれで返済ができる人は一握りで、そこまで滞った人には
貯えも財産もなく、月々の返済に充分な収入も無い人が大半だろう。
結局、弁護士に相談すると自己破産を勧められるが、その先にある
ものは、保証人への返済一括請求となる。
しかも学生支援機構は、取りッぱぐれが無い様に融資の際に保証人
を２件取っている。通常の奨学金の借金は600万円を超えることが
多く、老世帯（親や親戚の世帯というと大抵、定年前後）にとって
支払いが困難である事例が少なくない。
学生支援機構は、本人だけでなく保証人世帯２つ、計３世帯を壊す
こともある。
以上は最悪の事例。

しかし本作品のような事例だと、いろいろ援助や免除の申請が可能
だったはず。
まず奨学金返済の目途が立たなくなった時点で、きちんと申請して
いれば、返済猶予あるいは一部免除や月の返済額の見直しさえも
可能だろう。（あくまでも早く申請することが大事。）
姉の障害が生活を苦しめているなら、重度障がい者医療費の助成や
生活保護を求める方法もある。
なにより高額療養費制度があるので、一定額の負担で済むのが実状。

そして、映画終盤の裁判の脅し文句。
あきれた。
裁判したらいいだけ。悪くても生活に困らない程度の私財が、差押
えられる程度。もともと質素な生活なので、ほぼ差押えられるもの
はない。
給料の差押えもできない。
そもそも貸した側は自己破産されてしまう可能性があるので、裁判
にはリスクしかない。
もちろん、闇金やってたらこんな事ぐらい知ってるはず。
悲劇を演出するためにしても、このシナリオはない。

そうそう、姉が全身不随の障害なら、自宅で療養させることは困難
だが、それ以上に短い時間でも一人にすることは命取り。
映画では介護らしいことは、ほとんどしていなかったが、本来は
片時も離れることができない。このシナリオはありえない。

動画配信で映画「闇金ドッグス7」を見た。

2017年製作／86分／日本
配給：AMGエンタテインメント
劇場公開日：2017年9月2日

青木玄徳
逢沢りな
加藤歩
山田裕貴

予備知識なしで鑑賞。

生活保護費をだまし取られた債務者を
数万円の借金で追い詰め、
老いた母と無理心中させてしまったことから、
闇金嫌気がさした須藤司（青木玄徳）は、
その世界から足を洗い、
キャバクラでボーイの職に就いた。
店のナンバーワンホステスエマ（逢沢りな）に迫る
面倒な客を司が見事に撃退したことがきっかけで、
司とエマは距離を縮めていく。

エマは借りた奨学金、六百数十万円を返せなくなり、
風俗店に勤めることになる

偶然、小学校時代の女性教師と出会った司。
お金を貸してくれという。
立派な人だと思った先生は以外な一面を持っていた。

脚本がちょっとテキトーかなと思った。

満足度は５点満点で３点☆☆☆です。

司が主人公のストーリーの方が面白い。
介護、奨学金等の身近でリアルな話をストーリーに組み込んでるからかな？

ウィーメンダイヤルをやめた司の恋愛物語で、闇金感薄過ぎるしシリーズをみてこなかったら良くわからない流れ。

暗くシリアスな恋愛映画の様相ながら、勘違いの任侠野郎だったりのふざけた要素を入れて軽くしているのは良い感じ。
先生も展開のきっかけとして上手く作用している。

今回はそういう話じゃないとはいえ、金に纏わる作品のわりに、司の日給安過ぎるし、贅沢している訳でもないエマの金回り悪過ぎるし、相手が闇金じゃないなら正攻法は破産じゃないか？とか、金絡みで色々と引っかかる。

痛快さはないけれど、今まで全作みてきたら箸休め的な感覚としては良い感じかな。