劇場公開日 2019年5月18日

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「アメリカ社会を俯瞰するようなスケール感」ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5アメリカ社会を俯瞰するようなスケール感

2019年7月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

フレデリック・ワイズマン!そしてこれは傑作。

ニューヨーク公共図書館(NYPL)……そこで行われていること、そこで働く人たちの思い、知識、スキル、そしてそこを訪れる人たちの表情を丹念に拾う。知らないことだらけだった。図書館の多様性と存在意義を知った。

何よりそこで講演を行う著名人たちの話が貴重過ぎる。彼らが言わんとすることを時間を惜しまずじっくりと聞かせる。時空を超えてトリップした。

それにしても何という編集!これらすべてが綴られ一つの塊となり、ワイズマンそのものとなった。これぞ映画のマジック!

アメリカの近代史、人種問題、格差社会、教育問題、その他、雑多な内容に触れ……てかNYPLを通してアメリカの社会そのもの、その過去、現在、そして未来までを俯瞰しようとするワイズマンの企み、そしてそれを可能にするNYPLのポテンシャルの高さに圧倒される。

いや〜〜名古屋シネマテークの最前列の座椅子という劣悪な環境での205分、体は悲鳴をあげたが、満たされた気持ちになった。どれだけ教えられたことだろう。

エロくそチキン