「初日初回といったら、その筋の人とガチの人しか来ないでしょ」ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス なおさんの映画レビュー(感想・評価)
初日初回といったら、その筋の人とガチの人しか来ないでしょ
特殊なジャンルでかつドキュメンタリー。しかも上映時間200分越え休憩付きならなおさらだろう。
著名人の対談イベント、館内の会議、ニューヨークの風景、何十とある分館、市民向け教室、裏方のルーティン業務、やってくる観光客、利用者とのやりとりetc... が代わる代わる映し出される。制作サイドの意見を直接提示するようなナレーションやテロップ、インタビューはいっさい無いのが特徴的か。
資料の電子化(とその先に目指すもの)やネットワーク環境の提供が今を感じさせるところ。自宅での接続セットまで貸し出ししてるとは知らなかった。
ただやはりさすがこの長さは辛い。あまり興味がない講演部分では睡魔との激しい戦闘を繰り広げることになったので、映画作品としての評価は低め。
逆に生々しい館内会議や、マルケスの『コレラの時代の愛』を俎上にあげた読書会イベント、ドーキンスの毒舌なんかは食い入るように観てしまった。
ヘッドセットと1ページずつのスキャナーと自動仕分けしてくれるコンベアー一式欲しい。
そういえば初岩波ホールだった。
(2020/2/15 2回目)
やらないのならやればいいじゃない。ということで2回目。今度はあまり睡魔と闘うこともなく鑑賞。今回もその筋の人がだらけ。それと初回鑑賞時に購入していたパンフレットが理解の大きな助けになった。
二度目なのでもう少し細かい所まで注意して観れた。コレラの時代の愛撫(英語は”make love”と聞こえたが)、とか、男は外側は狼で…のくだりはちょっと面白い。
先にナレーションやテロップがいっさいないと書いたが、何をどのように撮っているかをみたら、製作側の意図はまあ分かるだろう。
まあでもやっぱり一気に観るもんじゃないとは思ってしまう。