「たった一人のヒロインと、彼女が結ぶ友情によって、シリーズが息を吹き返した」バンブルビー ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
たった一人のヒロインと、彼女が結ぶ友情によって、シリーズが息を吹き返した
マイケル・ベイは嫌いではないが、しかし彼の『トランスフォーマー』へ賭ける思いは時としてあまりに巨大すぎて、私としては受け止めるだけでも疲労困憊していたように思う。そんなベイがプロデューサー側に回った本作はこれまでとは一変。身近な、半径10メートル圏内で遭遇するような、とても不思議でワクワクし、そして心温まる友情の物語だった。この手触り感、最高ではないか。
80年代の濃厚な空気、そして音楽に彩られながら、ヘイリー・スタインフェルドが思春期のモヤモヤした思いを胸に、精一杯の勇気を振り絞る。同じ子供時代を経てきた人なら、この気持ちに共感せずにいられないだろう。これまでように肥大化し続けるのではなく、本シリーズはロボが身をかがめて寄り添ってくれる等身大のサイズへ生まれ変わった。CGの素晴らしさもさることながら、シリーズはこのたった一人のヒロインと彼女が結ぶ友情によって見事に息を吹き返したのだ。
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