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「これは間違いなくアメリカの歴史を描いている。」マザー! マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
これは間違いなくアメリカの歴史を描いている。
男社会と旧来の女性が、新しいマザーを中心に回っている。
周りは全ておかしな者ばかりだが、一番おかしいのは彼女の夫。そう思って、見てると、この異様な世界を理解できてしまう。
残り1時間だが、男社会と言うよりも、アメリカ社会を比喩してんじゃないかなぁ。
黒人と東洋系の逢瀬に出ていけとクレームを入れる。
しかし、若い美人な奥さんと見るからに醜い男。産まれくるその子はこの醜い男のDNAを受け継ぐ事になる。この映画で一番おかしな夫のDNAを受け継ぐのである。つまり、まだ、当分この社会は続くと言っている。
我が親父も飲み会があるたんびに人を連れてきた。普段は友人もいない親父だったが酒を飲むと、僕ら家族とは関係ない仕事仲間を家に連れてきた。八畳と六畳二間の借家である。家族5人でも狭いのにその倍の見ず知らずの酒と煙草臭い連中が訪れる。心の中はこのマザーのようだった。僕のマザーに聞けば、親父に暴力を振るわれるよりも嫌だったと生前語っていた。
だから、このエキセントリックで矛盾だらけの世界が理解できてしまうんだよね。間違いなく、これはアメリカの歴史。
焼け落ちる様は『ソドムとゴモラ』若しくは『バベルの塔』なのだろう。
墮胎しなければ、僕の見込みは間違ってない。
あとから、NET情報をさぐると、創世記をイメージしたとのこと。
そうすると、旧約聖書では、もう一人子供が出来る。そして、人類最初の事件がおこる。
つまり、人類滅亡へのパンドラの箱が開けられた訳である。
ボロボロにされた女性は男にとっては人類存続の為のequipment。
『エンド・オブ・ザ・ワールド』って『世界の終わり』てはなく、『世界の果て』つまり、アメリカのことなのかなぁ。
凄い傑作だ。
今晩は
コメント有難うございます。
ダーレン・アロノフスキー監督はナカナカ毀誉褒貶ある監督で、ご存じの通り今作は本国で大コケして、日本上映も見送られましたが、私は結構面白く鑑賞しました。ジェニファー・ローレンスともイロイロ有ったようですが私はゴシップネタはレビューには挙げませんので。
「グッド・ナース」「ザ・ホエール」で再評価が進み、ヤレヤレです・・。では。