祈りの幕が下りる時のレビュー・感想・評価
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二転三転のプロットが秀逸
前作の「麒麟の翼」では中井貴一が主役を脅かすほどの存在感のある役を演じていたが、本作ではそれほど強烈な存在感のある役はなかった。しかし主人公に縁のある人物たちがスポットを当てられていて、それぞれのエピソードが次第につながっていくという、なかなか目の離せない仕上げになっている。特に小日向文世は流石の演技で、誰も恨まず、泣き言も言わず、言い訳もしない京都の男を、人間の存在の儚さを見せつけるように演じていた。
刑事物だから殺人事件の犯人を追うのがストーリーの中心だが、見つけたはずの証拠が目論見と違っていたりして捜査が二転三転する。主人公が真実に迫るにつれて、母の晩年や犯人の過去が明らかになっていく。それがなんとも物悲しい内容なのだ。
泣けるほどではないが、良くも悪くも人々が一生懸命に生きたのだというカタルシスがある。見終わるとスーッと肩の荷が下りるような感じがした。それはまさにタイトルの通り、悲劇の幕が下りたのであった。
☆☆☆★ 原作未読 東野圭吾の加賀恭一郎シリーズは、「新参者」は過...
☆☆☆★
原作未読
東野圭吾の加賀恭一郎シリーズは、「新参者」は過去に読了済み。
若い頃の話を描いた作品は、おそらく1〜2作品は読了しているかも知れない。(当時は意識して読んでいた訳ではないので)
ところで、この話って『砂の器』にインスパイアされて書かれたモノなのだろうか?
男女の違いこそあるが…有名になったが故に、過去を知る人物を殺害。
愛人の存在に父親との逃避行。
最後は舞台袖での告白(『砂の器』は演奏会を背景にして、捜査会議での真相)等。
但しパクリだとは思わない。主人公の加賀の家庭環境・母親への想い等が綴られて行くのだから。
だが…何でもかんでも台詞やフラッシュバック映像によって、観客に向けて懇切丁寧な説明映像の羅列が…。
ちょっと引いて考えてみると。後付けとも取れる展開等でのそれらの説明過多には、此方の気持ちが段々と萎えて来て、引き気味になってしまった。
2018年1月29日 イオンシネマ板橋/スクリーン8
見応えのある内容
原作を読まずに鑑賞したため、素直に入り込めた。
親が子を想う気持ちに、とにかく切なくて泣けました。ミステリー要素もしっかりしており、まさに点と点が線になるストーリー展開でした。
最後の謎の殺害方法には、ちょっと現実的では難しいのでは?と思ってしまったので、−0,5にしました。
改めて松嶋さん、小日向さんの演技に感動!
1+1=3の泣けるミステリー~東野+TBSの星~
「祈りの幕が下りる時」88点。
素晴らしい!
「1+1=3」の「東野圭吾」の魅力WORLDです。
絡み合った出来事が緻密に見事につながる謎解き「ミステリー」+どこにでもいる人々の「普通の・大切な」「こころ・情・思い」=「泣ける」人間ドラマです。ヒューマン「ミステリー」です。
「ドラマのTBS(復活でしょう。「フジTV」があまりに…)の星」にふさわしい「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」の演出の「福澤克雄(諭吉の孫?)」の魅力WORLDです。
「1+1=3」の魅力にふさわしい「原作者・小説家・文学者」+「監督・演出家」=久々の「名作・感動作」です。
「適材適所」のキャスティングも決まっています。
あまりに美しい「松嶋奈々子」さん。凛々しく運命を受け入れます。完全に役になり切り、その涙ぐみ口の端が微動する姿に胸打たれます。
「春風亭昇太」さん。庶民的な単純素朴な言動にホッとします。
素直な中身の良さがにじみ出ている「飯豊まりえ」さん。癒されます。低俗な週刊誌に身体をさらしてはいけません。
エラく地味な役でも「ミッチー・及川光博」さん。出るんです。
「関ケ原」のやんちゃなヒール役「福島正則」から目を引きます「音尾琢真」さん。損な役ではありません。見ている人は見ています。
そして、いつもニコニコの「小日向文世」さん。熱演でした。さすが舞台からの叩き上げの役者です。
多忙な「阿部寛」さん。前回の東野作品「疾風ロンド」に唖然としましたが、今回はマシでした。いつも「クールで知的」な「加賀恭一郎」ですが、今回の設定ではもう少し弱いこころを出しても。「エモーショナル」でも良かったのでは?ちょっと明察すぎます。でも「ハマり役」です。原作の「加賀恭一郎」からしてあなたしかいません。
なんといっても「キムラ緑子」さんです。見事な「ダメなおばちゃん」役です。あなたのせいで…。関西弁のおばちゃんは東の「大竹しのぶ」さんに匹敵する名優です。応援してます。
あっちこっちで映像の工夫がされてます。
「顔」の出し方が巧みでした。特に、誰(役者の顔)かわかちゃったらまずい「似顔絵」と、タイトルを出す直前は。
また絡み合った出来事をわかりやすく図式化してるのも丁寧です。
あのシーンは「砂の器」を意識してるんですね。
BGMとしてあの馴染みの曲はピッタリでした。
「JUJU」さんの歌声もエンディングにピッタリです。
タイトル通りの見事な感動のフィナーレでした。
親子の絆は決して切れません。だって「人間だもの」🍀
役者がハマりすぎ!
原作読み後の鑑賞です。
演出家が主人公の物語だけあって、原作はしゃれおつで雰囲気のある作品でした。いろんな俳優さんを当てはめて読みましたが、今回の映画の演出はハマってるなぁとw
ただ推理の部分は、やや消化不良ぎみ。時間の兼ね合いもあるだろうけど、展開の速さや説明部分の多さが気になった。原作ではもっと振り回されました。
しかし、後半部分の映像化には、文字では伝わらない迫力に感動させられました。どうなるか分かってても嗚咽混じりで泣きましたw
原作読んでから観るのは大いにアリです!
初見でもOK!
テレビシリーズ、前回の映画とも観ていなかったけど充分楽しめた。
過酷な人生を強いられた親子が壮絶な最期を向かえる。
捜査を進める中で、刑事自らも親子の絆に向き合うことになって行くやや重めなストーリー。
後半は一気に話がまとまって行くので、それまでの緊張感が少し置いてきぼりになるものの、とても見応えのある作品でした。
テレビシリーズ観てなくても大丈夫!
凄かったぁ
さすが!!!という感じで、安定して、ハラハラドキドキさせて観させていただきました。新参者シリーズを全部観てきましたが、退屈とか、つまらないとか感じたことないですね、阿部寛さんと東野圭吾さんに感服です。今回も親子愛の深い深いとこを魅させていただきました。もう、誰が犯人かとか、カラクリを考えるのを途中からやめて、ストーリーを堪能して、涙を流して、作品に没頭することができました。加賀さんの活躍事件の続きも観たい気持ちはありますが、とりあえず、お疲れ様です!!!
人物整理が大変
このシリーズは映画、ドラマとも楽しく見ている。今回の作品も人間ドラマとしては良くできていて非常に見応えのある作品ではあった。
しかしながら、複雑に絡んだ人物関係の整理が付きにくく、あれ?と考えている間に話が進んでしまうので、追いつくのに大変だった。偽名とかもあるので、名前をしっかり覚えて見進めていかないとならない。
小説と違い、時間の関係上一人一人を踏み込んで描けないため、ミッチーなどはストーリーから除外した方が良かったのかも。その他随所に無理があるシーンが見えるのが残念でならない。父娘の最後に取った手段も好きではない。それでも楽しめた作品ではある。
原作より良かった
原作を読んだ時はもっとドライな感じで、東野圭吾にしてはそれほど出来はいいとは思わなかったが、映画の出来はすこぶる良く、原作よりも良くできていた。ちょっと「砂の器」を意識したのかなという感じはあったが、原作を上回る映画はそれほどなく、エンターテイメントを目指してこれほど感動作に仕上げたのには感心した。
これぞ東野圭吾の真骨頂
複雑に絡み合った人間模様…と見せかけて、実は単純な二組の親子の切ない愛の物語とでもいおうか。
儚げな松嶋菜々子がとてつもなく美しい。
あの母親さえあんなことをしなければ、この親子はこれほどまでに苦しまずに済んだのに。
人を殺めることもなかったのに。
そう思うと観ているこちらまで苦しくて辛い。
小日向さん、素晴らしかった。
そして桜田ひよりちゃん、HEROや相棒で観て印象に残る女優さんだとは思ってたけど、本当にうまい!
これからが楽しみです。
新参者は観たことないけど、これ一話だけでも充分に楽しめるストーリーとなっている。
これまで東野圭吾作品の映画では容疑者Xの献身が自分の中でナンバー1だったけど、この映画も負けてない。
ぜひ劇場で観てもらいたい傑作です。
父娘愛、見事に演じ切った三女優と小日向文世さん。
巧い作り方だったので、途中までのミスリードにも、真相の考えさせ具合も、本当に惹きつけられた。娘と父の固い絆、松嶋菜々子さん、久しぶりに見せて貰った好演でした。
加賀恭一郎、日本橋所轄勤務がこれで終焉なのかと言う切ない気持ち、エンドロールで繰り広げられた過去の事件関係者等の登場で救われた感じになってましたね。
父隆正を看取ってくれた田中麗奈さんの好演も光ってました。
祈りの幕が下りる時
とても楽しみにしていた映画だったのに、とても残念な気持ちがいっぱいです。松嶋菜々子さんの若い頃を演じているのが飯豊まりえという人でとても大事な役なのに大根過ぎて全然ストーリーの良さが入ってきませんでした。ミッチーの場面も生徒と同窓会で一緒に写真に写っているミッチーは白髪老人メイクのミッチー、飯豊をストークして見つかって殺されるミッチーは黒髪。。。。こういうところが雑だと萎える。
とにかくゴリ押しはシリーズものには使わないでほしい。
ミステリーというより、ヒューマンドラマ 桜田ひより、飯豊まりえ、松...
ミステリーというより、ヒューマンドラマ
桜田ひより、飯豊まりえ、松嶋菜々子とリレーされる浅居博美に泣かされました
加賀の母が、仙台に住んでいたという設定だが、石巻や松島が仙台に?小説の世界の話だから、許される話なのか
映像と音楽がマッチしていて、スクリーンに引き込まれた
エンドロールのJUJUの歌、カメオ出演している役者達、日本橋を自分が歩いているような錯覚、最後まで楽しませてもらった
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