「杜撰な設計図」宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第三章「純愛篇」 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
杜撰な設計図
グッとくる台詞やシチュエーションは多いものの…なんだろうこのかけ足感は?
なんだか都合のいい事柄が目白押しで、なんだかピンとこなかった。
古代のプロポーズも?だし、乗組員たちが催眠に至るのも?「黙ってであげる…」とか、反反動力分子の設置の仕方とか。
この混乱に乗じてとかもっともらしい台詞を言ってはいるが、肝心の絵に混乱のこの字も映ってない。
波動エンジンの真ん前で、これ見よがしにその分子を飛ばせてみせる。
チャンスは一度きりというものの、その緊張感のきの字を感じる時間もなく、スルスルと動力部に飛んでいく。…おいおい。
今の今までエンジンルームに人がいなかった事などなかったろう?
波動エンジンの詳細はわからなくとも、あんな外部からなんだか分からん隙間のようなものに向かって飛んでく適当さはなんなのだ?
…そおいう適当感が全編とおしてある。なんつうか困難な手順や表現をすっ飛ばして事象だけを見せられてるようで不満が募る。
その先が見たいとか、
それまでにドラマがあるだろう、とか。
総じてとっちらかってるって印象だった。
白色彗星の帝王は、あんなエスパーみたいな能力があったっけか?
あんな事できるなら、偵察とか報告とかいらんだろうに…脚本上、アレはできるけどコレは出来ないってのがどおにも煮え切らない。
真田さんがぶちかます後説的な論理も理解の範疇を超える。
脚本的には逃げの一手だろう、これは。
脚本家の質の問題なのかな?
そおいうご都合主義に疑問を抱かない風潮が気に入らない。
この作品によって当初、野心的かつ挑戦的だったヤマトのブランドは地に落ちて、他の深夜番組とか予算無い系のアニメ作品と同等になっちゃったなぁ。
楽しみにしてたのに…。
残念な事に、ご臨終だ。