「ハン・ソロが若き日のハリソン・フォードに見えてきた。」ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
ハン・ソロが若き日のハリソン・フォードに見えてきた。
『1人の人間が善悪や清濁とは関わりなく出会う人々や闘いや試練を乗り越えていくことを通じて成長していく過程を描く』
そんなことをわざわざSF、いや、スターウォーズの世界観の中で行うのは何故なのか。
たぶん、バブルが崩壊する頃まで文明・科学の進歩は、大半の人が明るい未来が約束されたもの、そして人間自体も文明の進化とともに(かなり漠然とではありますが)進歩していくものと捉えていたように思いますが、今に至って尚、他人を羨んだり嫉妬したりするネガティブな感情、孤独や寂しさに対するやるせなさ、愛や友情や一体感のような前を向ける感情、などといった人間の営みから生じる様々な心の動きについては何も変わっていないことに気づかされます。それどころか、退化としか思えない非寛容さの方が力を持ちつつあるようにさえ思えます。
世界は急には変えられないし、ある一定の扇情的な思想が力を得てしまうと、後戻り出来なくなることも歴史が物語っています。それでも一人一人が安易に力の強いもの(帝国軍や犯罪シンジケート)の側につく楽な道を選ばず、個々の良心に従い行動を選択していくことが最終的には世界を救うことが出来る。ハン・ソロはその象徴なのかもしれない。そんな風なことを時間が経ってから考えました。
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