「主演2人の演技合戦が見事、プロットのペース配分も上手い」累 かさね たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
主演2人の演技合戦が見事、プロットのペース配分も上手い
アマプラで駆け込み鑑賞。女優ファンの方が絶賛する本作だが、主演2人の開演は見事で作品の魅力そのもの。醜態と憎悪が煮込まれたダークファンタジー。
スランプに陥った女優と、顔に傷を負った2世女優。口紅で交わりながら、互いの感情が交錯していく。次第に見えてくる想いと過去の衝撃。良くある「女vs女」の構図だったら満足しないのだが、その中に滲む感情がむき出しになるからこそ、その奥行きが見えてくる。同時に累の過去が見えることで、思わぬ所へ連れて行かれる。ホラーであり、人間の醜態であり、そのシーソーゲームはハラハラ。
その緊張感を生むのは、何と言っても土屋太鳳さんと芳根京子さん。この2人に尽きる。序盤はどちらがどっちになっているのか分からないか不安だったが、これまた見事。色の出し方、感情の想起がまるで違うので、割とハッキリしている。土屋太鳳さんの表現力、芳根京子さんの喜怒哀楽の強さ、それぞれが無くてはなし得ないものだったと思う。ちなみに、最近の邦画シーンを騒がす伊東蒼さんも出演。さすがの演技力。
プロットのペース配分が上手かったこともあり、後半は特に見物。終わる前に観れて良かった。
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