「大前提が破綻してる。」累 かさね パパ桃さんの映画レビュー(感想・評価)
大前提が破綻してる。
【全体としてどうか】
他の人も書いてますが、累を演じてるのが芳根京子さんであることで、「累=化け物のように醜い」ということの説得力が全くありません。
もうこの時点でマイナス1000点なので負け試合決定です。「ニナが絶世の美女、累が化け物のように醜い」というコントラストがそもそものスタート地点なのにそこが破綻してるわけですから、他のディテールがどれだけ良くても挽回しようがないです。
その役に相応しい女優がいるかと言われればいないでしょうから、せめて特殊メイクで説得力を持たせるべきだったのでは無いかと…。メイクでちょろっと口裂けてる風にするだけでなく。
もっとも、現実にその顔に似た特徴を持つ女性がいたとしたらいじめられる原因になる可能性もはらんでるので難しいのだとは思いますが、この物語の根本に関わる問題なのでどうにかしてほしかったです。
【良かった点】
土屋太鳳さんの演技や踊りは良かったと思います。演技に関しては酷評と絶賛に分かれてる感じがしますが、それほど極端なものではなく、10段階評価の7くらいかなと。期待値は超えてきたので「おぉ」と思いました。
芳根京子さんの演技も同様に良かったです。芳根京子さんに関しては期待通りですが。
この映画の見どころとしては終盤の土屋太鳳さんのダンスですかね。おぉ〜ってなります。
【気になった点】
漫画原作なので仕方ないと言えば仕方ないですが、登場人物の行動や物語の展開が不可解です。
漫画なら絵の力やコマ割りでスッと入ってくる言動がアニメにすることで違和感が出ることがしばしばありますが、実写化となると更に細心の注意が必要です。累もそれ相応のアレンジが必要なのではないかと。
あと些細なことですが、小声で喋ってる時の音量と叫んでる時の音量に差がありすぎて、叫ぶ時にビクッとします。
小声で喋ってるときはカメラを寄せるなどして小声感を演出しつつ、もう少し大きい音量にしないと叫んでる時の音量が大きすぎます。「メリハリが効いてて良い」とも言えるのかもしれませんが。